【べらぼう】小芝風花が明かす瀬川役の苦しみ 蔦重との別れに「涙が止まりませんでした」
俳優・小芝風花が、瀬川(身請け後は瀬以)を演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、第14回(4月6日放送)で描かれた瀬川や主人公の蔦屋重三郎、身請けした検校への思いを明かした。物語は18世紀半ばに江戸のメディア王と呼ばれた蔦重こと蔦屋重三郎を軸に描く痛快エンターテインメント。瀬川と蔦重は幼なじみで互いに思い合う関係。蔦重を横浜流星が演じている。

第14回では鳥山検校と離縁、蔦重の前からも…
俳優・小芝風花が、瀬川(身請け後は瀬以)を演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、第14回(4月6日放送)で描かれた瀬川や主人公の蔦屋重三郎、身請けした検校への思いを明かした。物語は18世紀半ばに江戸のメディア王と呼ばれた蔦重こと蔦屋重三郎を軸に描く痛快エンターテインメント。瀬川と蔦重は幼なじみで互いに思い合う関係。蔦重を横浜流星が演じている。
(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)
第14回では悪事を重ねた検校が捕らわれて瀬川と離縁。蔦重と瀬川は結婚できる環境となったが、瀬川はいわくつきの自分が吉原にいない方がいいと言って蔦重の前から姿を消してしまう展開だった。まずは検校をどんな存在ととらえて演じたのか聞いた。
「本当にいい男だと思います。蔦重さえいなければ添い遂げられる人だったと思います。でも、どうしても心の中に蔦重がいて、ちょっとした声色やしぐさで検校はすべてを察せるんです。だから瀬川も関係を築きたいと思うけど、近寄ると心の中がバレてしまうと感じ、うまく心の距離を縮められなかったと思います」
演じることで瀬川の人生を生き、何か学びはあったのだろうか。
「昔はいろんな制限、縛られること、やりたくてもできないことが今は当たり前にできる時代。瀬川が純粋に人を思っても報われず、いろんなしがらみの中で生きているのを見ると、今、私たちはこんなにも自由なのだから本当に自分が幸せと思える道を進むべきという勇気をもらいました」
この作品を通じて女優として得たものはあるだろうか。
「視聴者の方が瀬川の複雑な細かい感情の変化をくみ取ってくださっていて、ていねいに演じたらちゃんと伝わるという自信ができました。これからもどんな役も丁寧に向き合っていきたいと思います。いい作品を作るために頑張っていきたいです」
第14回ではせっかく蔦重と一緒になれる環境になっても瀬川は自分が蔦重の夢の妨げになると察した様子が描かれた。
「最初は蔦重と一緒になるために荷造りしていたのに、離れるための荷づくりに変わるのがすごく苦しくて。その後、文を残しますがカットがかかっても涙が止まりませんでした。すごく苦しかったです。長く思い続けた人と一緒になれるのに自ら身を引く思いが苦しかったです。でも、その苦しい思い、一緒になりたい思いを無視してでも蔦重の純粋に本を作るのが好き、吉原を良くしたいと笑っている姿が好きだから身を引いたと思います」
瀬川の選択を小芝はどう思うのか。
「いやー、苦しいです。あまりに立場や環境が違うので自分が同じ立場なら、という想像はできません。蔦重もそうですが自分を犠牲にできるんです。瀬川にできる蔦重の夢を守る唯一選択方法だったのだと思います。すごくせつないです」
瀬川にとって蔦重はどんな存在だったと思うか。
「セリフにもありますが『重三はわっちにとって光でありんした』と。本当にそうだと思います。身を削らなきゃいけない場所に置かれ、逃げることもできない中、重三という存在だけが光。重三の夢が自分の夢にもなっていき、こうなったらいいなという“外の世界”に連れ出していってくれる存在。本当に光だったと思います。蔦重の魅力はまっすぐなところ。自分が得をしよう、お金持ちになるというのではなく吉原のために、という根本がブレないところがいいですね」
蔦重の前から去っていった瀬川のその後を考えたことはあるだろうか。
「幸せに暮らしていたらいいなと願うばかりです。瀬川の人が求めることを見抜いてこたえられる力はきっと外に出ても強い味方になってくれると思うので、幸せでありますようにと思っています」
蔦重にメッセージを送るならどんな言葉だろう。
「やっと一緒になれるとなった時に急にいなくなって蔦重も苦しいと思いますが、蔦重の真っすぐさといい方向にみんなを巻き込んで進む強い力で江戸の街を盛り上げていってほしいなと思います。瀬川は遠くから見守っていると思います」
