BTS、BLACK PINKのライブ映画を手掛けた韓国監督「BE:FIRSTには同じオーラがある」

7人組ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」の映画第2弾『BE:the ONE -MEANT TO BE-』が15日より全国公開される。本作は24年3月の東京ドーム公演を中心に、公演当日までを追いかけたライブドキュメンタリー。BTSやBLACKPINKらK-POPトップアーティストのライブドキュメンタリーを手掛けたオ・ユンドン監督が映画の舞台裏や、BE:FIRSTの魅力、可能性を語った。

オ・ユンドン監督がBE:FIRSTの魅力を語った【写真:田中聖太郎写真事務所】
オ・ユンドン監督がBE:FIRSTの魅力を語った【写真:田中聖太郎写真事務所】

映画第2弾『BE:the ONE -MEANT TO BE-』が15日より全国公開

 7人組ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」の映画第2弾『BE:the ONE -MEANT TO BE-』が15日より全国公開される。本作は24年3月の東京ドーム公演を中心に、公演当日までを追いかけたライブドキュメンタリー。BTSやBLACKPINKらK-POPトップアーティストのライブドキュメンタリーを手掛けたオ・ユンドン監督が映画の舞台裏や、BE:FIRSTの魅力、可能性を語った。(取材・文=平辻哲也)

「常にトップを狙う」との意味を込められた「BE:FIRST」。2021年にオーディション番組で選抜された7人はその名の通りの躍進を遂げてきた。22年にNHK紅白歌合戦に初出場、23年11月からは代々木第一体育館をスタートに、9都市22公演の全国アリーナツアーを成功させた。その模様をつづった前作の映画『BE:the ONE』は23年の邦楽映画の動員・興行収入第1位を獲得し、韓国、アメリカ、香港、マレーシア、シンガポール、台湾、タイでも公開されている。

 本作はアリーナツアーの追加公演である「BE:FIRST LIVE in DOME 2024 “Mainstream – Masterplan”」の東京ドーム公演初日の模様を中心に、デビューしてから850日という軌跡をインタビュー、舞台ウラでつづった。圧倒的なステージパフォーマンスと、これまでの歩み、7人のインタビューがミックスされ、初めてBE:FIRSTのライブを見る人にも感動的な内容となっている。

 監督は、映画業界で初めて4D技術を導入した韓国企業「CJ 4DPLEX」に所属するオ・ユンドン氏。これまで『BLACKPINK WORLD TOUR [BORN PINK] IN CINEMAS』『BTS: Yet To Come in Cinemas』など30本のライブドキュメンタリーを手掛け、前作『BE:the ONE』に続く登板となった。

 映画は通常のスクリーンだけではなく、270度の視野を3画面ワイドスクリーンで実現する「ScreenX」を始め、座席が画面に連動して動くアトラクションスタイルの4DX、ULTRA 4DXでも上映される。

「ScreenXでご覧いただくと、東京ドームに来ているような没入感を感じていただけると思いますので、ぜひ体感してほしいです。ライブステージには今までアーティストのその成長のストーリーが詰まっていますが、それをどうつなげていくのかはいつも悩んでいます。今回は“850”という数字を軸に、BE:FIRSTのドームまでの道のりを細かく見せようとしました」

 オ監督がメンバー7人に出会ったのは2022年冬だという。

「プロデューサーのSKY-HIさんに、こういう映画をやりたいとプレゼンした時だったと思います。それから、カメラ越しに彼らの成長を見つめてきました。代々木第一体育館でのライブの時は、口では『緊張していません』と言っていましたが、実際ステージに立った時は緊張しているのが分かりました。それが東京ドームでのライブでは、本当に緊張していなかった。覚悟が生まれたというか、成長してプロフェッショナルになったんだ、と感じました。これまで世界で活躍しているK-POPアーティストを見てきましたが、同じようなオーラがあって、ワールドスターになる準備ができていると思いました」

 オ監督が強く印象に残っているのは、ライブ前の出来事だという。

「舞台に上がる直前、SKY-HIさんとメンバーの皆さんで円陣を組んで励まし合う場面はいつも感動的だと思っています。SKY-HIさんはいつも『ここに集まっているのは、僕たちが好きな人たちで、そして、僕らを手伝ってくれるスタッフさんがいる。だから、僕らはステージの上で全力を出して、楽しむしかない』と励ますわけです。この言葉にこそ、成長の源があると感じますし、僕自身もワクワクするんです。これは代々木第一体育館の時から、ずっと感じていました」

 オ監督にとっても、東京ドームでのライブを撮影するのは初めての体験だったという。2日間のステージで計100台のカメラを設置して撮影した。

「東京ドームは日本を代表するライブ会場なので、緊張もありました。ですが、撮影スタッフだけではなく、舞台を作り上げるスタッフさんにはプロフェッショナルを感じましたし、観客のみなさんのマナーが素晴らしかったことが記憶に残っています」

 躍動感あふれるステージが描かれる一方、ファン(BESTY)の表情が挿入されているのも印象的だ。その意図はなにか。

「いつも言っていることですが、僕自身、BESTYです。BESTYのみなさんがいるから、BE:FIRSTがあると考えています。特に今回の映画のテーマは代々木第一体育館から東京ドームまでの成長がテーマ。その原動力にはBESTYがあると思っていました。メンバーの表情を捉えることも大事ですが、彼らを見つめるBESTYをしっかり描きたかったんです。そういった思いがあるので、今回は少しやりすぎでは、と思われるくらい観客の顔を入れました」

 そんなBESTYであるオ監督が見るBE:FIRSTの魅力はなにか。

「これまでたくさんのアーティストグループを見てきましたが、どのグループもコンセプトがあるので、そこからあまり外れることはないんです。ですが、BE:FIRST は他の日本のアーティストと比べても、自由というか、振幅があります。そこは大きな魅力だと思っています。また、代々木から東京ドームまで数年かけて追い続けているため、個人的にも思い入れ、愛情を持っています。彼らの人間的な部分にもすごく感動しています」

 映画の題名「MEANT TO BE」は「なるべくしてなった」という意味。これはSKY-HIが名付けた。

「ピッタリだと思っています。最初にSKY-HIさん出会った時、『1年後に東京ドームでライブをします。それから、世界に進出します』というMasterplan(全体計画)を伺いました。それが単なる希望ではなく、それが言霊となって、原動力になって、今があるわけです。すべてはSKY-HIさんのプラン通りに進んでいると思います。僕としては、その先にある世界進出も記録したいと思っています」。オ監督は、BE:FIRSTとともに歩む世界を見据えている。

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