まるで新聞の号外…「国民民主党」のビラに殺到した若者たち 人が集まりすぎて「パニック状態」旋風起こす

結党4年の国民民主党が27日投開票の衆院選で大躍進した。公示前の7議席から4倍となる28議席が確定。所得税減税や現役世代の社会保険料の軽減を訴え、若者中心に幅広い支持を集めた。

東京駅丸の内口で演説した玉木雄一郎代表【写真:ENCOUNT編集部】
東京駅丸の内口で演説した玉木雄一郎代表【写真:ENCOUNT編集部】

東京駅前に響いた玉木氏の絶叫 「自民党、もっとしっかりしろ!」

 結党4年の国民民主党が27日投開票の衆院選で大躍進した。公示前の7議席から4倍となる28議席が確定。所得税減税や現役世代の社会保険料の軽減を訴え、若者中心に幅広い支持を集めた。

 玉木雄一郎代表は「政治とカネの問題についても厳しくやってきましたけど、同時に手取りを増やす経済政策を愚直に12日間訴えてきて、一定の手応え、あるいは届いたという感触を得ています。今困っている国民がたくさんいることにきちんと応える政策実現を国民民主党が先頭になってやっていきたい」と成果を強調。他党との連携の可能性については、「政策で一致するということであれば、与野党問わず、協力するところは協力していきたい」と話した。

 他党との最大の違いは、街頭演説に集まる聴衆の年齢層だった。20~30代が多く、現役世代である若者の支持を集めていることが顕著に。26日には、玉木氏がXに「現在、国民民主党のホームページへのアクセスが急増しており、つながりにくくなっています」とつづる旋風を巻き起こした。

 象徴的なシーンが、26日に玉木氏が東京駅丸の内口で行った最後の街頭演説だ。開始1時間前から黒山の人だかりができ、「19時スタートの街頭演説でこんなに人が集まっちゃって我々もちょっとパニック状態」と陣営スタッフは対応に追われた。

 ビラを配り始めると、新聞の号外を受け取るかのように次から次へと有権者の手が伸びた。玉木氏どころかまだ司会者すら不在の中で、異様な熱気に包まれた。玉木氏の到着前には前安芸高田市長・石丸伸二氏が選挙カーにサプライズ登場。「引き続き完全無所属」と前置きし、「今日はこれから大事な飲み会に行こうとしていたところ」と真意はケムに巻いたが、盛り上げにひと役買った。

 そして横浜から電車で移動してきた玉木氏が姿を見せると、「玉木コール」が起こる。裏金問題を含む自民党候補の迷走ぶりに、「自分の首がどうつながるか、そんなことで頭いっぱいになって、国民のことなんかできるわけないじゃないですか。自民党、もっとしっかりしろ!」と絶叫した。子どもを肩車しながら真剣に演説を聞く親、遠方から上京した女性、自転車を止めた宅配業者の姿もあった。

 選挙戦では「手取りを増やす。」をスローガンに、扶養控除の上限「103万円の壁」の撤廃を掲げるなど、経済政策を中心に訴えた。一方的な与党批判ではなく、対案も提案する姿勢が若者に評価され、野党不満の受け皿になった。「実は、北関東及び東海でもう1議席ずつ獲得しましたが、候補者が足りず他党に計2議席譲ることになりました。でも、大きな勝利。皆さん本当にありがとうございました! 約束した政策実現に全力を傾けます」と玉木氏はXで勝利宣言。

 今後は他党との連携においても今まで以上に存在感を発揮することは確実。課題は高齢者層からの支持で、「ご年配の方からご存知ないとか、玉木さんは高齢者いじめるんじゃないの? という声もよくちょうだいする。『皆さんを支える現役世代をよりよくしていかないと、結局どの世代も弱くなっちゃうよね』ということは分かりやすく説明していきたい」と関係者は話している。

次のページへ (2/2) 【写真】石丸伸二氏も登場 国民民主党の街頭演説、実際の写真
1 2
あなたの“気になる”を教えてください