南沙良、プライベートは衝動的「どうしても我慢できない」 新境地に意欲「やったことがないことを」

2014年に映画『幼な子われらに生まれ』でスクリーンデビューを果たした南沙良。その後も、映画作品では一癖も二癖もありそうな少女を見事に演じ切り、多くのクリエイターからの支持を受けている。そんな彼女の最新作が、ABEMAオリジナル連続ドラマ『わかっていても the shapes of love』だ。本作で南は、傷つくと分かっていても、恋にのめり込んでしまう女性・美羽を演じている。現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』でも注目を集めるなど作品が途切れない南の今、そして未来に迫る。

インタビューに応じた南沙良【写真:冨田味我】
インタビューに応じた南沙良【写真:冨田味我】

“脱・怠惰”を宣言「ストイックに」

 2014年に映画『幼な子われらに生まれ』でスクリーンデビューを果たした南沙良。その後も、映画作品では一癖も二癖もありそうな少女を見事に演じ切り、多くのクリエイターからの支持を受けている。そんな彼女の最新作が、ABEMAオリジナル連続ドラマ『わかっていても the shapes of love』だ。本作で南は、傷つくと分かっていても、恋にのめり込んでしまう女性・美羽を演じている。現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』でも注目を集めるなど作品が途切れない南の今、そして未来に迫る。(取材・文=磯部正和)

 本作で南は、横浜流星演じる海外から赴任してきた美大の特別講師・香坂漣の相手役に。美大の彫刻学科助手となる美羽を演じる。美羽は、傷つくと分かっていながらも自分の感情や直感に対して正直で、真っすぐな性格の女性。南にとっても「今まで演じてこなかったような役」と“新たな一面が出せるかも”という期待があったという。

 これまで数々の映画やドラマで、どちらかというと際立った難役を演じることが多かった南。デビュー以来、出演作が途切れることなく、しかも一流の映画作家やクリエイターと現場を共にすることが多かった。

 そんな中、自身が俳優業を行う上で意識していることが「ずっと飽きずにやれたらいいな」という思い。「とにかく新しいことに挑戦したいし、見たことのないものを目にしたい」という思いで芸能活動を続けている。

 その意味で、本作への期待は大きかった。南が演じた美羽は、過去に恋愛で傷つき「2度と恋をしない」と心に誓ったものの、横浜演じる漣と出会い、衝動的に恋に落ちる。南自身「衝動的に恋をするというのは、あまり自分の中にはない部分。恋愛に関しては理性派だと思う」と語る。

「やったことがないような役に巡り合えるのは楽しい」【写真:冨田味我】
「やったことがないような役に巡り合えるのは楽しい」【写真:冨田味我】

 一方で、南自身は「個人的なことに対しては、我慢できないので……」と笑うと「買いたいものや食べたいものとか、そういったことに対しては、どうしても我慢ができない。完全に衝動的なので、その部分は美羽にリンクしながらやっていました。(恋愛に)諦めているけれど、全然諦めていない……みたいな部分をしっかり表現できればいいなと思っていました」と役へのアプローチ方法を明かした。

 これまでも自身とかけ離れたような難役に挑んできたが、今回はリアルな設定の中での恋愛。しかも撮影時21歳だった南が、27歳の恋する女性を演じた。「やっぱり難しかったですね。自分でもちゃんとその年齢に見えるのかな……という不安もありました。少し声のトーンや仕草、目線などを大人っぽく意識はしました」。

 映画『幼な子われらに生まれ』で俳優デビューしてから7年。作品が途切れることがない人気俳優だが「特に役への向き合い方など変わったところはないですね」と浮ついた感じはまったくない。年齢を重ね、演じる役柄の幅は広がってきた。今作でも、自らの気持ちに抗いながらも、相手に沼っていってしまう女性に扮し、大人のしっとりとした恋模様も表現した。

「やっぱりやったことがないような役に巡り合えるのは楽しい」と笑顔を見せる。本人発信で「あまり『こういう役をやりたいです』という話はしないのですが、心の中にはあります」と語る。「キラキラしたラブストーリーのヒロインは?」と問いかけると「やりたいです! 全然やりたくないとかじゃないんです。基本今までは、何かを抱えていてローテンションの役が多かった。ハイテンションの役もやりたいです」とアピール。

横浜流星から大きな影響を受けたと語った【写真:冨田味我】
横浜流星から大きな影響を受けたと語った【写真:冨田味我】

 取材中何度も口にした「やったことがないこと」「新しいこと」という言葉。具体的に挙げてもらうと「ゾンビとかもいいですね。ゾンビにかまれてみたい。海とかにも入ってみたい」とはにかむと「今のキャンバスとは違う色のキャンバスの上に立ってみたいです」と野望を述べる。

 またじっくりと対峙(たいじ)した横浜にも大きな影響を受けたという。「とにかくお芝居に対する向き合い方、集中力が素晴らしくて。かといってストイックでありながら、人見知りである私にも優しく話しかけてくださるなど現場の居方もすてきなんです」。

 南も役に向き合う姿勢は多くのクリエイターから称賛されているが「私は全然ストイックじゃないです。本当に怠惰な人間なんです」と笑うと「横浜さんを見習ってストイックになれるように頑張ります」と語った。

次のページへ (2/2) 【写真】南沙良の全身ショット
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