「危ない!やめろ!」人ごみの歌舞伎町一番街をバイク爆走…怒号飛び交ったハロウィーンの一夜
ハロウィーン当日の10月31日、東京・新宿歌舞伎町ではこの日限定で夜間の路上飲酒を禁止。区の職員や警察官が多数出動し、新宿東宝ビル周辺に集まる若者、通称「トー横キッズ」や外国人観光客を相手に注意を呼び掛けた。昨年は規制を強めた渋谷から人が流れ、ゴミの放置などが問題化した歌舞伎町。今年も大勢の人が押し寄せ、あわや一触即発という場面も見られた。
東宝ビル前の広場はバリケードで封鎖
ハロウィーン当日の10月31日、東京・新宿歌舞伎町ではこの日限定で夜間の路上飲酒を禁止。区の職員や警察官が多数出動し、新宿東宝ビル周辺に集まる若者、通称「トー横キッズ」や外国人観光客を相手に注意を呼び掛けた。昨年は規制を強めた渋谷から人が流れ、ゴミの放置などが問題化した歌舞伎町。今年も大勢の人が押し寄せ、あわや一触即発という場面も見られた。
ハロウィーンが間近に迫った今月7日、渋谷の長谷部健区長と新宿の吉住健一区長が合同で記者会見を実施。新宿区では渋谷から人が流れた昨年の反省を踏まえ、ハロウィーン当日の31日午後5時から翌日午前5時まで、歌舞伎町の一部エリアでの路上飲酒禁止と近隣店舗の酒類販売自粛を要請していた。
東宝ビル前のシネシティ広場はこの日、バリケードを設け広場内への立ち入りを全面封鎖。周辺のコンビニでは酒類コーナーがブルーシートで覆われ、販売自粛を伝える貼り紙の文字が並んだ。
封鎖されたシネシティ広場前では、昼前から若者や一部の年配男性が車を横付けしてたむろした。爆音で音楽を鳴らし、路上に座り込んで飲酒や喫煙をする姿が見られたが、午後5時の規制開始とともに区の職員や警察官、テレビカメラを構えた報道陣が一斉介入。「自由の侵害とちゃうんか!」といった怒号が響き渡り、現場は一時騒然となったものの、程なくして警察に促されるまま車を撤去し解散となった。
その後も居座る一部の男性や若者に、一見して接点の不明な高齢の男女が食事や飲料水を差し入れする場面も。話を聞くと、キリスト教の教えにもとづく慈善活動の一環で、毎週木曜日に行き場のない若者たちに食べ物の配布を行っているといい「今日がハロウィーンだからというわけではなく、困っている方のために、もう1年以上活動している。みんな顔なじみですよ。いつもはもっといるんですが、今日はいつもより人が少ないようです」。解散した若者の一部はその後、やぐらに立ちアナウンスを行う警察官と談笑。「今日は気合い入ってんね」「いつもの人はどこにいんの?」と楽しげに話し合う姿も見られた。
夜は深まり、午後8時。次第に人だかりが増え、街はカオス一色に。ゾンビに扮(ふん)した一団が路上でダンスパフォーマンスを行うと、大勢の人がカメラを向け路上をふさいだ。東宝ビル周辺では、ガールズバーやコンセプトカフェの客引きの女性が50人以上並び、通行人と価格交渉。「これは普段の歌舞伎町の光景ですよ」と話すも、程なくして警察官に解散を命じられた。
歌舞伎町一番街では、人でごった返した路上をバイクが爆走。「危ない! やめろ!」と警察官が怒鳴りながら駆けつけ、「車道じゃないんですか?」ととぼけるライダーに「こんだけ人がいて……見りゃ分かんだろ!」と声を張り上げる場面もあった。