GRe4N BOYZ、改名に「不安もあった」 激動の2024年「今までにないエネルギーが必要だった」

4人組ボーカルグループ・GRe4N BOYZが、菅田将暉主演映画『サンセット・サンライズ』(17日公開、岸善幸監督、宮藤官九郎脚本)のインスパイアソングとして楽曲『シオン』を書き下ろした。インスパイアソングとは主題歌や劇中歌とは違い、作品から影響を受けて作られた曲のこと。同曲は、2024年3月にGReeeeNから改名後初のCDアルバム『あっ、ども。あらためまして。』(同年11月リリース)の収録曲。温かくやさしい歌声が印象的で、映画の世界観を持った“音楽作品“が完成した。映画では都会から宮城・南三陸に移住した菅田演じるサラリーマンの気付きや学びがユーモラスに描かれ、作品を見たメンバー4人が新天地で挑戦を続ける主人公と自分たちの思いを重ねて作ったという。ENCOUNTは、メンバーのHIDEとnaviに独占インタビューを実施。映画のことや新たな年を迎えた現在の心境などについて話を聞いた。

インタビューに応じたGRe4N BOYZのHIDEとnavi
インタビューに応じたGRe4N BOYZのHIDEとnavi

菅田将暉主演映画『サンセット・サンライズ』のインスパイアソング『シオン』を書き下ろす

 4人組ボーカルグループ・GRe4N BOYZが、菅田将暉主演映画『サンセット・サンライズ』(17日公開、岸善幸監督、宮藤官九郎脚本)のインスパイアソングとして楽曲『シオン』を書き下ろした。インスパイアソングとは主題歌や劇中歌とは違い、作品から影響を受けて作られた曲のこと。同曲は、2024年3月にGReeeeNから改名後初のCDアルバム『あっ、ども。あらためまして。』(同年11月リリース)の収録曲。温かくやさしい歌声が印象的で、映画の世界観を持った“音楽作品“が完成した。映画では都会から宮城・南三陸に移住した菅田演じるサラリーマンの気付きや学びがユーモラスに描かれ、作品を見たメンバー4人が新天地で挑戦を続ける主人公と自分たちの思いを重ねて作ったという。ENCOUNTは、メンバーのHIDEとnaviに独占インタビューを実施。映画のことや新たな年を迎えた現在の心境などについて話を聞いた。(取材・文=福嶋剛)

――まずは映画『サンセット・サンライズ』のインスパイアソングの『シオン』についてお聞きします。どういう思いで作られたのでしょうか。

HIDE「この映画は東日本大震災で被災した東北が舞台でした。あれから十数年という月日が流れ、今もそこに住んでいる方が、どのような思いを抱えて、どのように気持ちを整理しながら前に進んでいるのか、福島の大学に通っていた僕たちも注目していた作品でした。実際に作品を拝見して、映画で描かれている人たちが、それぞれいろんな時間軸を過ごしながら前に進んでいる姿が描かれていて、自分たちも『何かできないかな』という気持ちが湧き起こってきたんです」

navi「映画のキャラクター、一人ひとりの思いを代弁するような歌詞やメロディーをメンバーで話し合いながら作りました。シリアスな面とユーモアを交えた人間味のある温かさもある作品なので、最初はバラードにするかポップな雰囲気にするか悩みましたね」

HIDE「最終的には、僕たちが福島に住んでいた頃を思い出しながら感じたままを曲にしたら出来上がったという感じです」

――映画をご覧になった感想はいかがでしたか。

navi「いろんなテーマが、ぎゅっと詰まった作品で心を掴まれました。被災した街のコロナ禍の様子が描かれていて、『ああいうことあったよな』ってすごく共感するシーンが多かったです。個人的には、個性の強い俳優さんたちが地元の人を演じていて、仲間たちによるユニークな団結力とか笑わせてもらいました」

HIDE「大きな震災を経験した人たちの時間軸って人によって全然違うと思いますし、『寄り添うってどういうことなんだろう』って改めて考えるきっかけになる映画だと感じました」

――主演の菅田将暉さんとはこれまでも“縁”がありました。菅田さんは、2017年の映画『キセキ -あの日のソビト-』でHIDEさん役を演じました。

HIDE「僕の役をやっていただいたご縁で、たまにお会いすることもあるんですが、表現者として役に対する姿勢が本当に素晴らしい方だなって思います。この映画でも主人公の役を通して、僕たちはいろんな思いを感じることができました」

――次に、グループについてお話しを伺います。昨年3月に世間を驚かせた改名からもうすぐ1年が経ちます。みなさんにとって2024年は、どんな1年でしたか。

HIDE「激動の1年でしたね。今までGReeeeNという名前で多くの人たちに愛されてきたので、自分たちの名前を変える時、正直不安はありました。でも実際は、僕たちの思いを受け止めて、応援してくださる人たちが本当にたくさんいて、そういう方たちに支えられて今も音楽ができていることをあらためて実感できた1年だったと思います」

navi「激動だった分、すごく新鮮な1年でもありました。それと、やっぱりHIDEが言ったように改名したことにより、今までにない、伝えていくエネルギーが必要だった1年でもありました。でも改名後に全国ツアーをやってみて、応援してくださる声がものすごく聞こえてきたんですね。それはすごく大きかったです」

――昨年の全国ツアー『GRe4N BOYZ イマーシブライブシアター 2024 “The CUBE” ~何処かに広がる大きな声が~』は、6月から11月まで全国29都市42公演を完走しました。

HIDE「僕たちは、お客さんとのつながり作りにはいつもこだわっています。このツアーは“謎解き”をテーマにして、ライブが始まる前、ライブ当日、さらにライブが終わった後もツアーを楽しめる代替現実ゲーム(Alternate Reality Game)という体験型の遊びを取り入れてみました」

navi「『イマーシブシアター』(観客参加型)と呼ぶそうですが、HIDEが見つけてきて、僕たちのスタイルにピッタリ合うので一瞬で『やろう!』って決まりました」

HIDE「グッズの中にも謎解きが入っていたり、ライブ本編にも隠されていたり、あとは公式サイトで僕たちの動画をスローで再生すると文字が見えて、それを入力すると次の謎解きのページに進めたりとか。そういう仕掛けをたくさん作って、子どもから大人まで楽しめるツアーに挑戦しました」

――ツアーの手応えはいかがでしたか。

HIDE「たくさんの方が来てくださって、本当にうれしかったです。初めての台湾公演(昨年11月23日に台北市で開催)にも行かせていただきました。ライブでは現地の言葉を使わず、言葉も文字も日本語のままやってみたんですが、みなさんに楽しんでいただきました。驚いたのは、笑う場面で日本はクスクスという笑いなんですが、向こうのみなさんは大爆笑してくれるんです。僕たちのコンテンツが海を越えて楽しんでもらえたと分かったのも大きな経験でした」

navi「やっぱり日本語を理解してくださっている方が多いと分かったら、今度は僕たちも向こうの言葉をちゃんと理解しなきゃいけないなって思いました。いろんな感動をもらったツアーでした」

最新アルバム『あっ、ども。あらためまして。』初回盤ジャケット
最新アルバム『あっ、ども。あらためまして。』初回盤ジャケット

HIDEとnaviの成人式の思い出

――昨年11月には改名後初となるフルアルバム『あっ、ども。あらためまして。』をリリースしました。今回の『シオン』や先行配信の『閃光ハヤブサ』が収録されています。

HIDE「今回のアルバムは、GReeeeNの時に配信をしていた曲も入っていて、僕たちの中では、名前は変わりましたけど、音楽に対する思いは、ずっと一緒なんです。もちろん毎回『良い作品を作るぞ』という思いでやっていて、今作も現時点での最高傑作だと思って作りました」

navi「3曲目の『BOOOON』という曲は、まだHIDEと2人だった頃に作った曲なんですけど、『今の4人のワチャワチャした感じで作り直したらきっと面白いだろうな』と思って作りました。8曲目の『ゼロ年目からのバインダー』は、僕たち4人が出会った郡山市の市制100周年記念楽曲として、郡山の若い人たちから話を聞かせてもらいながら制作した曲です。僕らにとっての生まれた故郷みたいな場所なのですごく光栄でした」

――ちなみにこのインタビューが出るタイミングは成人式があります。みなさんは成人式の思い出はありますか。

HIDE「僕はその頃、浪人で東京の予備校に通っていたので、中学・高校時代を過ごした高知の成人式には行かずに、こたつで成人式のニュースを見ていました」

navi「こんなにHIDEと長くいるのにその話は初めて聞いたよ」

HIDE「naviも浪人していて行かなかったんだよね」

navi「そう。試験も近かったしね。僕は終わった後に、成人式に出た友達が家に遊びに来てくれたんです。でもね、今振り返ると、『行けばよかったな』って後悔があります。これから成人式の人がいたら、行けるんだったら行った方がいいと思います」

――最後に2025年はどんな年にしたいですか。

navi「昨年、新たなファンクラブを作らせていただいたんですが、お客さんともっと近い距離でつながりながら、今までやったことないものにもトライして、僕たちのアイデアをどんどん形にしていきたいと思います」

HIDE「ライブも『イマーシブライブシアター』を発展させながら、面白いことを考えていきたいと思っています。メンバー4人仲が良いので、互いに得意なものを持ち寄って、みなさんに楽しんでいただけるものを作っていきたいと思います。ちなみに今回のCDアルバム購入者の特典イベントは、『冬の大運動会』をやろうと思っています」

navi「まだ具体的には企画中ですが、みんな歯科医なので歯の健康は大事だよね」

HIDE「そう。リレーがあったらバトンは歯ブラシ型だね(笑)。そんなふうに常に新しいものや変化にワクワクしながら、2025年もみなさんと楽しい時間を過ごしていきたいと思います。今年もよろしくお願いします!」

□GRe4N BOYZ(グリーン・ボーイズ) GReeeeNとして福島県で結成されたボーカルグループ。メンバーはHIDE、navi、92、SOHの男性4人。全員が歯科医師免許を持ち、医療との両立のため顔を伏せて活動中。『愛唄』『キセキ』など数々のヒット曲を生み出し、『キセキ』(TBS系連続ドラマ『ROOKIES』主題歌)は、国内で最も多くダウンロード販売されたシングルとしてギネス記録を持つ。3枚目のアルバム『塩、コショウ』で第51回日本レコード大賞最優秀アルバム賞を受賞。20年、NHK連続テレビ小説『エール』では主題歌(『星影のエール』)を担当。同年、第71回NHK紅白歌合戦に初出場。昨年3月19日、グループ名をGRe4N BOYZに改名。そして改名後、初となる全国ツアー『GRe4N BOYZ イマーシブライブシアター 2024 “The CUBE” ~何処かに広がる大きな声が~』を開催。

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