沖縄でスカウトされ4年、話題作に続々出演の18歳・當真あみが最も信頼する存在「ほぼ毎日話しています」
今最も勢いのある若手俳優の一人、當真あみ。4月4日公開の映画『おいしくて泣くとき』(横尾初喜監督)では、複雑な家庭で育った高校生のヒロイン・夕花を繊細に演じている。地元沖縄でスカウトされ、2021年にCMデビュー。翌22年にテレビドラマ初出演すると、その後は映画やドラマ、CMなど引っ張りだこの活躍をみせている。自然な演技や透明感あふれる姿で注目を集める18歳が今、感じることとは。

長尾謙杜主演映画『おいしくて泣くとき』で同級生のヒロイン役を好演
今最も勢いのある若手俳優の一人、當真あみ。4月4日公開の映画『おいしくて泣くとき』(横尾初喜監督)では、複雑な家庭で育った高校生のヒロイン・夕花を繊細に演じている。地元沖縄でスカウトされ、2021年にCMデビュー。翌22年にテレビドラマ初出演すると、その後は映画やドラマ、CMなど引っ張りだこの活躍をみせている。自然な演技や透明感あふれる姿で注目を集める18歳が今、感じることとは。(取材・文=大宮高史)
本作は、森沢明夫氏の同名小説が原作。学校で心を通わせ合うも、ある事件をきっかけに離れ離れになってしまう同級生の青春と30年後を描いたラブストーリー。男性アイドルグループ・なにわ男子の長尾謙杜が、幼いころに母を亡くした高校生の心也役で劇場映画初主演を飾り、當真は心也の同級生でどこか影のあるヒロイン・新井夕花を演じる。けがでサッカーを諦めた高校生の心也(長尾)と同級生の夕花(當真)は、クラスで学級新聞の係を押しつけられたことで仲が深まる。夕花の提案で2人は「ひま部」を作って一緒に過ごす時間も増えていくが、夏休みに心也は夕花の家庭の事情を知ってしまい、ある行動に出て……という展開だ。
――夕花というキャラクターには、どんな印象を持ちましたか。
「強い子ですね。父子家庭で義父との関係がそんなに良くなくて、学校にもあまり居場所がない子ですが、弟がいて、自分が盾になってでも弟を守ろうとします。だから弱々しく受け身になっているだけではなくて、行動力があるところも見せたいと考えました」
――ラブストーリーではありますが、夕花の家庭を映すところでは重苦しい場面も続きました。
「クランクインして最初に撮ったのが、父親から激しく当たられるシーンでした。父親役の池田良さんが怖いイメージを保つために、あえて私たちと話さないでいたそうです。もうそれでピリピリした空気感ができて、私は夕花としての感情を池田さんにぶつけるのに集中できました」
――作品中、一番思い出深いシーンは。
「心也くんと別れる駅のシーンに精魂を込めました。2人の精神的な変化が見られるところで、夕花としても覚悟を見せないといけない場面でもあったのですが、私が気持ちを作っていくのに時間がかかってしまって……。でも皆さんがお付き合いしてくれて、後悔なくできました」
――時間がかかった、というのは何か葛藤があったのでしょうか。
「夕花と心也にとって一番大切な場面なので、『彼女の心也くんへの思いって?』と考え込んでしまって、夕花として高まった感情を全て放出するのに苦戦しました。丁寧すぎたところを長尾さんや監督に助けてもらいました」
――心也役の長尾謙杜さんとは今回が初共演となりますが、現場でどんな印象がありましたか。
「すごく明るい方だったので、初日から壁もなく自然に『ひま部』の空気感を作っていけました。私が上手くできなかったと思う時があっても、『そういう日もあるよ』みたいに明るい言葉をよくかけてくれたので、助けられました」
――今作で注力したこと、奮闘したことがあれば教えてください。
「『居場所を求める気持ち』を想像することでした。私はありがたいことに、お家はずっとあたたかい居場所で、お母さんやおばあちゃんのお料理が今でも大好きです。でも夕花は学校にも自分の家にも、安らげる空間がなく、心也くんとのひま部が居場所になっていきます。自分ごととして演じてみるのは難しい経験でした」
――芸能活動でも、家族が支えになっているんですね。
「ほぼ毎日、いいことも悪いことも、『今日こんなことがあった』ってお母さんに話してしまいます。もともとネガティブな感情をため込むのが嫌で、壁にぶつかった時も身近な人に話すことで前に進んでいける性格なんです。母はどんなこともしっかり聞いてくれて、『そうだったんだね』と受け止めてもらえるだけでうれしくて。一番信頼している存在です」

「東京の遊園地に行ってみたかった」
――夕花は中学時代に部活を諦めた過去がありましたが、當真さんは何かを諦めたり、挫折を感じた経験はあったでしょうか。
「小さな後悔や反省は、いろんなところで感じます。何か大きなことを諦めざるを得なかった、という経験はないんですが、作品が終わるたびに『もっとこうすればよかった』と考えて、次に活かそうと思います。いつか大きな壁に当たった時にその考えが打開するヒントになれればなとも思います。止まっていないで、試行錯誤できる人でいたいですね」
――では、ご自身の学生時代の思い出は。
「ごく普通に遊んで学んで、という平凡な日々が楽しかったです。東京にある大きな遊園地って、沖縄にはなかったので、ちょっと憧れがありました。上京して初めて友達と遊びに行って、ジェットコースターのスリルにハマりました」
――この春まで、上京して高校生活を送ってきましたが、東京の街のイメージは?
「新しいものがたくさんあって、すぐチャレンジに踏み出せる街です。電車も上京して初めて乗りました(笑)。1人で行動していても便利で楽しいです。映画もよく見るようになって、趣味も増えました」
――デビューから4年になり、ドラマ・声優・CMなどで存在感を見せています。22年にTBS系『妻、小学生になる。』でテレビドラマ初出演し、同年『カルピスウォーター』の14代目CMキャラクターに抜擢されました。23年はNHK大河ドラマ『どうする家康』、日本テレビ系『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』、昨年はNHK『ケの日のケケケ』でテレビドラマ初主演を果たし、次々に話題作に出演しました。役柄はさまざまでしたが、最後にご自身を分析した上で、今俳優として思うことを聞かせてください。
「どちらかといえば、心の底から明るい性格ではないのかなと思っているので、より自分に合っているのは、我を張ったりしない素朴な女の子かなって思います。でも意外と『芯が強そう』と言っていただけることも多いので、今回の夕花のように、自分の気持ちを強く持っている役もサマになっているのなら、うれしいです。もっといい評価をいただけるよう常に頑張っていきたいですね」
(取材メモ)
2020年に沖縄でスカウトされた當真は、翌21年に『リクルート』CMでデビューした。透明感ある少女役は目に留まり、ナレーションも難なくこなして、新星現る、という印象を持った。22年にはオーディションでアニメ映画『かがみの孤城』の主人公・安西こころに選ばれ、声優に初挑戦した。その後も23年にNHK大河ドラマ『どうする家康』で徳川家康の長女・亀姫役を演じるなど順調にキャリアを積んできた。一方で本作の夕花や、昨年主演したNHKドラマ『ケの日のケケケ』での感覚過敏の少女・片瀬あまねのように、繊細で陰のある役でも魅力を放つ。
本作のロケ中には、心也と夕花にとって大切なものになる四つ葉のクローバーについて「軽い気持ちで探したらたくさん見つかって、うれしくなって」と現場で集めてスタッフにプレゼントしたという。そんなピュアな感性も“ヒロイン感”を引き立てるのだろう。
今年3月4日にはファースト写真集『Ami』を発売した當真。映像で、写真で、あるいは声で、今後もどんな表現を見せてくれるのか、興味は尽きない。
□當真あみ(とうま・あみ)2006年11月2日、沖縄県生まれ。14歳でスカウトされ、21年にリクルートの企業CMでデビュー。22年にはTBS系ドラマ『妻、小学生になる。』でテレビドラマ初出演を果たし、同年に『カルピスウォーター』の14代目CMキャラクターに抜擢される。2023年にはNHK大河ドラマ『どうする家康』で徳川家康の長女・亀姫役を演じる。声優としてはアニメ映画『かがみの孤城』、NHK『ルカと太陽の花』で主演。2025年は8月15日公開予定の映画『雪風 YUKIKAZE』にも出演する。長編映画初主演を務める『ストロベリームーン』が10月17日に公開を控える。趣味は音楽鑑賞、アニメを見ること。160センチ。
(クレジット)
ヘアメイク:伏屋陽子(ESPER)
スタイリスト:大村淳子
