37年間ファントム演じ続けた市村正親、最新作は「最後の気持ち」“愛弟子”平原綾香は感謝語る
俳優の市村正親、石丸幹二、橋本さとしが17日、都内で行われたミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』の囲み取材に出席した。3人は、トリプルキャストにて主人公・ファントムを演じる。
ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』
俳優の市村正親、石丸幹二、橋本さとしが17日、都内で行われたミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』の囲み取材に出席した。3人は、トリプルキャストにて主人公・ファントムを演じる。
ファントムは、オペラ座から誰の失踪を遂げ10年の時を経て再び姿を現すキャラクター。『オペラ座の怪人』で初めてファントムを演じてから37年、そして2014年の『ラブ・ネバー・ダイ』日本初演時より演じ続ける市村は「39で、この日生劇場でファントムとして生まれて、まさか、その10年後のファントムがあるということで、その役をやることになったときには、これも1つの運命だと感じております。今回、『ラブ・ネバー・ダイ』は再、再演目ですけれども、今回がもう最後の気持ちで、一回一回を新鮮に、クリスティーヌとのセッションを皆さんにお届けしたい」と語った。
この日は、1児の母となり、伝説のソプラニストとしてオペラ座で活躍するクリスティーヌを演じるトリプルキャストの平原綾香、笹本玲奈、真彩希帆も出席。ミュージカル初出演が2014年の同作初演である平原は「お稽古もそうなんですけど、本当に、何が分からないか分からない状態のまま稽古場に行った。何を着ていいかも分からなくて、すごくオシャレして行って、そしたら皆お稽古着ですぐ脱ぎました(笑)。それくらい本当に分からないことだらけだった。そのとき市村さんがいらっしゃって、演じることの尊さだったり眼差し、どうやって心を伝えていくのか、お稽古場だけじゃなくて、舞台上でも教えてもらった気がしている。ステージ上で、涙が止まらなくなってしまったときもあった。『あ、こうやって心を届けるんだ』と思って、それから自分の歌も変わっていった気がします」と語った。
また、ミュージカルデビュー11周年の平原。「あのとき色んな人に優しくしてもらった。そのときいじめられたらここにいないと思う(笑)。本当に感謝しています」とニッコリ。次いでミュージカルの恩師とも言える市村を見て「市村さんが『僕は最後かもしれない』なんて、そんなこと言わないでください」とピシャリ。市村はただ一言「……はい」と応答し、報道陣の笑いを誘った。
“ミュージカル俳優・平原”について市村は「11年前はひよっこが歩いてるみたいな感じで、かわいかったんですけど、今は成熟な女性で……メロメロでございます」と立ち振る舞いを称賛した。
同作は、 アンドリュー・ロイド=ウェバーが自身最大のヒット作『オペラ座の怪人」の後日譚として生み出された一作。2014年、19年と常に完売を記録し、3回目となる今回は前回公演からの継続出演キャストに新キャストが加わる。クリスティーヌと結婚しながらも、不協和音が鳴る結婚生活に苛立ちを隠しきれないラウル・ シャニュイ子爵を演じるのは田代万里生、加藤和樹。クリスティーヌのかつての親友である、メグ・ジリーを星風まどかと小南満佑子が、メグ・ジリーの母親であるマダム・シリーを香寿たつき、春野寿美札が演じる。