プロ野球界の“金ピカ男”辰己涼介、「僕は目立ちたくはない」の真意 推しグループのGENICにも金言
男女7人組ダンス&ボーカルグループ「GENIC」と、4年連続で三井ゴールデン・グラブ賞を受賞したプロ野球・楽天の辰己涼介は、昨年に続いて2度目の対談が実現。後編では、GENICメンバーから辰己への“質問コーナー”や、2025年に向けたお互いの“誓い”を聞いた。
【GENIC×辰己涼介 対談後編】プレミア12で知れ渡った『タッツミーポーズ』
男女7人組ダンス&ボーカルグループ「GENIC」と、4年連続で三井ゴールデン・グラブ賞を受賞したプロ野球・楽天の辰己涼介は、昨年に続いて2度目の対談が実現。後編では、GENICメンバーから辰己への“質問コーナー”や、2025年に向けたお互いの“誓い”を聞いた。(取材・文=小田智史)
――辰己選手は日本代表として出場したプレミア12で、1次リーグ第3戦のチャイニーズ・タイペイ戦でタイムリーを打った際に、二塁ベース上で両手をクロスさせたポーズを披露して話題を呼びました。これは、GENICの新曲『FUN! FUN! FUN!』の振り付けの一部だったそうですが、ポーズはいつやると決めたんですか?
辰己涼介(以下、辰己)「侍ジャパンに選出してもらって注目度が上がるのは分かっていたので、僕が有名になりたいという気持ちよりも、『(推しグループ)GENICを有名にしたい』という気持ちが勝った結果です。僕は別に目立ちたくはないですから」
GENIC一同「(笑)」
辰己「GENICに目立ってほしいし、日の目を見てほしい、ファンが増えてほしいという気持ちから(あのポーズを)やりました。もうやるって決めてました」
西澤呈(以下、西澤)「先ほどポーズの名前が決まって、我が子のようにこのポーズがかわいいです」
金谷鞠杏(以下、金谷)「名前は言わないんだ(笑)」
西澤「『Touch Me(タッチ・ミー)』と書いて、『タッツミーポーズ』です(笑)。あの舞台、あの状況下で、GENICのことを頭の中に置いてくださっていることにすごく感動しました。僕だったら『イエーイ!!!』で終わりなんですけど、そのあとでGENICのポーズまで! GENICのことを心から愛してくださって、本当に幸せです」
金谷「ポーズもそうなんですけど、辰己さんは日常からGENICのことをSNSに上げてくださっている印象があります。会えない間もGENICを思い続けて頂けるのはすごくうれしいですし、ジャンルは違えど、仲間として同じ場所に向かって戦っている部分で共通点はあると思っているので、相乗効果のような価値を私たちに見出してくださっているのは光栄です。いつか辰己選手から(作詞用の)ワードを頂いたりして、何か作品に残すのもできたらいいなと思いました」
辰己が緊張しない秘訣は「自分がどう見られているか気にしない」
――辰己選手は「NPB AWARDS」でちょんまげ袴や甲冑姿、殺人鬼を模したスタイルのコスプレ3連発、三井ゴールデン・グラブ賞の授賞式では全身ゴールドコーデと、度肝を抜く演出が反響を呼びました。GENICのメンバーの目には、辰己選手のエンターテイナーぶりはどのように映っていますか?
雨宮翔(以下、雨宮)「(今年7月の)『ES CON FIELD ブルー カーペットショー』でGENICのグッズを身に着けてくださったのがうれしかったです。他の選手がスーツで決めている中でも、誰もやらないだろうという奇想天外さ、辰己選手ならではのユーモアさで、GENICをあの舞台に連れて行ってくださった。GENICの“8人目のメンバー”として、つながりを作ってくださることには感謝とともに、尊敬の念でいっぱいです」
西本茉生(以下、西本)「アイデアが出たとしても、それを行動に移せるメンタルの強さが何よりも凄いです(笑)」
小池竜暉(以下、小池)「表彰式はドレスコード的なものがあると思いますけど、それを取っ払ってグッと突き抜けて魅せる力には驚かされます。GENICのメンバーの1人として見ても、常識を打ち破っていく先陣を切ってくれているので(笑)、僕たちもあまり型にとらわれすぎず、いろんなことを表現していかなきゃいけないと辰己選手の背中を見て感じました」
辰己「誰もやらないからやっているだけで(笑)。やればいいのに、って思ってますよ」
増子敦貴(以下、増子)「あー。なるほど!」
辰己「ルールの範囲内でやっていますから(笑)」
GENIC一同「(笑)」
辰己「GENICの7人に関しては、すばらしい歌唱力、作詞力、ダンスを持っているので、僕を見習わなくていいというか、これまで通りでいいかなと。僕はぶっ飛んでいるんで、8人目のメンバーとして自由にやらせてもらっています(笑)」
――この機会に、GENICから辰己選手にお互いに聞いておきたいことはありますか?
金谷「最近のマイブームは何ですか?」
辰己「実は僕、この間まで野球をやっていて(笑)」
GENIC一同「(笑)」
辰己「野球のことしか考えていなかったです。意外に仕事には真摯に向き合うタイプなので。ハマっているものはないです。すみません(笑)」
増子「辰己選手が緊張しない秘訣は何ですか?」
辰己「あまり人からの評価というか、自分がどう見られているか気にしないので。『俺は俺』という感じ。自分のことよりも、GENICのことに集中しています(笑)」
小池「辰己選手の得点圏での安心感・信頼感が凄いです。僕も野球をやっていたんですけど、2ストライクと追い込まれて、絶対振るだろうという釣り球に手を出さない。あの選球眼も緊張しないからなんですかね?」
辰己「真剣に野球の話をすると、勝負を焦らないこと。自分も追い込まれているけど、相手も追い込まれているので。相手からしたら(仕留める)チャンスですけど、追い込んでいるのに打たれたりしたら、その分ダメージもでかい。『打たれてはいけない』『甘く投げてはいけない』ということは、ピッチャーも追い込まれていると僕は読み取っていて、『相手も追い込まれているなら』と開き直ってます。冷静に、勝負は急がない。そういう心理状況ですね」
小池「(メンタルが)強すぎる…」
辰己「たぶん、『ドーム公演を早くしたい』と焦っていたらつまずく可能性もあると思うので、まずは今後控える武道館に向かってどうやったら出られるのか大人の方々と相談しつつ、もぐり込む方法を冷静に判断していきたいと思います(笑)」
25年は武道館、26年は紅白歌合戦で共演が目標
――GENICは2025年、2月に4thアルバム発売、そして11月には日本武道館での公演があります。辰己選手との3度目の対談にも期待しつつ、お互いに2025年の目標を聞かせてください。
辰己「GENICは武道館が決まっているので、少しでもいいから僕も出たいという気持ちが抑えきれないです」
GENIC一同「(笑)」
辰己「何としてでも出たい!」
小池「野球の『塁に出る』みたいになってます(笑)」
辰己「日本武道館に立つためにも、11月まで怪我のないように頑張りたいです」
西澤「ぜひ出て頂きたいですし、辰己選手の試合をみんなで観に行きたいです」
辰己「でも、毎試合、毎打席、僕はGENICを代表して出ているよ(笑)。だから、みんなも、毎試合出ているということは覚えておいてほしいです」
増子「武道館は、ステージ上からの満員の景色を辰己選手に見せたいですね。2025年は、8人全員でもっと加速して、テッペン(頂点)取りたいです」
雨宮「トップ・オブ・ザ・トップでしょ(笑)」
金谷「メンバー内でも大きな歌番組に出たいとよく話しています。例えば、(日本)レコード大賞、紅白(NHK紅白歌合戦)とか大きな歌番組への出演を目標にしたいですし、辰己選手に私たちが輝いているシーンをたくさん見せられるようにしたいです。もちろん、ぜひ一緒に出て頂いて(笑)」
雨宮「去年の対談で、辰己選手が『GENICが紅白に出て、僕は審査員で』と言って頂き、一緒に出たいという話をしていたので、それは絶対に実現させたいですね」
辰己「2025年の目標は武道館に出ることで(笑)。毎年ステップを踏んでいくのがいい気がするので、GENICの8人目のメンバーとしては思うところもありますけど、紅白での共演は再来年にしましょう。僕もGENICに負けないように頑張ります」
西本「今日、1年ぶりに会わせて頂いた中で、せんえつながら『男を上げられたな』と感じました。顔もしゅっとして、去年お会いした時以上に、同じ男としてかっこいいなと。冗談もたくさんおっしゃいますけど、この1年間、真摯に野球と向き合い、いろんな修羅場をくぐり抜けてきたからこそのたたずまい、オーラだと思います。僕らも辰己選手とは違う場所で1年間一生懸命やってきましたけど、日本武道館、その先もとなると、第一線での活躍というフェーズになってくると思うので、次お会いした時は、辰己選手に『男を上げたね』『さらにすてきな女性になったね』と言ってもらえるようにしたいです」
□GENIC(ジェニック)avexのダンス&ボーカルグループ育成プロジェクト「a-genic PROJECT」から選ばれ、2019年11月1日に結成・20年5月27日にメジャーデビュー。メンバーはリーダーの西本茉生をはじめ、増子敦貴、西澤呈、雨宮翔、金谷鞠杏、小池竜暉、宇井優良梨の7人。コロナ禍でのデビューでありながら一歩ずつCDリリースとツアーを重ね、2024年に開催した6回目の全国ツアー「GENIC LIVE TOUR 2024 -if-」では、約1万5000人の動員を記録。2025年2月5日には4枚目のアルバム『if』のリリース、デビュー5周年を迎える11月5日には日本武道館での公演が決定している。
□辰己涼介(たつみ・りょうすけ)1996年12月27日、兵庫県出身。2018年のドラフト会議で4球団から指名を受け、抽選の末に楽天イーグルスに入団。身体のバネを生かし、スピードあふれるプレーと抜群の守備で観る者を魅了する。プロ6年目の2024年シーズンは、全143試合に出場して自己ベストの打率.294をマーク。最多安打(158本)、ベストナイン、三井ゴールデン・グラブ賞など数々のタイトルを獲得した。日本代表に初選出されたプレミア12では、主に3番を任されるなど打率.310、5打点の成績を残した。