ロバート山本、トリオ再集結へ思い「また集まれたら」 ピン活動も「3人が圧倒的に面白い」

お笑いトリオ・ロバートの山本博(46)が芸人とはまた違った顔をのぞかせている。ショートドラマ配信アプリ「BUMP」で配信中の『インスタントループ』に「最後の晩餐管理局の男」という不可思議な役で出演している。ここ数年で活動の幅を広げているが、全てはお笑いのためにもなるはずという思いで臨んでいる。ロバートは山本にとって何にも代えられない存在となっているようだ。

役者として活躍の場を広げるロバートの山本博【写真:ENCOUNT編集部】
役者として活躍の場を広げるロバートの山本博【写真:ENCOUNT編集部】

芝居をやっていて実感するコントとの違い「もう次にいっちゃうのか」

 お笑いトリオ・ロバートの山本博(46)が芸人とはまた違った顔をのぞかせている。ショートドラマ配信アプリ「BUMP」で配信中の『インスタントループ』に「最後の晩餐管理局の男」という不可思議な役で出演している。ここ数年で活動の幅を広げているが、全てはお笑いのためにもなるはずという思いで臨んでいる。ロバートは山本にとって何にも代えられない存在となっているようだ。(取材・文=中村彰洋)

――今作での役は、今までにない新しい役となっていますが、どういった経緯で出演が決まったのでしょうか。

「オファーをいただいて、『ぜひともやらせてください』と即決でした。今まで、“ザ・山本”といった役をやらせていただくことが多かった中、今回はファンタジーで物語の肝になるキャラだったので、ありがたかったです。

 今回、僕が演じるのはバンドウという役なのですが、監督さんが『山本さんがいいな』と思ってくださったみたいなんです。これまでに近しい役をやっていたわけでもないのに、僕を選んでくれた監督さんはすごいと思います(笑)」

――撮影はいかがでしたか。

「台本を読んだ感じだと、死神的な役なのかなと思っていたのですが、衣装合わせをしたら、自分が思ってたイメージと違って『あ、こっち系のキャラね』となりました(笑)。僕はずっと同じスタジオだけでの撮影だったのですが、それでも愛着は湧きました」

――今年は役者活動も増えていますね。

「こんな立て続けに出演することは今までなかったですね。今までは、オファーをいただいても、他の仕事との兼ね合いでスケジュールが確保できないこともありました。今は不定期のお仕事が増えてきて、調整をしやすくなったので、それがハマってきたのかもしれないです。今だからこそ、お芝居や舞台などにも挑戦できていると思っています」

――役者仕事を通じて何か感じることはありますか。

「これまでたくさんのコントをやってきましたが、通ずるものがあったりしますね。ドラマにもコメディー要素が入ることはありますが、『役者さんだったらその顔しないです』と言われるんです。僕は役者さんと、また違う状況のお芝居をやってきたのかなと。秋山(竜次)・馬場(裕之)のやる変なヤツに遭遇するみたいなシチュエーションは散々経験しているので、その部分は対応力が磨かれていたのかもしれないです(笑)」

――演技に楽しさを見出しているということですね。

「新しい発見をしている感じが楽しいです。『こういうやり方がふさわしいんだな』『ここ漫才みたいなテンポがいいんだな』など、自分の経験の中で気付くことが増えましたね。演技をしている中で、『コントだったらこうではないな』と思う部分もいっぱいあるんです。

 僕らは3人でずっとやってきたので、セリフ量を増やそうが減らそうがその直前で決めたりするんです。舞台袖から出る直前に『あそこ足すわ』とか(笑)。でも、舞台などの作品だと1か月前から集まったチームで進めていくので、余計なことをしてしまうと迷惑を掛けてしまいます。僕らは固めてないフリーな部分が多かったですから。秋山が何をどこで言ってきて、いつやめるのかすらも分からない。そういうのを雰囲気で感じて、対応しなければならない状況を散々やってきました。

 コントだとその場の感覚で、ウケたりノッたりしてくるからここを引っ張ろうとか、ここはサクッといこうとかは、お互いの感覚になりますが、芝居はしっかりと稽古を積み重ねているので、そういうことができません。あともう一言でウケそうな場面でも、話は進んでしまい『もう次にいっちゃうのか』と思ったりもします(笑)」

――めちゃくちゃロバートの世界観ですね(笑)。

「まさにロバートですよね。秋山がたまたま言ったアドリブがハマったら、それを永遠に繰り返して引っ張ったり、僕が楽しくなったところを広げてしまったり。毎回コントのヤマが違うんです。お客さんの反応を見ながら演じているところは、コントならではなのかもしれないですね」

自身のことを「芸人としては全然ダメ」と語った理由とは【写真:ENCOUNT編集部】
自身のことを「芸人としては全然ダメ」と語った理由とは【写真:ENCOUNT編集部】

「コントは全部が“山本博”だった」…芝居に挑戦して気付いた「新鮮さ」

――役者はコントとは違った面白さもあるということですね。

「そうなんです。今までにないテンポ感の芝居ですよね。コントは全部が“山本博”だったんです。学校の先生の山本、転校生の山本、サラリーマンの山本……全てが山本として演じればよかったのですが、お芝居だとそういうわけにはいきません。役名もあり、性格から新たに作っていくという意味でも、新鮮ですごく面白いです。コントの時は、何をやっても山本、僕はただいろんな職業にいる山本さんなので(笑)」

――ここ数年はロバートとしての活動がありませんが、どのように考えていますか。

「まあ、そこは僕も正直分からないところもあります。メンバーが何かに『本気で挑戦してみたい』となっても、『ロバートがあるから諦めろ』と否定するのはどうなのかなと感じます。僕にとってはもうロバートは家族のようなものです。ずーっと一緒に活動をやってきた中で、ロバートの活動にしばられて、挑戦したいという気持ちをつぶすべきなのか、誰かの気持ちがブレた状態では、どのみちうまくいかないのではないかと。ロバートとして長く続けるためには、今みたいな期間が生まれることもあるのだなと感じています。やっぱり3人それぞれの人生でもあるので、3人が同じ方向に力を入れたい時に、また集まれたらいいですね」

――その時のために「ロバート」という看板を掲げ続けているんですね。

「ロバートってあると、単純に応援したくなりますよ(笑)。みんな頑張ってすごいなと。3人でまたやる時にも、すぐやれるような方がいいですし、僕もこういった芝居や舞台なども、コントに生きるようになると思っています。いざ3人でやるとなった時に、怖くて舞台に立てないとなったら意味がないですからね。そうならないように演技やコメディーにも挑戦させてもらっています。そういう意味でも、僕にとって今は貴重な時間です」

――3人で連絡を取られたりもするのでしょうか。

「普通にLINEとかはしますよ。この間は秋山に連絡しました。舞台の共演者の方が秋山の動画を褒めていたので、『あれ面白いって言ってたよ』みたいな連絡を取りましたね」

――全ては芸のためという思いが伝わってきます。今は芸人仕事をやる機会が減られている印象ですが、どのように捉えていらっしゃいますか。

「もともと1人でやりたいとは思ってないんですよ。僕がロバートでやること以上に面白いことなんて考えられると思ってませんから(笑)。もちろん自分でピンネタを作ったり、漫談をやったりもしましたが『これをやりたいわけじゃないんだよな』と思っちゃうんです。やっぱりロバート3人でやってるモノが圧倒的に面白いですね。

 何がなんでもバラエティーに出なきゃとも思わないですね(笑)。そのコーナーに自分がいる意味を感じれば、もちろん出たいです。歴史が好きなので、歴史系のロケとかもたくさん行かせてもらってるのですが、そういう番組はめちゃくちゃ楽しいです。ただ、ディスりあったりする形の番組とかだと、こんな無理してまで『自分がいる意味あるのかな』って思っちゃうんです。芸人としては全然ダメですね」

――活躍の場を広げている根底には、今後のために今があるといった思いがあるんですね。

「今は自分に足りなかったり、経験してこなかったこと、やりたいことをやらせてもらっている時期ですね。しばらくルミネ(ルミネtheよしもと)の舞台にも立ってないですからね。でも、何十回、何百回と立ってきたので、その景色は鮮明に覚えています。逆にこれまでは、それしか知らなかったので、今は全部が新鮮です」

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