「そういうこと!?」「鳥肌たった」 表紙が伏線だった漫画3選…20年後に明かされた新事実
漫画のストーリーを楽しむ醍醐味のひとつが伏線回収だ。散りばめられた伏線は各話の中に登場するほか、表紙にもヒントが隠されていることも。そこで今回は、表紙が伏線だった漫画3作に注目してみよう。
表紙に散りばめられた物語の重要なポイント
漫画のストーリーを楽しむ醍醐味のひとつが伏線回収だ。散りばめられた伏線は各話の中に登場するほか、表紙にもヒントが隠されていることも。そこで今回は、表紙が伏線だった漫画3作に注目してみよう。
(※以下、作品の内容に関するネタバレを含む記述があります)
世界中で人気を博している『週刊少年ジャンプ』(集英社)の『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)も、表紙が伏線だった例が多く見られる。
104巻の第1053話「新しい皇帝達」では4人の大海賊である「四皇(エドワード・ニューゲート、シャーロット・リンリン、カイドウ、シャンクス)」が更新され、シャンクスはそのままで新たにバギー、マーシャル・D・ティーチ、そして主人公のモンキー・D・ルフィが名を連ねることになった。
実はこの新四皇の4人は25巻の表紙に前触れもなく描かれており、1053話の展開によって25巻の表紙が「新四皇になる4人」という伏線だったことが明らかに。25巻が発売されたのは2002年9月で、第1053話が掲載されたのは22年6月のため、約20年後に明らかなった伏線回収だ。
また新四皇が公表された後に発売された105巻の表紙には、25巻の表紙とほぼ同じ構図で新四皇が描かれている。すでに最終章に突入している『ONE PIECE』だが、今後の表紙からも目が離せなくなりそうだ。
同じくジャンプ作品の『HUNTER×HUNTER』(作:冨樫義博)も伏線回収している有名な表紙がある。それは、ハンター協会の最高幹部「十二支ん」のメンバーが表紙に描かれた30巻だ。各キャラが背中を向けて並んで立っているが、そのうちハンター協会の副会長・パリストン(現在は脱退)とサイユウだけが後ろで手を組んでいた。
読者の間でも「何か意味がある」と話題になり、さまざまな考察が飛び交っていた。そして33巻ではサイユウが十二支んの内通者であること、さらに脱退したパリストンとつながっていることが発覚。この展開によって30巻の表紙は「パリストンとサイユウが裏で手を組んでいる」という伏線になり、33巻でその伏線を回収する形となった。
ちなみに30巻の表紙にはポケットに両手を入れている、右腕だけを下ろしているキャラがいて、「そこにも伏線がある」と考察する読者も。自分なりに30巻表紙から仮説を立て、今後の展開を予測してみるのも面白いかもしれない。
最後に注目するのは21年から22年に漫画誌アプリ『少年ジャンプ+』で連載された『タコピーの原罪』(作:タイザン5)だ。10日にはアニメ化が発表されたばかりの本作は、上下巻だけの短い物語だが、表紙に作中のラストに関連する重要なメッセージが含まれていた。
上巻の表紙は小指を立てながら泣いている主人公の少女・久世しずかが描かれており、下巻では同じく小指を立てて泣いているいじめっ子の雲母坂まりなが。上巻ではいじめや自殺など重い内容になっているため、自然と表紙の「泣いているしずか」を受け入れていた読者も多かったようだが、ポイントは小指に結ばれているリボン。このリボンは同作に欠かせない存在のハッピー星人・タコピーによる「仲直りリボン」という道具で、結ばれた者同士は仲直りができるという効果がある。
上巻表紙のしずかと下巻表紙のまりなの小指には仲直りリボンが結ばれており、これが意味するのは「いじめられっ子といじめっ子という関係性の2人が仲直りした」ということ。この事実に気づいた読者からは「表紙をしっかり見てなかったけど、後で気づいて鳥肌たった」など驚きの声が相次いだ。
表紙を流し見している人は今後の展開のヒントが隠されていないか、細かくチェックするようにしてみてはいかがだろうか。