ロス移住の菅久瑛麻アナ、物価高の米国で2泊3日10万円の旅 熊と巨大松ぼっくりに注意
今夏から、31歳のフリーアナウンサーが米ロサンゼルス(LA)で暮らしている。富山、埼玉のテレビ局でキャリアを積んだ菅久瑛麻(すがひさ・えま)。彼女は現地の大学院に留学した夫をサポートし、自身も語学学校に通っている。1度、仕事に区切りをつけての移住ゆえにともに無収入。果たして、日本では考えられない程の物価高にある米国でやっていけるか……。そんな不安もある中で感じた驚き、戸惑い、感動をつづる不定期コラム「フリーアナ・菅久瑛麻、物価高にあ然…初めての米国生活」。第7回は「2泊3日、10万円で楽しめる米国NO.1人気の国立公園」。
コラム「フリーアナ・菅久瑛麻、物価高にあ然…初めての米国生活」第7回
今夏から、31歳のフリーアナウンサーが米ロサンゼルス(LA)で暮らしている。富山、埼玉のテレビ局でキャリアを積んだ菅久瑛麻(すがひさ・えま)。彼女は現地の大学院に留学した夫をサポートし、自身も語学学校に通っている。1度、仕事に区切りをつけての移住ゆえにともに無収入。果たして、日本では考えられない程の物価高にある米国でやっていけるか……。そんな不安もある中で感じた驚き、戸惑い、感動をつづる不定期コラム「フリーアナ・菅久瑛麻、物価高にあ然…初めての米国生活」。第7回は「2泊3日、10万円で楽しめる米国NO.1人気の国立公園」。
こんにちは。いよいよ年の瀬ですね。私は年末年始も帰国せず、こちらで過ごすことにしました。そして、先日は米国の大自然が感じられる世界遺産・ヨセミテ国立公園に行ってきました。カリフォルニア州中央部に位置する自然保護を目的とした地域です。「全米で最も人気のある国立公園の一つ」として知られ、ロサンゼルスからは車で約5時間、サンフランシスコからは約3時間30分で到着できます。
1890年に国立公園に指定。1984年には、ユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録されました。年間400万人以上が訪れるそうですが、まずはその広さに驚きました。東京都の1.4倍相当、約3000平方キロメートル。まさに「広すぎる公園」です。園内にはいくつものビュースポットやハイキングコースがあるのですが、1日では回りきれません。なので、2泊3日で計画。「星空や朝日も見るぞ」と決意して車を走らせました。
ここで日本から来られる方にお知らせです。この旅については、ツアーに申し込むか、レンタカー使用をお勧めします。低予算なら、ロサンゼルスから長距離バスに乗り、公園内では無料シャトルバス利用の選択肢もあります。私は自宅のあるロサンゼルスから車で向かい、サンフランシスコの中間に位置するフレズノで1泊。ホテルの宿泊費は102.081ドル(約1万5105円、1ドル=147.98円で計算)でした。
ちなみに、公園内にあるホテルは大変人気です。私は直前に探したこともあり、全て満室。ただ、公園の入口に一番近いヨセミテビューロッジというホテルを予約できました。部屋の清潔さやサービスも行き届いていて快適に過ごせました。宿泊費は2人1室で321.88ドル(約4万7631円、1ドル=147.98円で計算)でした。その他、ガソリン代60.20ドル(約8946円、1ドル=148.62円で計算)、入場料35ドル(約5201円、1ドル=148.62円で計算)、2日間の食事代85.93ドル(約1万2770円、1ドル=148.62円で計算)、お土産代として購入したスターバックスBeen there seriesのマグカップが21.76ドル(約3233円、1ドル=148.62円で計算)、ヨセミテのパーカーとTシャツ82.54ドル(約1万2267円、1ドル=148.62円で計算)。2日間で使った金額は合計約10万5153円でした。
公園内には、スーパーマーケットやレストラン、郵便局、お土産ショップもありました。私は「ハイキングをしよう」と、軽食などを用意していたのですが、その必要は全くありませんでした。中心部にあるヨセミテビレッジにはさまざまな施設があるので、まずはそこを目指すのがいいと思います。ツアーデスクもあるので、スタッフに聞いて情報収集することもできます。
有名なスポットは主に3つで、ヨセミテバレーを一望できるトンネルビュー、米国最大2425フィート(約739メートル)の高低差があるヨセミテ滝、谷底から約3000フィート(約914メートル、東京タワーの約3倍)と世界最大の花崗(かこう)岩として知られ、クライミングの聖地であるエルキャピタンです。
ヨセミテ初体験の私は、まずは車で主要スポットを回りました。入場時にいただいた地図が頼りでしたが、人気スポットには人だかりができていたので迷うことはありませんでした。そして、最も印象的だったのはトンネルビューです。どこまでも広がる青空と巨大な岩山、ヨセミテバレーの緑のコントラストが見事でした。壮大な自然に圧倒されつつ、絵画でも見ているかのような美しさに息をのみました。日中に見る景色も素晴らしかったのですが、夕焼けに染まるビューも格別でした。
私は友人から「夕焼けをトンネルビューで見ると良い」と聞いていたので、午後6時頃から待機していました。ふと気づくと、横一列に人の壁ができていました。そして、徐々に岩山がオレンジ色へ……。その様はとても幻想的で、私は心が洗われたような感覚になりました。
翌日、ハイキングしていると、顔と同じくらいの大きさの松ぼっくりを発見しました。カリフォルニアに自生する世界で最も大きい松、シュガーパインと呼ばれているものでした、大きいものだと60センチもあるそうです。テントを突き破るほどの勢いで落ちてくることもあるそうなので、頭上には注意しながら歩いた方が良さそうです。また、熊が出没することがあり、食べ物の管理にも注意が必要です。テントタイプの宿泊施設に泊まる場合については、「食べ物フードロッカーに入れるように」という張り紙もありました。車の中に食べ物を置きっぱなしにすると、熊に車のドアをこじ開けられてしまうこともあるそうです。雄大な自然を楽しむためには、「細心の注意も必要」ということです。
これらのことに気をつけながら2日間で、私には最高の思い出ができました。訪れたのは11月下旬でしたが、ベストシーズンは5月~8月だそうです。この時季は雪解け水で滝の水量が増し、より迫力のある景色が見られるそうです。滝を見ながら歩くハイキングコース、ミストトレイルが大人気で、地元の方は「このハイキングコースが大好きで何回も来ている」と話していました。
ということで、「米国西海岸での旅行にはヨセミテ国立公園もありですよ」と記させていただきました。米国内の物価高を考えると、2泊3日、10万円でこれだけの思いができるので「お勧めです」。ただ、松ぼっくりと熊にはご注意を。
□菅久瑛麻(すがひさ・えま) 1993年10月7日、ドイツ生まれ。白百合女子大文学部英語英文学科卒。2016年4月、富山県のチューリップテレビにアナウンサーとして入社。情報番組、報道番組のMCなどを担当し、20年3月末に退職。フリーアナウンサーに転身し、同年4月から23年3月まで、テレビ埼玉で情報番組のMCなどを担当。資格は温泉ソムリエ、食生活アドバイザー、防災士、証券外務員二種、MBAなど。162センチ。