「これは本当に危ない」キッチンカーで生焼けの唐揚げ…厚労省も注意喚起、鶏の生食の重症化リスクとは
これからの季節、花見やお祭りなどのイベントで出店が増えるキッチンカー。手軽に調理済みの食事が購入できる一方で、屋外調理の衛生面を懸念する声も根強い。キッチンカーで購入した唐揚げが生焼けだったことを報告する投稿が、ネット上で話題を呼んでいる。投稿者の女性に詳しい話を聞いた。

手足や顔面神経のまひ、呼吸困難などを引き起こすギラン・バレー症候群を発症する場合も
これからの季節、花見やお祭りなどのイベントで出店が増えるキッチンカー。手軽に調理済みの食事が購入できる一方で、屋外調理の衛生面を懸念する声も根強い。キッチンカーで購入した唐揚げが生焼けだったことを報告する投稿が、ネット上で話題を呼んでいる。投稿者の女性に詳しい話を聞いた。
「キッチンカーで唐揚げ買ったら生だった。しかも子供が食べてたやつでショックが大きい」
今月1日、SNS上に投稿された写真には、中心部がほとんど生のままの食べかけの唐揚げが収められている。投稿には8000件を超えるリポスト、9.4万件もの“いいね”が寄せられており、「これは本当に危ないですね…」「お子さんの体調が心配」「カンピロバクターにならないといいのですが」「生の鶏肉に付いてるカンピロバクターで食中毒起こすし、最悪ギランバレー症候群で半身不随になる」「ブームのせいか最近は衛生面にいい加減なキッチンカーがめっちゃ増えてる」「保健所に通報案件」など、懸念や憤りの声が相次いでいる。
厚生労働省のホームページによると、生の鶏肉を食べることで発症するカンピロバクター食中毒は国内では最も発生件数が多く、近年では年間300件近く発生、2000人程度の患者数を推移している。下痢、腹痛、発熱、嘔吐(おうと)、頭痛、倦怠感などの症状や、潜伏時間が1~7日間と長いことが特徴で、乳幼児や高齢者、抵抗力の弱い人ではまれに重症化する危険もある。さらに、感染の数週間後には手足や顔面神経のまひ、歩行不能や呼吸困難などを引き起こすギラン・バレー症候群を発症する場合もある。
投稿者は夫と子ども5人の7人家族という30代の女性。外国人が1人で販売しているキッチンカーで、ポテトと唐揚げのセットになっている商品を購入したという。投稿者は当時の状況について、「娘がお茶を飲もうとして食べかけの唐揚げを置いたところ、一緒にいたママ友が気づいてくれました。キッチンカーの店員さんに火が通っていないことを伝えたところ、『すみません、返金します』と言われただけでした」と説明する。
「作ってくれた方もわざとではないと思っていますし、娘が食べる前に私が唐揚げを半分にして確認してたら食べることはなかったのにと反省してます」と投稿者。一連の反響について、「屋台やキッチンカーでは起きやすいこと、同様の経験をして体調不良になられたという方の投稿を拝見して、潜伏期間は油断せず過ごそうと思います」と話している。
