フジ親会社の大株主・ダルトン、日枝久氏の取締役退任も取締役5人の残留を指摘「何も変わりません」
元タレント中居正広氏の性暴力に端を発するフジテレビ問題に関し、第三者委員会による調査報告書の公表を受け、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の大株主である米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが3日、公式サイトで声明を発表した。取締役5人が留任していることを指摘し、あらためてFMHおよびフジテレビの経営陣刷新を要求した。

未曽有の危機を招いた責任は…「日枝氏と取締役会の構成員」
元タレント中居正広氏の性暴力に端を発するフジテレビ問題に関し、第三者委員会による調査報告書の公表を受け、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の大株主である米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが3日、公式サイトで声明を発表した。取締役5人が留任していることを指摘し、あらためてFMHおよびフジテレビの経営陣刷新を要求した。
ダルトン社は「第三者委員会の調査報告に関する初期的コメント」と題した文書を公式サイトで掲載した。約2か月で詳細な調査報告をまとめた第三者委員会に感謝する一方で、日枝久前取締役相談役らの責任を追及し、報告書公開前の3月27日に発表されたFMH、フジテレビの役員人事を批判した。
「日枝氏によって指名された社内の役員と日枝氏の知己として招聘された社外取締役は、日枝氏の時代を終わらせて次世代に経営を委ね、コーポレートガバナンスを機能させようという意識がありませんでした。そもそもコーポレートガバナンスが機能していないという認識すらなかったのではないかと思います!今回の未曽有の危機を招いた責任は、日枝氏のみならず、オールドボーイズクラブと揶揄されるグループである取締役会の構成員全員にあります。残念ながら、これはエイプリルフールのジョークではありません」
その上で「FMHにおいては、金光氏が会長として、清水氏が社長として残り、日枝氏の知己として招聘された茂木氏、島谷氏、齋藤氏もオールドボーイズクラブを継続するというのですから、何も変わりません。これら5名の取締役は、第三者委員会で指摘された経営責任を負っており、新経営陣として残る意図が理解できません」と指摘。「仮に、信頼回復措置を実行するための暫定的な役割を担うのであれば、退陣の時期を明らかにすべきです。2025年3月31日の記者会見において、清水社長はこの質問も受けましたが、茂木氏、島谷氏、齋藤氏3名の選任理由も、金光氏、清水氏を含む5名の退任時期も明らかにしませんでした」と追及している。
フジテレビは同社を巡る一連の問題に関して、3月31日に第三者委員会の会見と、同局の清水賢治社長の会見開き、「調査報告書については、フジテレビの元女性アナウンサーが中居正広氏による性警暴力の被害を受けた。そこに至った経緯について詳細に認定されました。その上で、事案発生後の会社の対応や企業風土、ガバナンスなどの問題について大変厳しい指摘を受けました」とした。そして、「責任を痛感している」と語り、被害女性に対面して謝罪する希望を口にした。
