【マリーゴールド】歌いながら入場したデビュー戦 女優から転身、山田奈保がプロレスにのめりこむまで
大学在学中に映画デビューを果たし、その後も映像作品だけでなく舞台でも活動してきた山田奈保。彼女がプロレスと出会ったのは2022年。あくまで芝居の中で出会ったプロレスだったが、当時周囲にいた仲間の影響もあり、徐々に自分もプロレスラーを志すようになる。そして10月24日、本人曰く「夢の後楽園ホール」でデビューを果たした。
「こんなにできないのか」からのスタートだった練習生期間
大学在学中に映画デビューを果たし、その後も映像作品だけでなく舞台でも活動してきた山田奈保。彼女がプロレスと出会ったのは2022年。あくまで芝居の中で出会ったプロレスだったが、当時周囲にいた仲間の影響もあり、徐々に自分もプロレスラーを志すようになる。そして10月24日、本人曰く「夢の後楽園ホール」でデビューを果たした。(取材・文=橋場了吾))
先日10月24日、山田奈保は後楽園ホールでプロレスラーデビューを果たした。アクトレスガールズでリング経験があったとはいえ、デビュー戦とは思えない動きの良さを見せた。
「アクトレスの経験があるのに『何やってるんだよ』と思われるのは嫌だったので、そういっていただけるのはありがたいです。アクトレスからマリーゴールドに入られた先輩の中には、プロレスに復帰した方、デビューした方さまざまいらっしゃいますが、先輩方が旗揚げから培ってきたものがあるので、その中に自分が新人として参戦することでどうみられるのか結構プレッシャーが大きかったんです。最初、練習生として練習に参加させていただいたときには、筋トレが全然できなくて。『こんなにできないのか!』というところからのスタートだったので、無事終えられてよかったです」
目を見張ったのはしっかりした下半身だ。体幹が強そうに見えるビジュアルは、プロレスラー向きといえよう。
「高橋奈七永さんが練習中に仰っていた言葉なんですが『無理はしていいけど無茶はするな』と。本当にその通りだなって思いました。皆さん、どこかしら体が痛いと思うんですが、自分なりにできるところをトレーニングして体を作り上げていると思いますし。私も筋肉痛があったからといって、甘えてはいけないと。もちろん、メンテナンスはしながら体調を崩したりけがをしたりしないように毎回練習に参加させていただいて、ちょっとずつですが筋トレの回数も増えてきました。実は下半身が大きいのはもともとです(笑)」
デビュー戦の見どころは試合だけではなかった。入場の際、マイクを持ち自ら歌唱しながら入場してきたのだ。
「今回、オリジナルの曲を作っていただけるとのことだったのでやってみたのですが、しかも赤コーナーからの入場で、すごい緊張でした(笑)。すでに大先輩の(松井)珠紗さんがリング上にいて……。『夢の後楽園ホール』で大好きな先輩を相手にデビューできて、本当に嬉しかったですね」
私が好きになったプロレスは“与えていただいたもの”
山田は22年3月にアクトレスガールズでリングデビューし、すぐに「てっぺん☆」というユニットを結成した。その中にはデビュー戦の相手となった松井もいた。しかし、24年に急展開がありユニットの継続が難しくなってしまった。
「プロレスはリアリティーが凄いなと感じています。攻撃の強さを素直に体で受け止めるのがプロレスなんだなと実感しましたね。珠紗さんは以前プロレスをしていて、プロレスが大好きなので、ユニットを組んでその刺激を受けてプロレスにのめりこんでいきました。アクトレスでも近いことはできるかもしれないけれど、違うところで突き詰めていけることができたらなと思っていたんですよね。ある人が見ていた世界を見てみたいなって。私はこれまで何でもオールラウンダータイプだったので、自分が没頭できることがあまりなくて。もちろん、17年間続けている芝居や歌はあるんですが、プロレスは珠紗さん方に私が好きになるものを“与えていただいた”と感じています」
※13日掲載の後編へ続く