ゴミを溜める人の“3つの共通点” 見直したい悪習慣…専門業者「いずれ使うだろうと」
年末を迎え、大掃除がピークを迎えている家庭も多いだろう。中にはどこから手をつけていいか分からないほど部屋に物があふれている人もいるかもしれない。後悔先に立たず。片付けずに放っておくと、“ゴミ屋敷予備軍”になる可能性もあり、注意が必要だ。
いつの間にか汚部屋に…排除したいリスクとは
年末を迎え、大掃除がピークを迎えている家庭も多いだろう。中にはどこから手をつけていいか分からないほど部屋に物があふれている人もいるかもしれない。後悔先に立たず。片付けずに放っておくと、“ゴミ屋敷予備軍”になる可能性もあり、注意が必要だ。(取材・文=水沼一夫)
「ゴミを溜めやすい人には共通点があります。まず趣味嗜好が2~3種類、皆さんあります。あとは部屋にゴミ箱がないですね。そして通販などで買った商品を開けずにそのままにしていることも多いです」
こう話すのは不用品回収ゼロの永留統道代表だ。大阪を拠点に不用品回収やハウスクリーニングを行い、ゴミ屋敷の清掃や遺品整理まで請け負う。2024年に依頼された仕事の数は約1800件で、あらゆる現場を知り尽くす清掃のスペシャリストだ。
中でも他の業者が尻込みするのがゴミ屋敷の清掃。入口のドアを開けたとたん、強烈な悪臭とともにゴミの山が押し寄せて来る光景は現実のものとは思えない。台所をゴキブリが覆い尽くし、死骸を踏みつけながら何日間もかけてゴミを片付けていく作業は、精神的にも肉体的にもタフさが求められる。
そんな修羅場を何度も経験してきた永留さんが指摘するゴミを溜めやすい人の条件はどれも説得力がある。
趣味嗜好については、「多いのは酒、タバコ、フィギュアですね。例えば、この部屋は写真を見て分かるように、レモンティーなんですよ。奥にはちらっとフィギュアも見えます。清掃していくとやっぱり至るところにあるんですよね。この方はレモンティーとフィギュアが趣味なんだと思います」。
ごみの溜まり場と化した部屋に広がるレモンティーのペットボトル。こだわりが強く、一つのものを溜め込んでしまう人は要注意だ。
また、ゴミ箱がないというのも立派なリスクファクターになる。
「ゴミ箱がないのと、コンビニ弁当を1食分食べたものを袋にくるんでそのまま捨てる。この2つは共通点として結構あったりするんですよ」
確かにゴミ屋敷には無数のコンビニ袋が重なり合っている印象が強い。このような部屋にゴミ箱は見当たらない。タワーマンション版のゴミ屋敷ではウーバーイーツ等の宅配ゴミも目立つという。
さらに意外なポイントは“開封しない人”だ。
「いずれ使うだろうと思って商品が入った箱を開けずにいるんですね。衣類や小さい家電関係も当てはまります。中身は分からないけど、(ゴミ屋敷などを)片付けている時、『この箱は置いといて』と絶対言われるので。どう見ても未開封です」
ネット通販等で買った商品を梱包された箱のまま保管しておけば、当然スペースが必要になる。最初はよかれと思っていても、積み重なれば、だんだんと整理整頓が追い付かず、汚部屋を作る原因に。フィギュアのように未開封でこそ価値があるものは、余計にやっかいだ。
「ゴミ出しのルールを分かっていない人が多い」
「クリスマス後のこの時期なんか特に多いかもしれないですよね。『どうせ中身は分かっているから』と言って、そのまま箱で置いておく。で、そのまま使っていない。使っていないのなら買わなくていいのにと思いますけど、ネットのターゲティング広告とかで思わずポチポチ押しちゃうんでしょうね」
自宅のゴミ屋敷化を防ぐには、「到着したものはまず開けるということですね」と永留さんは助言した。
最初からゴミだらけの部屋に住みたいと思う人は誰もいない。ちょっとしたことがきっかけで、後戻りできなくなってしまうから怖い。
片付けが苦手な人は、何から始めればいいのだろうか。
「マンスリーマンションとかもそうなんですけど、ゴミ出しのルールを分かっていない人が多かったりするんですよ。その地域ごとによって違うじゃないですか。何曜日に何のゴミを出すかっていうのをしっかり把握しておくことが大前提だと思います。とりあえず袋に適当に詰めておいたらいいんでしょうとやっていると、『これは持って帰れません』ってなってしまいます」
各自治体でゴミの回収日や分別方法が決まっている。あいまいなところがあれば、大掃除を機に、もう一度確認してみるのもいいだろう。