グローバルで活動する7人組ヒップホップ/ R&BガールズグループのXG（エックスジー）が22日、東京・有明アリーナでファースト・ワールドツアー『ザ・ファースト・ハウル』東京公演初日を開催した。デビュー3年、メンバーの1人が丸刈りになるなど、規格外のスタイルや音楽性で世界に名をとどろかせた7人が、約2時間半のステージで23曲を披露。約1万5000人の観客を熱くさせた。アンコールでは初の東京ドーム公演を同ツアーのファイナルとして、5月14日に開催することも発表した。

　定刻から少し遅れ、ステージが始まった。サングラス姿の7人（HARVEY、HINATA、JURIA、JURIN、CHISA、COCONA、MAYA）が横並びで歌唱し、2曲目、3曲目ではダンスで魅せた。目まぐるしく変化していくパフォーマンス。8曲目の『SOMETHING AIN’T RIGHT』を終えると、7人が観客に語り掛けた。

「私たちXGが日本に帰ってきました～」（HINATA）

　大歓声を受けると、CHISAが今年のグループスローガンが決まったことを伝えた。

「脱皮しないと死ぬ　Do or Die」

　既に多くのファンが認知し、7人と観客が一緒に声を合わせた。

「今年は蛇年。ヘビは脱皮しながら成長していくということで、私たちもたくさん脱皮して2025年もかましていこうと思います」

　CHISAの説明にうなずくメンバー。その後は、JURINが独特の言い回しで観客をあおった。

「ぶちかまクレージーになる準備はできてますか～」

　振り返ると、デビュー3年。7人は群雄割拠のガールズグループ界で独自のポジションを築いてきた。2017年から5年間かけた育成プロジェクトで結成されたグループで、22年3月18日にシングル曲『Tippy Toes』でデビュー。全員が日本だが、すぐに世界へ飛び出して活動し、2nd ミニアルバム『AWE』(24年11月8日リリース)が、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”に初のランクイン。日本人ガールズグループとしては、19年にBABYMETALがリリー スした『METAL GALAXY』以来の快挙となった。

　洗練された歌、ダンス、ラップ、語学力で広く支持され、SNSの総フォロワー数は約1200万人のうち、85%が海外のファン。YouTubeの総再生回数は約13億7000万回再生に達している。今回の初ワールドツアーでも韓国、台湾、フィリピン、タイ、マレーシア、中国、米国、英国、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、オーストラリアなどを渡り、世界33都市、46公演を開催。約40万人の動員を予定している。

　そして、今ツアー初の東京公演となったこの日もファンはXGのコンセプトを守り、この大事な時間を楽しんだ。XGを象徴する動物はオオカミで、アンコール時は「ウォ～、ウォ～」と遠吠えで求め続けた。7人がそれに応えて登場すると、大きなサプライズが待っていた。画面に映し出されたのは「TOKYO DOME」の文字。想定外のことにファンは一斉に「おお～っ」と人間の声でどよめいた。

　日付は5月14日。ツアーファイナルでメンバーは円陣を組んで「泣きそ～」と喜びを表現した。そして、CHISAがあらためて「私たちの東京ドームでの公演が決定しました」と報告し、「日々、支えていただいているALPHAZ（アルファーズ＝XGファンの総称）のお陰です。ありがとうございます。頑張ります」と感謝した。

　その後、『NEW DANCE』など3曲を披露した7人は下がるせり惜しむように手を振り、ステージを後にした。国際化の時代に日本のガールズグループでは先を走るメンバーの平均年齢は、まだ21歳。無限の可能性を秘めた7人は、ツアーの残り3か月も各地でぶちかますつもりだ。