【おむすび】永吉のラストがナレーションの理由 製作統括が明かす狙い「存在感を強く残したまま」

俳優・橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の第104回が27日に放送され、終盤、ナレーションで明るくて豪快なキャラクターの結の祖父・永吉(松平健)が亡くなったことが伝えられた。制作統括の真鍋斎氏と宇佐川隆史氏が取材に応じ、病床シーンなどを描くことなくナレーションでラストが伝えられた理由を明かした。

永吉を演じる松平健【写真:(C)NHK】
永吉を演じる松平健【写真:(C)NHK】

かくしゃくとしていても92歳か93歳の設定

 俳優・橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の第104回が27日に放送され、終盤、ナレーションで明るくて豪快なキャラクターの結の祖父・永吉(松平健)が亡くなったことが伝えられた。制作統括の真鍋斎氏と宇佐川隆史氏が取材に応じ、病床シーンなどを描くことなくナレーションでラストが伝えられた理由を明かした。

 第104回では、米田家の家族みんなでプリクラを撮る様子が描かれた。その後ナレーションで「その1か月後、永吉さんはこの世を去りました」と伝えられた。プリクラの永吉は幸せそうな顔だった。突然の展開に驚いた視聴者もいたはず。

 真鍋氏「演出担当とも話し、今回は、いまわの際に何か大事なことを言い残して去っていくというよりも元気で豪快な永吉さんのイメージのまま亡くなっていくのが一番ふさわしいのかなと思って今回はこうした選択となりました」

 ナレーションにあった1か月の間の裏設定はどうなっているのだろうか。永吉が神戸にやって来たシーンでは少量の酒でも酔うようになった描写があった程度だった。

 真鍋氏「裏設定としては老衰なんです。かくしゃくとしていますが、92歳か93歳という年齢設定です。眠るように亡くなったというふうにお考えいただけたらと思います」

 宇佐川氏「永吉さんは大往生で亡くなりましたが、私たちが伝えたいのは、この世にはいないけどいる。“人は、死してもなお残る”ということ。生きていた頃の永吉さんの存在感を強く残したまま、旅立たれたと思います」

 これまで反発してばかりだった理容師の聖人(北村有起哉)が父・永吉の髪を切ると、永吉が「おまえは本物の農家やなか。おまえは本物の理容師たい」と言う感動的なシーンもあった。撮影時の松平と北村の現場の様子も聞いた。

 宇佐川氏「2人にとって大事なシーンということを、松平さんも北村さんも感じてらっしゃったと思いますが、当日は本当に和やかでした。撮影中のお二人の様子を見ていて、聖人と永吉が、お二人の心の中、体の中にしみついていると感じました。お二人の間合いがすでにあり、細かい打合せなどはなかったです。さすがだと思いました。芝居の技術を超えた、お二人の魅力と空気感が、見る人にきっと伝わると思いました」

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