「日本で絶対に売れたい」―30歳目前で移住決断、パース・ナクンが異国の地で挑戦する理由

タイで人気を博したBLドラマに出演し、インスタグラムフォロワー数は100万人に迫る俳優のパース・ナクンが3月28日に日本初の写真集『パース・ナクン1st写真集 Sunny』(KADOKAWA)を発売する。タイで人気を確立するも、30歳を目前に日本の芸能界での挑戦を決断。そんなパースが日本での活動に懸ける真っすぐな思いを明かした。

初のソロ写真集を発売するパース・ナクン【写真:増田美咲】
初のソロ写真集を発売するパース・ナクン【写真:増田美咲】

スカウトしてくれたマネジャーへの感謝「一緒にいる間に売れたいです」

 タイで人気を博したBLドラマに出演し、インスタグラムフォロワー数は100万人に迫る俳優のパース・ナクンが3月28日に日本初の写真集『パース・ナクン1st写真集 Sunny』(KADOKAWA)を発売する。タイで人気を確立するも、30歳を目前に日本の芸能界での挑戦を決断。そんなパースが日本での活動に懸ける真っすぐな思いを明かした。(取材・文=中村彰洋)

 パースの出身国はオーストラリア。二十歳の時、家族でタイへ移住したタイミングで芸能活動をスタートさせた。きっかけは母親からの「やってみてほしい」との勧めだった。

「お芝居には興味がありましたが、学校での舞台なども恥ずかしすぎてできませんでした。有名になりたいわけでもないし、興味はなかったです。お母さんは、僕のことをこの世の中で一番かっこいいと思っているので、『芸能仕事をやらないともったいない!』と思っていたんだと思います(笑)」

 幼少期から日本のアニメを見て育ったこともあり、日本への興味は抱いていた。タイではインターナショナルスクールに通い、英語で日本語を学ぶ講義を専攻していた。

「初めて見た日本のドラマが『1リットルの涙』で、そこから日本ドラマにハマりました。『僕も人を感動させたい』と思いましたね。でも、その時はただの夢でした。具体的にどう行動すればいいかも分からなかったし、まさか実際に日本で活動するとは思ってもいませんでした」

 タイでのキャリアを着実に積んでいく中で、「そろそろ環境を変えたい」という思いが芽生えた。そのタイミングで偶然にも現在の所属事務所・ホリプロからスカウトのDMが届いた。

「ちょうど日本の事務所を探し始めようかなと思っていたタイミングだったんです。まだどこにも連絡していなかったのに、いきなりDMが届いて、『やばい!』って(笑)。ホリプロのことはもちろん知っていましたし、まるで運命みたいな出来事でした」

 2023年8月にホリプロに所属し、日本移住を決意した。「日本で仕事のチャンスをつかむためには、タイと行ったり来たりでは難しいと思っていました。日本に住みたい気持ちもあったので、芸能活動がうまくいかなかったとしても、日本で何かしらの仕事を見つければいいかと考えて、飛び込みました」。

日本の芸能界での活躍を誓ったパース・ナクン【写真:増田美咲】
日本の芸能界での活躍を誓ったパース・ナクン【写真:増田美咲】

日本の芸能界で驚いたことはマネジャーとの距離感

 スタートは母親の勧めでスタートしたキャリアだったが、「30歳になってから、仕事が僕の中での優先順位の1位になりました」とも明かす。

「それまでは、人生を楽しむこと、ゲームや筋トレをする自己満足の時間が1位でした。もちろん、いただいたお仕事は必ず頑張って100%を出しますが、それは仕事だったからです。きっかけは、ミュージカル『新テニスの王子様』に出たことかもしれないです。憧れていた漫画原作の作品に出られて、共演者やスタッフと一緒に1つのことを作り上げることがすごく楽しかったです。タイにいた時よりも芝居が好きになりました」

 日本の芸能界では、マネジャーとの距離感の違いに驚いたという。「タイでは過保護というか、結構距離が近い人が多いんです。日本は、いい意味でビジネスっぽくて、僕はその感覚が好きなんです」。

 そんなパースだが、「今のマネジャーさんと一緒にいる間に売れたいです」と力強く語る。全幅の信頼を置くマネジャーこそがスカウトのDMを送った張本人だった。

「僕が日本に来るまでにはいろいろな苦労がありました。マネジャーさんと事務所が頑張ってくれたおかげで今があります。見えないところで頑張る人がいると思いますが、僕はそういうタイプじゃない。頑張っているアピールをして、成長したら褒めてもらえることが一番うれしいんです。マネジャーさんは、褒めてくれることは少ないのですが、だからこそ褒めてくれた時は、本当にそう思ってくれているんだろうなと感じることができるんです。僕が聞きたくないようなこともしっかりと言ってくれるからこそ、信用することができます」

「日本で絶対に売れたいです」――。日本を愛した30歳の異国の地での挑戦はまだまだ始まったばかりだ。

「日本で成功をつかんでから、その後のことは考えたいですね。その先に、Netflixやハリウッド作品とかに出られる機会があるのであれば、それはうれしいですね。『スター・ウォーズ』とか『マーベル』がめっちゃ好きなので、ジェダイとかスーパーヒーローになれたらめっちゃうれしいです」

□パース・ナクン(Perth Nakhun)1994年7月6日、オーストラリア生まれ。20歳でタイに移住し、CM出演を経て俳優デビュー。日本のドラマに憧れ、日本の芸能界に挑戦。2023年よりホリプロに所属し、日本を拠点に活動中。25年初のソロ写真集『パース・ナクン1st写真集 Sunny』を発売。

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