『ワイドナ』フジ社長会見は6分で終了 出演弁護士、調査委員会の“限界”指摘「何が真実か分からないことが」
フジテレビ系情報番組『ワイドナショー』(日曜午前10時)は19日の放送で、同局の港浩一社長が17日に行った中居正広問題に関連した記者会見を取り上げた。時間は6分。同時間帯のTBS系『サンデー・ジャポン』(日曜午前9時54分)は30分以上を使って、この話題を放送した。
『サンジャポ』は30分以上…杉村太蔵氏「フジテレビは最大の危機」
フジテレビ系情報番組『ワイドナショー』(日曜午前10時)は19日の放送で、同局の港浩一社長が17日に行った中居正広問題に関連した記者会見を取り上げた。時間は6分。同時間帯のTBS系『サンデー・ジャポン』(日曜午前9時54分)は30分以上を使って、この話題を放送した。
『ワイドナショー』は午前10時4分から、この話題に触れた。冒頭のナレーションで「(中居に関する)一連の報道について、フジテレビの港浩一社長らは定例の記者会見で第三者の弁護士を中心に調査委員会を設置することを発表しました」と説明。静止画で会見での港社長の姿を示し、会見の概要を伝えた後、出演者がスタジオでコメントした。
今田耕司は「守秘義務があって、何が真実か分からないじゃないですか」と言った上で、「早目に第三者の人に入って『こういうことでした』とはっきりしてもらうことがいいんじゃないですかね」とコメント。続けて国際弁護士の清原博氏が「(調査委員会を)立ち上げることはいいことですが、警察ではないので調査にも限界があります。『当事者が話したくない。心、つらいんです』ということもありますから、調査を全て終えても果たして何が真実か分からないということがある。世間の人にはそこを分かっていただきたいです」などと話した。
ただ、この調査については、幹部社員の関与が疑われている中居と女性のトラブル内容だけでなく、フジテレビの姿勢を調べることも期待されている。女性から被害報告を受けた後も中居への聞き取り調査をせず、中居をレギュラー番組などで起用し続けたことについて、港社長は会見で「女性のプライバシーを守るため」「臆測を呼ばないため唐突に終わらせず、終了のタイミングを計っていた」などと釈明。それは真実なのか。女性の言い分を軽視し、視聴率を求めて人気タレントの中居を起用していたのではないのか。そうした疑惑部分を解明していくことも求められている。
清原氏に続いて、元NHKのジャーナリスト・岩田明子氏がコメント。「会見が閉鎖的だった」ことに言及した。同会見は、フジテレビの意向で新聞社、通信社が加盟する「ラジオ・テレビ記者会」の定例会見として実施。非会員のウェブ媒体、週刊誌、海外メディアは締め出し、NHK、民放は質問のできないオブザーバーとしての参加、「映像撮影なし」の制限もつけていた。その状況も踏まえ、岩田氏は言った。
「私が記者として感じるのは、総理官邸ですとか、官房長官とか大臣の会見についても前は記者クラブに所属した人だけだったのが、だんだんと事前に申請をして、チェックをして幅を広げてきました。まあ、キャパシティーの問題があったのかもしれませんが、広く聞きたい人は質問できる。そのような体制を検討する必要があると思いました」
『サンデー・ジャポン』は、序盤から30分以上の長尺を使ってこの問題を伝えた。その中で、政治評論家の杉村太蔵氏は、閉鎖的な記者会見後に大企業が続々とフジテレビへのCM差し止めを始めていることに言及。「フジテレビ始まって以来、最大の危機だと思います」と語気を強めた。