自らの人脈で「1本釣り」 桂米助が語る10日間の“オールスター戦”の意義「落語界が変わっていただけたら」
昨年8月1日に99歳で死去した落語家・桂米丸をしのぶ「桂米丸追善興行」に関する記者会見が6日、都内で行われた。普段の寄席では見られない落語界のオールスター戦といった趣向で、発案者の落語家・桂米助(76)は、「ホールを借りて1日2日やるわけじゃなく、10日間、寄席でやることに意義がある。歴史を変えていきたいと思います」と強調する。米助が仕掛ける起爆剤に、落語界や落語ファンはどう反応するのか。
![記者会見に出席した桂竹丸、桂米助、桂富丸(左から)【写真:ENCOUNT編集部】](https://encount.press/wp-content/uploads/2025/02/06142218/a221735a04cf10939e36dd6b0bc59579.jpg)
小朝、鶴瓶、雲助、きみまろが並ぶ夢の10日間興行 落語団体の垣根を乗り越える企画
昨年8月1日に99歳で死去した落語家・桂米丸をしのぶ「桂米丸追善興行」に関する記者会見が6日、都内で行われた。普段の寄席では見られない落語界のオールスター戦といった趣向で、発案者の落語家・桂米助(76)は、「ホールを借りて1日2日やるわけじゃなく、10日間、寄席でやることに意義がある。歴史を変えていきたいと思います」と強調する。米助が仕掛ける起爆剤に、落語界や落語ファンはどう反応するのか。(取材・文=渡邉寧久)
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3月上席(3月1日~10日)、新宿末広亭昼の部の特別興行。記者に配られた番組表には、「こんなことができるのか」というような夢の演者が並ぶ。
桂文枝、笑福亭鶴瓶がいる。月亭八方も、林家木久扇、春風亭小朝も。三遊亭好楽や春風亭昇太、春風亭一之輔、桂宮治ら「笑点」メンバーはそろい踏みで、人間国宝の五街道雲助に神田松鯉、人気講談師の神田伯山、普段めったに寄席に出ることがなくなった人気漫談家の綾小路きみまろの名前も並ぶ凝縮の10日間だ。
落語協会、落語芸術協会、五代目円楽一門会、落語立川流、上方落語協会の5派の所属芸人を自らの人脈で「1本釣りしました」という米助は、「寄席の定席で、5団体の出演者がそろうのは落語史上初。派手なことが好きで、売れっ子が大好きだった師匠のために『米丸の追善興行なので出てもらえませんか』と出演を依頼しました」と舞台裏を明かす。
「とにかく派手にやって、(神田)伯山より(お客様を)入れたい」と洒落っぽく、成功を願った。個別に出演依頼をした後は、きちんと団体にも話を通すなど根回しも万全だ。
会見に出席した桂竹丸(67)は「米助プロデュースでこのような形ができた。米助師匠の原動力には、(師匠への)恩返しの意味がある」とみる。
若いころから売れっ子だった米丸師匠は、寄席の掛け持ちは当たり前で、その合間にテレビ出演(当時は生放送)をするため、スーツ姿で高座を務めたほど、寄席を愛する芸人だったという。
その功績を後世に伝えるためにも企画したが「お返しという意味と同時に、落語界が変わっていただけたらありがたいな」と米助は副作用にも期待を寄せる。
「僕はどんどん落語界が変わっていってほしい。僕が入った頃はまだ2団体しかなかった。落語芸術協会と落語協会。上方入れても3団体。今は5団体になっていますので、こういうことがないと、なかなかみんな交わっていけない。みんなでもってワーッと盛り上がって行けば、落語人気の底上げにもなる。あとは後輩のみなさんが、5団体を集めて、寄席で10日間興行をやってもらえるのが理想かな」と後に続く世代へ期待と課題を残した。
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