中村獅童、“親なし”で切り開いてきた思いを告白「歌舞伎の芝居を小川家のみんなでやりたい」

歌舞伎俳優の中村獅童、中村萬壽、中村時蔵、中村萬太郎が27日、都内で行われた第三十八回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の製作発表記者会見に出席。獅童が、小川家(※)で公演できる喜びを語った。

会見に登場した中村獅童【写真:ENCOUNT編集部】
会見に登場した中村獅童【写真:ENCOUNT編集部】

獅童にとって中村萬壽は「父と言いますか、萬屋の“頭”」

 歌舞伎俳優の中村獅童、中村萬壽、中村時蔵、中村萬太郎が27日、都内で行われた第三十八回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の製作発表記者会見に出席。獅童が、小川家(※)で公演できる喜びを語った。

 四国こんぴら歌舞伎は、琴平町にある日本最古の芝居小屋「金丸座(旧金毘羅大芝居)」で、1985年から上演されている公演。金丸座は天保6年(1835年)に建立され、1970年に国の重要文化財の指定を受けた。さらに76年に保存のための復元再興がなされ、現在地に移転。2021年には耐震補強工事(令和の大改修)が行われ、安全基準を満たす劇場として生まれ変わった。

 獅童は今回、息子の中村陽喜くん・夏幹くんとも共演。萬壽、時蔵、萬太郎、中村錦之助ら「萬屋」が金丸座で上演する。獅童は「萬屋一門の小川家が、これだけ集まって芝居できるっていうのは、本当に『夢がかなった』という思いです」としみじみ。「私ももう今年53歳になりますから、これから生きていく上でやっぱりできるだけ、『歌舞伎の芝居を小川家のみんなでやりたい』という気持ちが強いですね。子どもたちもその中で成長していってほしいです」と語った。

 24年6月は、萬壽と時蔵の襲名披露公演と陽喜くん、夏幹くんの初舞台が歌舞伎座で行われた。獅童は「歌舞伎座で、小川家でやらせていただいて、それが『それっきり』にならないように。また6月にやらせていただけるようになりたいなって思っています」と意気込んだ。

 さらに、「萬壽の兄さんも本当に早くにお父様が亡くなっていて、私も父が早くにもう他界しておりましたから。親なしでやって来て、気が付けばこうやって(小川家の)人数がすごく多くなっていって」と感慨深い様子。今回、時蔵をこんぴら歌舞伎に連れて行くため萬壽に相談した際、萬壽も「俺も行こう」と一緒に行くことを決意。獅童は「『俺も行こう』って萬壽の兄さんが言ってくださって、とてもうれしかったですね。やはりどこか、父と言いますか、萬屋の“頭”でございますから」と目をうるませながら思いを伝えた。

※小川家=中村獅童、中村萬壽、中村時蔵、中村萬太郎、中村錦之助らは親戚で本名の名字が小川。

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