中島健人、初ソロライブで涙目「さまよい続けていた時期も」…生涯アイドルの覚悟決め「ドーム目指す」
元Sexy Zoneで歌手、俳優の中島健人が19日、東京・有明アリーナで初のソロライブ「KENTO NAKAJIMA 1st Live 2025 “N / bias”」最終公演を開催した。17日からの3日間で全4公演を同所で完走し、計6万人を動員。この日もグループ時代のソロ曲、キタニタツヤとのユニット曲『ファタール』、初ソロアルバムから13曲(初披露9曲含む)の計24曲を歌い、踊った。
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キタニタツヤのサプライズ登場もあった
元Sexy Zoneで歌手、俳優の中島健人が19日、東京・有明アリーナで初のソロライブ「KENTO NAKAJIMA 1st Live 2025 “N / bias”」最終公演を開催した。17日からの3日間で全4公演を同所で完走し、計6万人を動員。この日もグループ時代のソロ曲、キタニタツヤとのユニット曲『ファタール』、初ソロアルバムから13曲(初披露9曲含む)の計24曲を歌い、踊った。(取材・文=幸田彩華)
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開演直前、サイドモニターには、イラストで描かれたポップ感あるピエロが登場。英文でユーモアを入れてペンライトの使い方などを説明する映像が流れ、日本語のテロップがそれを補足する形で表示された。そして、『ピカレスク』でキックオフ。赤い満月を背に黒い涙を流す中島の姿が映し出され、観客を「物語の世界」へと導いた。
メインモニターが左右にスライドすると、上下白の衣装に身を包んだ中島が姿を現した。会場の空気は一気に熱を帯び、U:nity(ユニティー=ファンの名称)たちは「けんとー!」の大声援。センターステージに移動した中島はアカペラで歌い出し、瞬く間に感動の輪を広げた。
続いて披露されたのは、昨年12月25日にリリースしたソロ初アルバム『N / bias』のオープニング楽曲『N / o’clock』。中島はバックダンサーを従え、花道を大股でステップしながら移動した。その後、メインステージ上部に設置された演説台に立って歌唱。「一国の主」としてファンを新たな世界へ呼び込んだ。そして、中島は言った。
「最終公演、出会うことができて本当にうれしく思っています。388日ぶりのステージです。おまたせ」
中島は2024年3月末にSexy Zoneを卒業。グループ4人でのライブは、23年12月26日の東京ドーム公演が最後だった。文字通り、今回は中島にとってリスタート公演で、自らステージ演出。アルバム名と同じ公演名『N / bias』には、これまでの中島に対する評価や偏見を振り払い、「人間の殻を破っていく」の決意が込められた。
その後、『SHE IS…LOVE』では、バックステージ側に向かって右手と右足だけでポールにつかまりながらの“Nフライング”を披露。空中からMCパートへと突入し、「多分、ここまで飛んだのは僕が初めて。何度やっても楽しい。最高に気持ちいい」とテンションを上げた。
そして、ステージに降りてヘッドセットを外すため、タンクトップ姿に。男性ファンから「かわいい!」の声が上がると、中島は「何がかわいいんだよ!」と笑いながら切り返した。
そんな和やかな空気感の中、中島はインスタグラムの質問箱で寄せられ、厳選された3つの質問にも答えた。「感情を出すのが苦手。公演のライブの声出しを頑張ります。アドバイスを」の願いには、「恥ずかしがらなくていいよ。みんな、赤裸々だから」とセクシー回答で観客を喜ばせた。
続けてモットーを聞かれると「一生夢を追いかけること。自分にとって夢を叶える時間も大切ですが、追いかけている時間も大切」。最後に彼女目線の質問「ドキドキしてる? 会いたかった?」には、「当たり前じゃん!」と観客全員の彼氏になりきった。
8曲目で自身が作詞、作曲した『Scene29』では、メインモニターに中島の幼少期からの写真が映し出された。文字通り、“成長の軌跡”が楽曲とともに表現された。
シンガー・ソングライターのキタニタツヤが登場するサプライズもあった。テレビアニメ『【推しの子】』第2期のオープニング主題歌で、中島とキタニタツヤによるユニットGEMNの楽曲『ファタール』。これを2人でパフォーマンスすると、会場のボルテージがグッと上がり、歓声が止まらなくなった。
そして、歌い終えたキタニは「とんでもない体験をありがとうございます。(中島は)いつもこんな景色見ていたの?」と実感を込めると、2人は巧みな掛け合いを始めた。
中島「そうだよ。エネルギーすごいでしょ」
キタニ「本当に国、創ってたんだね」
中島「一国の主です(笑)」
続く『カレカノ!!』では、2人がトロッコに乗り込み、アリーナを巡回しながら観客と近い距離で交流。熱気に包まれた特別な時間を創り上げた。2人でVサインの指先を合わせる“ジェムポーズ”を披露する場面もあり、中島は「これからもよろしくね」とキタニにメッセージを送った。
その後、中島はキタニの曲フリで『Love風』を披露。3階席の目線までリフトで上がり、「一生離さないよ」と愛を届けた。『Hey!! Summer Honey』では夏気分を演出し、『Black Cinderella』もその流れで歌い上げた。そして、終盤のMCで中島はファンへの感謝を込めた言葉を紡いだ。
「有明アリーナでのソロライブにお越しいただき、ありがとうございます。すごい声援に包まれて、『生きてて良かったな』って思います。今日までの日々は本当に楽しくて、U:nity(ファンの呼称)に会えることがうれしくて、どんなことをしたら喜んでもらえるか考えていました」
ダブルアンコールでSexy Zone時代の応援歌…ファン涙
あふれそうになる涙。中島はそれをこらえながら、言葉を続けた。
「いろんな思いや考えがあって、さまよい続けていた時期もありました。でも、今日までの時間、僕に愛をくれ続けてくれたこと、本当にありがとうございます。U:nityの力がなければ、ここに立っていないと思います」
客席からは「頑張れ」「私達がいるよ」と温かいエールが送られた。中島はいよいよこらえきれなくなる。だが、必死に堪えて“らしさ全開”で呼びかけた。
「『俺が負けるわけない』って思うわけよ。プライドを持ってやってきて、一緒に歩んできたみんなと止まるわけにはいかない。環境が変わっても俺は負けないし、変わんないわ。よく聞いてて、俺の覚悟は本物だから。何に負けないかって、誰でもない。自分自身だと思う。俺は側にいるつもりよ、お互いだからね。要するに『ずっと会える俺を見てろ』ってこと。本当に愛してるよ。俺は死ぬまでアイドル。俺はU:nityに何があってもそばにいるよ」
そして、宣言した。
「ドーム目指すからよろしくね。この会社、1人で行った人ってあんまり聞いたことないから、俺が最初の1人だから」
その後、『迷夢』を終えると、スクリーンにはスタッフとの打ち合わせ映像やダンスレッスンの様子が映し出され、観客はその裏側を垣間見ることができた。熱心な準備と努力が垣間見える瞬間だった。
アンコールでは『CANDY ~Can U be my BABY~』と『Unite』が披露。中島がステージを後にしても、熱い声援が鳴り止まなかった。それに応え、中島はメインステージのせり上がりから再登場。マイクスタンドを手にし、「今も頑張ってる愛すべき仲間に思いをはせて。届いてるかな」と言った。
流れてきたのはSexy Zone時代の応援歌『RUN』のイントロ。会場は一瞬で感動の渦に包まれ、多くのファンが涙を流すダブルアンコールで約3時間のステージが幕を閉じた。そして、スクリーンで今年4月からの初全国ツアー開催、7都市12公演のスケジュールが発表。会場は再び大歓声に包まれた。
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