【おむすび】永吉の通夜に有名人、本人役で出演の理由 制作統括「裏設定は謎のまま」
俳優の橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の第105回が28日に放送され、結の祖父・永吉(松平健)の通夜の様子が描かれた。弔問客としてサッカー元日本代表・ラモス瑠偉氏や歌手・山内惠介が本人役で出演した。ともに永吉が世話をした人物の設定だが、永吉は生前、多くの信じがたい話をしており、2人を世話したこともホラ話と思われるような描かれ方がされていた。裏設定はどうなっているのか。制作統括の真鍋斎氏と宇佐川隆史氏が取材に応じ事情を語ってくれた。

過去に回想シーンに登場していた2人の女性
俳優の橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の第105回が28日に放送され、結の祖父・永吉(松平健)の通夜の様子が描かれた。弔問客としてサッカー元日本代表・ラモス瑠偉氏や歌手・山内惠介が本人役で出演した。ともに永吉が世話をした人物の設定だが、永吉は生前、多くの信じがたい話をしており、2人を世話したこともホラ話と思われるような描かれ方がされていた。裏設定はどうなっているのか。制作統括の真鍋斎氏と宇佐川隆史氏が取材に応じ事情を語ってくれた。
永吉は生前、王貞治氏に一本足打法を、アントニオ猪木氏にはアリ戦で寝転がって戦うように勧めたのは自分だと語っていた。初代引田天功氏のアシスタントをやっていた話も。通夜の会場には王氏からと思わせるバットや猪木氏の闘魂タオル、天功氏との関係を思わせる帽子が供えられていた。一般人の死に著名人から反響があるのは普通は考えにくいこと。どういう裏設定なのか。
真鍋氏「裏設定は謎のままです。今回は朝ドラとしては比較的そういうことが多く、何から何まで説明を尽くすことはあまりやっていません。ただ、佳代(宮崎美子)がいたずら心でやったのか、誰かがせりふで“いたずらかな”と言っていますが、本当かな、まあ、そういうことにしておきましょうという世界観での見せ方です。だから永遠に本当かウソか分からない設定です。ファンタジーと思う方がいたらそれでもいいですし、一方で誰かのいたずらと思ってもらってもいいんです。見る方の感覚にお任せします」
「説明を尽くすことはあまりやっていない」という言葉には他にも思いあたることがある。昨年10月に放送された第12回で、少年時代の聖人が2人の妹と一緒にいる回想シーンがあった。24日放送の101回でも同じ回想シーンが放送された。だが、それ以外に妹2人は登場していない。
宇佐川氏「永吉の通夜には実は聖人の妹も参列しています。真由子と佑衣子という2人です。結婚して糸島を離れていたのですが、通夜には帰ってきて実は親族席にいます」
通夜に本物のラモス氏や山内が参列した姿が描かれたことから永吉の話はすべてがホラ話だったわけではないことになる。2人の出演は当初から考えられていたことなのか。
真鍋氏「そうです。最初から脚本家の根本ノンジさんは考えていました。本当は王さんもお呼びしたかったんですけど、さすがに……(笑)」
宇佐川氏「永吉さんはいろんな人に影響を及ぼしていた人。実際、ラモスさんも山内さんも来たわけで、そこは事実ではあるわけです。ラモスさんは、永吉がループシュートを教えたという形でご出演いただきました」
撮影時のラモス氏と山内の様子も紹介してもらった。
真鍋氏「すごく楽しそうでした。ラモスさんは朝ドラ『さくら』にも出演していますが、本来スポーツ選手。でもお世話になった人の通夜に来たという設定をちゃんと自分の中で作っていて仕事への向き合い方に感心しました」
宇佐川氏「ラモスさんは『永吉さんが亡くなったのだから、神妙ですよね』と演出や私たちに大まじめに話されていて、誠実な方だなと思いました。一方で山内さんは舞台である糸島ご出身なので、糸島を舞台にしたドラマに出演する喜びからか、リハーサルから笑顔が多かったです。『ここは通夜のシーンなので、最初は神妙さを持ちつつ』など、一緒にお話しながら和やかに撮影を続けました。このドラマにずっと出たかったとおっしゃっていました。私たちも参加していただき本望でした」
