三谷幸喜氏が明かす伝説の人気劇団再結成の舞台裏 30年ぶり新作公演「冗談が本当になってしまった」
三谷幸喜氏が主宰する劇団「東京サンシャインボーイズ」の30年ぶりの復活公演となる『蒙古が襲来 Mongolia is coming』が9日に東京・PARCO劇場で初日を迎えた。同日に行われたトークセッションで、三谷氏が再結成の舞台裏などを明かした。
![トークセッションに登場した三谷幸喜氏【写真:ENCOUNT編集部】](https://encount.press/wp-content/uploads/2025/02/09160035/833dac47ef1c9c6494a8ba3c2a03e5c5.jpg)
『ショムニ』名脇役も声で復活
三谷幸喜氏が主宰する劇団「東京サンシャインボーイズ」の30年ぶりの復活公演となる『蒙古が襲来 Mongolia is coming』が9日に東京・PARCO劇場で初日を迎えた。同日に行われたトークセッションで、三谷氏が再結成の舞台裏などを明かした。
1983年に旗揚げされた東京サンシャインボーイズは、西村まさ彦、相島一之、松重豊らが在籍。数々の話題作を上演するも1994年に『東京サンシャインボーイズの罠』を最後に「30年の充電期間」を宣言して解散、2009年に一度だけ『returns』を上演するも解散状態が続いていた。
三谷氏は解散に至った経緯を「ものすごくお客さんが入って、東京で一番チケットが取れない劇団とまで言われたんですが、僕自身は脚本家で事務所の社長みたいなことはできない。でも俳優さんたちにはもっと上のステップに行ってほしくて、いろんな事務所の人が皆さんを役者としていいポジションにつけてくれるんじゃないかという思いがあって。でも解散というとマイナスなイメージがあったので、充電としました」と明かした。
再結成のきっかけを、梶原善は「当時のスタッフが5年くらい前から『そろそろ(30年)だね』という集まりをやっていて、役者の中でも還暦を迎える方にプレゼントをしたりして集まっていました。ちょうどコロナがあって、その時に近藤(芳正)さんからの『12人の優しい日本人』を声(朗読)でやってみないかという勇気ある一言で集まって、僕らこれはチャンスだとなりました」と振り返る。三谷氏も「当然冗談のつもりで30年経っても本当に集まることはないだろうと思っていたんですが、その冗談が本当になってしまったため、自分は今ここに立っています」と語った。
鎌倉時代に蒙古軍がやってくる、その日の対馬の漁村の日常を描いた本作について、三谷氏は「どうせみんなが集まってやるんだったらば、昔のものじゃない新しいものをやりたいなっていう気持ちが僕の中にありまして、実は昔もやったことないような、すごく僕らにとって新しい題材で今回のお芝居を作ってみました」と意気込みを明かす。
そして、連続ドラマ『ショムニ』などに出演するも2002年に亡くなった故・伊藤俊人さんの声を「昔録った録音が残っていたので、それを使って声だけで出演します」と本舞台で流すことを明らかにした。
さらに続けて「自分としては昔と同じ熱量で本を書いて稽古をしてるつもりなんですけど、皆を見てるとやっぱり30年歳を取ってるんで、いろんな意味で老化が如実に出てます。ある俳優さんが一生懸命芝居をしている時に補聴器がポロっと落ちて(笑)、見ちゃいけないものを見てしまいました」と30年ぶりの再結成ゆえのこぼれ話で場を和ませる。
「メンバーの甲本雅裕さんのお兄さんの甲本ヒロトさんが、サンシャインボーイズをイメジして作ってくれた歌も皆で歌いますので、それも見どころです」とアピールしてトークを終えた三谷氏。公演は9日から3月2日までPARCO劇場で上演後、全国9か所(岡山・京都・長野・宮城・北海道・大阪・愛知・福岡・沖縄)で上演される。
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