事務所オーディションGPの秋好美桜、鈴木保奈美の娘役に抜てき「緊張をほぐしてくださった」

演技未経験で昨年3月、新設事務所の第1回オーディションでグランプリ(GP)を獲得。1年足らずでゴールデン帯の連続ドラマに出演中のシンデレラがいる。宮崎県で生まれ育った秋好美桜(あきよし・みお)だ。今月9日スタートのテレビ朝日系『プライベートバンカー』(木曜午後9時)では、鈴木保奈美と母子役で共演。デザインを学ぶ大学1年生でもある彼女の素顔に迫った。

デザインを学ぶ大学1年生でもある秋好美桜【写真:ENCOUNT編集部】
デザインを学ぶ大学1年生でもある秋好美桜【写真:ENCOUNT編集部】

宮崎出身の19歳・秋好美桜

 演技未経験で昨年3月、新設事務所の第1回オーディションでグランプリ(GP)を獲得。1年足らずでゴールデン帯の連続ドラマに出演中のシンデレラがいる。宮崎県で生まれ育った秋好美桜(あきよし・みお)だ。今月9日スタートのテレビ朝日系『プライベートバンカー』(木曜午後9時)では、鈴木保奈美と母子役で共演。デザインを学ぶ大学1年生でもある彼女の素顔に迫った。(取材・文=水谷賀奈子)

 目力が強く、可れん。初対面の秋好に受けた第一印象だ。彼女は落ち着いた笑顔で「よろしくお願いします」と頭を下げ、デビューの経緯から話し始めた。

「オーディションに母が応募したので、最初は軽い気持ちで参加していました。でも、選考が進んでいくにつれて周りの子の本気度から影響を受けたり、ワークショップに参加するうちに『私もこういう仕事でもっとチャレンジしてみたい』という思いが強くなりました。今となっては、母に感謝しています」

 母親が応募したのは、2023年10月に設立の芸能事務所・bijoux(ビジュー)が昨春に開催した全国大型オーディション「bijoux AUDITION 2024 supported by KeyHolder Group」。秋好は人前に立って表現することさえ「初めて」ながら、グランプリに輝いた。特別審査員の俳優・若月佑美に「出てきた瞬間に感覚的に目を奪われました」と言わしめ、賞金1000万円を獲得。ただ、無欲の本人は驚くばかりだったという。

「『何で私?』という気持ちでした。審査員の方々からは『目をひく力がある』と言っていただいて、うれしかったことを覚えています」

 一方、オーディションでのワークショップでは演技やウォーキングなどを経験。すでに楽しさを感じたという。

「ワークショップ中に『変化がない』と言われたので、『誰かに見せるよりも課題を改善する』ということを意識しました。そして、『普段やらないことをできる』ことが楽しく、あまり緊張もしませんでした。もともと、緊張しないタイプなのかもしれません」

 最終審査は東京で行われた。友達にも内緒の「密かな挑戦」だった。

「『東京に遊びに行く』とだけ伝えていたのですが、グランプリになったという記事を読んだ友達から連絡がたくさん来ました(笑)」

 温暖な宮崎県で生まれ育った。オーディション合格前から、大学進学で上京は決まっていた。

「東京は、宮崎に比べて人が多いですね(笑)。最初は(宮崎に)帰りたくなりました。自分の知っている人が周りにいなくて頼りどころがないし、疲れるし、心細さもありました。家族にはしょっちゅう電話していますが、少しずつ慣れてきたというところです」

 ただ、本人はこの環境の変化を前向きに受け止めていた。大学はデザイン系で、ファッション、インテリア、パッケージなどを幅広く学んでいるという。

「この年齢で新しいことに挑戦したり、学ぶことがたくさんあるということがうれしいです。高校でもグラフィックについての勉強をしていたので、『もっと知識を深めたい』と思って進学先を決めました。この知識を生かして、デザイナー役のお芝居もやってみたいです」

 取材中、慣れ親しんが宮崎弁が出ることはない。その理由を聞くと「方言は出さないようにしています。お芝居では基本は標準語なので、普段から標準語にしておいた方がいいかなと思いまして」と返答。それでも、「家族との電話や地元にいる時はバリバリ方言です(笑)」と明かした。

スピンオフドラマ『御子柴修の超!プライベートなバンカー』にも出演【写真:ENCOUNT編集部】
スピンオフドラマ『御子柴修の超!プライベートなバンカー』にも出演【写真:ENCOUNT編集部】

スピンオフドラマ『プライベートなバンカー』にも出演

 グランプリ獲得後は、演技レッスンを受けながらモデルとして、大型ファッションショーなどに出演。そして、『プライベートバンカー』と動画配信プラットフォーム・TELASAで配信中のスピンオフドラマ『御子柴修の超!プライベートなバンカー』への出演に至った。同作は、富裕層を相手に資産管理や資産形成の助言を行うスペシャリスト“プライベートバンカー”の活躍を描くマネーサスペンス。主演は唐沢寿明で、資産10億円以上の大富豪しか相手にしないプライベートバンカー・庵野甲一を演じている。対して、鈴木は「だんごの鶴松」の二代目社長・飯田久美子の役。創業者の母が亡くなり、急きょ店を継いだが、金融知識が乏しいため、投資詐欺で巨額負債を背負うことになる。そして、庵野との出会いをきっかけに、お金についての意識が変わっていくという。その設定で、秋好は飯田の娘・飯田芹奈役を務めている。キャストは唐沢、鈴木だけでなく、有名俳優が多数。当然、不安を抱えながらのクランクインだった。

「大先輩ばかりなので、『私がここに入っていいのかな』という不安は大きかったです。でも、撮影に入る前に監督さんと役作りについて話しているうちに、その不安はなくなっていきました。『やるしかない』という気持ちに切り替わりました」

 現場では鈴木との共演シーンが多いこともあり、「撮影で3~4日間くらい一緒だったのですが、毎回朝イチにあいさつしてくださいました。私が緊張していた時もずっと背中をさすってくださって、緊張をほぐしてくださいました」と振り返った。

 そして、オーディション時のワークショップ同様に「現場では課題が見つかった」という。

「声の出し方です。先輩方は声の使い方が上手で、私と全然違いました。苦戦している時に、舞台に出演経験のある共演者の方が声の出すポイントや腹式呼吸についてアドバイスしてくださいました。まだまだなので、日常生活の中でも声の出し方や呼吸を意識していきたいです」

 そこに「新人だから」の甘えはない。そんな自身の性格を「負けず嫌いで切り替えが速い」と分析した。

「周りと比べるというよりは自分の中で戦っているというか、自分に負けたくないという気持ちです。ただ、しんどいことがあっても沈むまで沈んだら切り替えられます。人に相談もせずに自分で解決するので、周りに気づかれないですね。ポジティブだと思われているし、自分でもそう思います(笑)」

 昨年はグランプリを獲得してから怒とうの1年だったが、今年は『プライベートバンカー』をきっかけに飛躍を目指す年になる。

「今よりもたくさんのお仕事ができる年にしたいです。学業とも両立して、体を壊さないように自分のペースで頑張っていきたいです」

 ポジティブで負けず嫌い。大きなポテンシャルを感じさせる19歳は、出て来る課題と向き合いながら成長を期す。

□秋好美桜(あきよし・みお) 2006年1月31日、宮崎県生まれ。24年3月、「bijoux AUDITION 2024 supported by KeyHolder Group」でグランプリを受賞。その後、ABEMAオリジナルドラマ『透明なわたしたち』エンドロールに出演。「Rakuten GirlsAward 2024 A/W」への出演や、『NYLON JAPAN』365 ANNIVERSARY、『路地裏てぃーん。』に掲載されるなどモデルとしても活動している。

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