なぜFRUITS ZIPPERは人を惹きつけるのか 群を抜く体現力「夢を口にして、たくさんかなえてきた」

7人組アイドルグループ・FRUITS ZIPPERは、『映画おしりたんてい スター・アンド・ムーン』(20日公開、芝田浩樹監督)でシリーズ初となる主題歌だけでなく、声優にも初挑戦している。「原宿から世界へ」のコンセプトを胸に、進化を続ける7人を直撃した。

FRUITS ZIPPERの鎮西寿々歌、仲川瑠夏、月足天音、松本かれん、櫻井優衣、早瀬ノエル、真中まな(左から)【写真:くさかべまき】
FRUITS ZIPPERの鎮西寿々歌、仲川瑠夏、月足天音、松本かれん、櫻井優衣、早瀬ノエル、真中まな(左から)【写真:くさかべまき】

『おしりたんてい』は「幅広い世代の方が観ている印象」

 7人組アイドルグループ・FRUITS ZIPPERは、『映画おしりたんてい スター・アンド・ムーン』(20日公開、芝田浩樹監督)でシリーズ初となる主題歌だけでなく、声優にも初挑戦している。「原宿から世界へ」のコンセプトを胸に、進化を続ける7人を直撃した。(取材・文=小田智史)

 書籍のシリーズ累計発行部数が全世界3000万部を超え、アプリをはじめアニメ化や映画化もされている探偵シリーズ『おしりたんてい』の劇場版長編第3弾。IQ1104の頭脳で数々の難事件を解決してきた名探偵「おしりたんてい」と、これまで何度も対決してきた宿命のライバルである世紀の大泥棒「かいとうU」が国際的犯罪組織「かいとうアカデミー」による「ダークエイジ(DARK AGE)計画」の真相を暴くため、禁断のタッグを組んで立ち向かう物語となっている。

――『映画おしりたんてい スター・アンド・ムーン』のストーリーの印象は。

月足天音「普段はおしりたんていと、かいとうUがタッグを組むことはないのですが、この作品では、お互いの目的のために2人が一緒に戦って協力関係になるというのが私的には響きました。ほっこりしましたし、全員が幸せになれる内容だと思います」

――『おしりたんてい』のキャラクターや作品に対してどのような印象を持っていましたか。

鎮西寿々歌「私の母も『おしりたんてい』をよく観ていたんですけど、小さい子を中心に幅広い世代の方が観ている印象です。子どもを中心としたストーリー展開の中に、大人でも楽しめるような深いメッセージ性があったり、おしりたんていが大人な感覚を持っている主人公なので、大人も楽しめる作品だと思います。キャラクターで言うと、おしりってかわいいんだなって(笑)。顔におしりがついているキャラクターってあまりいないじゃないですか。でも、おしりってみんなが好きで(笑)。おしりっていう概念がかわいいし、(助手の)ブラウンもすごく声がかわいくて推しです」

――原宿から世界へ、“NEW KAWAII”を発信しているFRUITS ZIPPERから見て、おしりたんていのここが「Kawaii」と思うところは。

松本かれん「おしりたんていさんは、コンテストのために一生懸命練習していたと思うんですけど、コンテストの時に着用している衣装がキラキラでふわふわみたいのを想像していたのに、おじさんみたいなお洋服で出ていたのが愛おしいと思いました。私のふりふりの衣装を貸してあげたいです(笑)」

FRUITS ZIPPERが本編アフレコ参加で声優初挑戦【写真:(C)トロル・ポプラ社/2025「映画おしりたんてい」製作委員会】
FRUITS ZIPPERが本編アフレコ参加で声優初挑戦【写真:(C)トロル・ポプラ社/2025「映画おしりたんてい」製作委員会】

『KawaiiってMagic』は「一番ストレートに歌詞を伝えられる楽曲」

『映画おしりたんてい』でシリーズ初となるオリジナル主題歌はFRUITS ZIPPERの新曲『KawaiiってMagic』。今回のために書き下ろされ、「夢は絶対に諦めない」という本編のテーマを力強く後押しするような楽曲となっている。

――映画の主題歌『Kawaii って Magic』の魅力を教えてください。

真中まな「今までのFRUITS ZIPPERの楽曲の中で、振り付けまで含めて、お子様からご高齢の方まで世代を問わず、一番ストレートに単語で歌詞を伝えられる、皆さんに届きやすいと思っています。映画を観る前に作っていただいた楽曲なんですけど、エンドロールまで観た時に、映画の内容が真っすぐ心に入ってくるような、『大丈夫』(というフレーズ)とか、仲間を信じる気持ち、夢を追いかける気持ちがすごくいいなと感じました。楽曲としてはもちろん、『映画おしりたんてい』の主題歌としても愛してほしいです。個人的にはおしりたんていが踊る時に、少しおしり(顔)が揺れるのが好きです(笑)」

月足天音「わかりやすいフレーズで、小さい子からおじいちゃん・おばあちゃんにまで、思いが伝えられる曲だと思っています。『Kawaii』とか『大丈夫』とか『涙バイバイ』とか、ポジティブかつ肯定的な元気づけられる曲です」

 FRUITS ZIPPERは主題歌だけでなく、本編アフレコ参加で声優にも初挑戦。月足天音と早瀬ノエルがRabi役、鎮西寿々歌、櫻井優衣、松本かれん、仲川瑠夏が卑黄呼組メンバー、真中まなが声しずか役を担当した。

――声優に初挑戦した感想は。

早瀬ノエル「声優のお仕事はすごく難しくて、どうやったらいいんだろうと考えたり、試しながら臨みました。(アフレコが)想定よりも早く終わってしまって、大丈夫かなと心配だったんですけど、本編を観させていただいて、メンバーそれぞれいい感じに仕上がっていたと思うのでうれしかったです」

――Rabiという役を演じてみていかがでしたか。

早瀬ノエル「月足と一緒に息を合わせて声をあてるシーンとか、本編映像のキャラの口の動きに合わせて、私たち同士も息を合わせないといけなかったので最初は難しかったです。何回か取り直したりしましたけど、最終的にアイドルっぽく、かわいくできていたかなと思います」

月足天音「ノエちゃんが言ってくれたように、2人で合わせて言うせりふはすごく難しかったですけど、初めての声優のお仕事はとても楽しかったので、またやりたいです!」

FRUITS ZIPPERの強みは「個性であふれている」こと【写真:くさかべまき】
FRUITS ZIPPERの強みは「個性であふれている」こと【写真:くさかべまき】

今後挑戦したいことは「東京ドーム公演」

 2022年4月にデビューし、『わたしの一番かわいいところ』がSNSを中心に大きな話題となったFRUITS ZIPPER。23年には「日本レコード大賞」最優秀新人賞受賞と大躍進した。

 2024年5月には、これまでグループの目標の一つとして掲げてきた日本武道館でのワンマンライブを開催。同年9月からは全国12か所・15公演というグループ初にして史上最大規模の全国ホールツアーを成功させた。

 グループ結成3周年を彩る「FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超めでたいライブ」を5月10日・11日に神戸ワールド記念ホール、6月3日にさいたまスーパーアリーナで開催するだけでなく、追加公演として「さいたまスーパーアリーナ25周年 FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超超超めでたいライブ -さん-」を8月2日・3日に行うことも決定。その勢いはとどまることを知らない。

――「KAWAII LAB.」を含めて無数のアイドルがいる中で、FRUITS ZIPPERのグループとしての強みは何だと思いますか。

松本かれん「FRUITS ZIPPERはメンバーそれぞれが別々の『Kawaii』を持っていて、個性であふれています。あと、私が好きなポイントは、声も個性があること。そこは、他のグループとの違いだと思っていて、音だけしか聴いていなくても、FRUITS ZIPPERは誰が歌っているとわかるから、私たちの強みです!」

――2025年の私的「NEW KAWAII」を聞かせてください。

鎮西寿々歌「ズバリ、私たちの活動、生きざまが『NEW KAWAII』だと思っています。私たちが日常的に聞きすぎているからかもしれませんが、街中でも『Kawaii』という言葉をより耳にするようになった気がします。『KAWAII LAB.』(というプロジェクト)のもと、みんなに『Kawaii』というものが浸透している感覚があります。学校とか会社で『Kawaii』『Kawaii』と言い合えるような2025年になったらうれしいです」

――FRUITS ZIPPERとして今後挑戦してみたいことはありますか。

櫻井優衣「何とは敢えて決めてはいないんですけど、グループとして新しいことをやっていきたいと常に思っています。『NEW KAWAII』であったり、私たちが7人そろって、個性を出していくことによって『NEW』を体現していけるのかなって。誰もやったことがないことにも、私たちならきっと挑戦できるはずです」

仲川瑠夏「東京ドーム公演! 私たちもグループ結成当初は、キャパ150人くらいのライブハウスから、イチからのスタートでした。いろんな方に知ってもらうために、みんなで頑張ってきた3年間だったなと。その3年間を振り返った時に、こんなに頑張ったから今の景色が見えているんだと思ったら欲が出てくる。それなら、これまで以上に頑張って、みんなでもっといい景色が見たい。誰もが憧れる東京ドームには絶対に立ちたい、と強く思っています。その前に、追加公演で決まった8月2日・3日の(『FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY
超超超めでたいライブ -さん- 』)さいたまスーパーアリーナライブは、スタジアムモード(最大約3万7000人を収容できる客席構成)でやるので、この大きな目標をクリアしたとしたら、現実的に東京ドーム公演について声を大にして言ってもいいのかなと考えていて。私たちはこれまで夢を口にして、たくさんかなえてきたので、東京ドーム公演も私たちの大きな目標として絶対に実現したいので、いろんなところでどんどん言っていこうと思います!」

□月足天音(つきあし・あまね)1999年10月26日、福岡県出身。赤担当。

□鎮西寿々歌(ちんぜい・すずか)1998年11月24日、兵庫県出身。オレンジ担当。

□櫻井優衣(さくらい・ゆい)2000年2月21日、東京都出身。ミントグリーン担当。

□仲川瑠夏(なかがわ・るな)1997年7月3日、神奈川県出身。紫担当。

□真中まな(まなか・まな)1999年4月22日、神奈川県出身。空色担当。

□松本かれん(まつもと・かれん)2002年3月28日、千葉県出身。ベビーピンク担当。

□早瀬ノエル(はやせ・のえる)2003年12月29日、ドイツ出身。黄色担当。

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