フジテレビの遠藤龍之介副会長が、「中居正広氏・フジテレビ問題」の責任から日本民間放送連盟（民放連）会長を辞任する意向であることが5日、分かった。同日、民放連は公式サイトを更新し、遠藤氏から辞意表明があったことを発表した。

　公式サイトには「遠藤会長の辞意表明について」と題したお知らせが掲示された。

「当連盟の遠藤龍之介会長から本日、『フジテレビの出演タレントと女性に関する一連の事案により、私が民放連会長を続けることは適切ではないと考えている。後任の会長の選定手続きを速やかに進め、次期会長に職務を引き継げるようになった段階で会長職を退きたい』との申し出がありました」

　遠藤氏は名作家・遠藤周作氏（享年73）の長男で「龍之介」は芥川龍之介にちなんで命名された。1981年に慶応大文学部を卒業し、フジテレビに入社。編成部長、広報部長、広報局長などを歴任。2005年の広報部長時代には、堀江貴文氏が率いたライブドアによるニッポン放送株買い占め騒動の対応に追われた。

　その後、07年に取締役、10年常務取締役、13年専務取締役、19年に代表取締役社長と出世コースを歩み、21年に現職の副会長になった。親しみやすい人柄で知られ、社長時代の19年8月23日には、同局系『ダウンタウンなう』（21年3月19日に終了）の「ホンネではしご酒」に出演した。俳優・坂上忍から「フジテレビってコネ入社が多いんですか」と質問されると、赤ら顔で「そんなこと、あるはずないじゃないですか」と回答。直後、山崎夕貴アナウンサーが「半分ぐらいコネ入社ですよね」とまさかのツッコミが入ると、遠藤氏はのけぞって「何を言うんだ君は！」と苦笑いで返し、お茶の間の笑いを誘った。

　民放連の会長は22年6月から務めており、2期目の任期満了は26年6月。辞意表明が承認されれば、任期途中での辞任となる。遠藤氏はフジテレビの副会長についても、第三者委員会による報告書提出時期の3月末に辞任する意向を示していた。