「日枝さんにどうしても目がいってしまう」“日枝おろし”加速にフジの誤算 トップに40年…異常な長期体制の弊害
フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングスは27日、都内で取締役会を開き、役員の刷新と日枝久取締役相談役の退任を決めた。

フジ黄金期築いた日枝氏、退任の理由は「総合的な判断」
フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングスは27日、都内で取締役会を開き、役員の刷新と日枝久取締役相談役の退任を決めた。
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約40年間にわたりフジの取締役を務めた日枝氏の退任により、フジの一時代が幕を閉じることになった。
FMHの金光修社長は、腰椎圧迫骨折で入院中の日枝氏が自ら退任の意思を示したことを明かす一方で、その理由について、「人事の個別の理由、タイミングの理由を申し上げることはできません。総合的な判断」と繰り返した。
元タレント・中居正広さんと20代女性とのトラブルで、早くからフジ経営陣の責任が追及された。日枝氏に直接の関与はなかったものの、ガバナンス不全が批判され、“日枝おろし”のムードが世論を中心に加速した。
フジテレビの清水賢治社長は「なぜそこに行くのか。1月27日の会見の時に代表取締役会長である嘉納(修治)と代表取締役社長である港(浩一)が辞任を発表している。本来、会社の中のトップはここがツートップとなるものですが、やはり世間のところでみなさんが一番有名人である、長く在任している日枝さんにどうしても目がいってしまうからこのような形になってきてるのかなと思う。会社として本当にそこが一番なのかどうか、というところとはまた違う。全体の社会の雰囲気とかそういうものが影響している可能性はありますね」と困惑気味に指摘。
「1980年代のフジテレビの躍進を作った方。今までの貢献に関しては感謝したい」と述べつつ、同じ体制が長期間続く弊害については、「やはり長年やっていると同じかたち、成功体験にとらわれやすいことはある。それは日枝がということよりも、フジテレビが80年代の躍進の歴史、これが成功体験となって、その後イノベーションのジレンマが起こってしまった。自らの成功体験にこだわるあまり、新しいものに挑戦することができなかった。既存の放送事業があまりにもうまくいっていたので、それを壊して配信事業に全面的にいくんだとかそういうことはやりにくい。長年続いてきていると、そういう空気が起こりやすいことはある」と話した。
女性問題に揺れたフジテレビは取締役の数を大幅に減らし、女性役員の数を増やすなど取締役の平均年齢においても若返りを図る新体制作りを発表した。
