湘南乃風が17日、Zepp DiverCity（TOKYO）で氣志團と対バンツアー『お見合いツアー 2024』を開催した。同ツアーではこれまで、ヤバイTシャツ屋さん、山嵐、FOMAREとの対バンを行ってきたが、最終日となったこの日は、氣志團がトリを務め、満員の観客を前に、木更津と湘南の熱いステージが繰り広げられた。

　午後6時に開場すると湘南乃風には欠かせない木更津出身のセレクター・The BK Sound（ビーケー・サウンド）が、ご機嫌のDJプレイでオーディエンスを出迎えた。重低音のビードが鳴り響く中、「木更津と湘南とお台場のヴァイヴスのぶつかり合いだぜ！　『最終日ヤバくなる』ってやつは両手を挙げて！」とオーディエンスをあおった。

　開演時刻になりRED RICE、SHOCK EYE、HAN-KUN、若旦那の4人が登場し地鳴りのようなオーディエンスの歓声で迎えられ、そして若旦那が「危ないやつを呼ぶぞ！　いくぞー！　氣・志・團！」と呼び込み対バンツアー、まずは氣志團のライブからスタート。」

　オープニングSEのバイクの轟音が鳴り響き、アキラ（叶 亜樹良）がオーディエンスをあおりながら激しいドラムソロを披露するとバンドメンバーが登場し、真っ白な衣装に赤いはちまきを巻いた綾小路 翔が中央に立った。1曲目は『俺達には土曜日しかない』からスタート。ステージ上では、おなじみの振り付けによるパフォーマンスが繰り広げられ、それに合わせてフロアは鮮やかなペンライトで照らされた。

　綾小路は、ヒートアップしたオーディエンスのエネルギーを体いっぱいに浴びるようにステージを左右に動きながら2曲目の『房総魂』を熱唱。

「10月17日今夜最高の夜にしようぜ！　一緒に踊るぜ！　ついてきて！」と呼びかけると、フロアは氣志團のファンも湘南乃風のファンも関係なくひとつになって『萌え萌えROCK’N’ROLL』の振り付けを楽しんだ。続けて「湘南乃風に捧げます」と言って『Boys Bravo!』へ。途中のレゲエ風のリズムにフロアも揺れる。「もっともっとみんなの声を聞ける？」とあおると、コールアンドレスポンスの大合唱が始まった。

　そしてこの日限りのスペシャルナンバーを披露。『睡蓮花』風のイントロが流れると、綾小路が「お台場に集まったお前たち、俺たちと行けるか？」と湘南乃風に似たMCを披露。すると「ワンナイトカーニバル胸の奥♪」と歌詞は『One Night Carnival』でサウンドは睡蓮花という、ユニークなアレンジを演奏。オーディエンスは、タオルを回してすぐに反応すると、そこにターバンを巻いたマツ（白鳥松竹梅）がHAN-KUNそっくりに歌い出し、本物かと全員が一瞬勘違いした。続けてマツは、サングラスをかけて若旦那に変身。綾小路も「グレたまんまでツッパってー！」とマイクであおり、フロアは大爆笑。

　衝撃の演奏を終えた綾小路が「We are 氣志團です！　初めましてー！」とあいさつ。2000年代初めに“メイジャーデビュー”したほぼ同期のような2組だが意外にも対バンは初めてだと語った。そして20年近く前の懐かしい話を披露した。

「2007年に俺たちと湘南乃風で東京ガールズコレクション（TGC 2007＠さいたまスーパーアリーナ）に出たんだよ。フェミニンな男の子たちが出ている中で、サングラスとひげとリーゼントしかいないっていう。どんなガールズコレクションだよ？」と思い出を振り返り、フロアはふたたび爆笑に包まれた。

「でもあれからずいぶん時が経ったけどみんなメンバー変わらず元気で一緒にやれていることが本当にうれしいです」としみじみ。

　話は続く。「ところで今日はアレでしょ？　鬼平だよね。鬼の平日。なのにみんなこんなに集まってさ。え？　もしかしてみんなビーナスフォートで働いてるの？　もうないの？　俺、あの頃のまんまで20年前から何にも変わってないからさ。もう何しゃべってるか分かんなくなってきちゃったよ（笑）」。綾小路の止まらないボケにフロアの笑いも止まらない。

　そして、11月9日、10日に開催される『氣志團万博2024 ～シン・キシダンバンパク～』の話題に移り、チケット情報のリンク先に飛ぶQRコードが貼られた大きな看板をメンバーが持ってきて撮影タイムがスタート。すると若旦那もステージに上がり、綾小路は「旦那は撮るなよ。でもQRコードを撮っていて写り込んだら致し方なし！」と最後までオーディエンスを喜ばせた。

「みんなに氣志團万博に来て欲しいから俺たちの街の歌を歌います」と言って『落陽』を歌い、最後の『One Night Carnival』へ。ここで湘南乃風の4人もステージに上がり、少し照れた顔を見せながら振り付けを楽しんだ。また曲の途中で4人のMCも加わり、オーディエンスはこの日2回目のスペシャルバージョンを楽しめた。最後は、全員でポーズを決めて氣志團のライブは終了した。

　そのまま全員がステージに残り、2組によるトークタイムがスタート。途中で披露した湘南乃風アレンジの『One Night Carnival』について、若旦那が「もう楽屋で大騒ぎでした。感動した」と絶賛。HAN-KUNは、「楽屋で見てたら『あれ？　俺が出てる』って（笑）」。これには全員が爆笑した。

　綾小路は「マジで湘南乃風と一緒にやるのホント怖くて…」と真剣な表情で4人に打ち明けた。

「それこそ東京ガールズコレクションの時に、（その時は）DJ OZMAだったんだけど、『ライブをやらせたら俺たちが一番』だと思ってたの。でも湘南乃風を見てビビっちゃって。曲はすごいし、パワーもすごいし、旦那のMCも心を打ちぬかれた。それで『俺は調子こいてたな』って終わってから真剣に反省会とかやっちゃったの。DJ OZMAってチャラチャラしたキャラだから、本当は反省とかそういうのをしちゃいけないんだけどね。でも、あれからDJ OZMAは何となく終わっていったの。DJ OZMAを殺したのは湘南乃風だから」と衝撃の告白にファンも驚いた様子だった。

「だから今日は1対1でぶつかるんだと思ってビビったんだけど、お見合いでした」とオチをつけたところで、湘南乃風の4人も加わって全員でハンドサインの「きゅんです」ポーズをきめてトークタイムが終了。氣志團と湘南乃風の全員がそろった撮影タイムも設けられるなど、ファンにはうれしいプレゼントとなった。

　そのまま氣志團を見送り、いよいよ湘南乃風のステージがスタート。

　HAN-KUNが「ツアーの終わりでもあるけど、新しい伝説の始まりでもある。BK行こうか！」という掛け声で1曲目の『Riders High』へ。最高潮に温まったフロアにタオルが舞う。続けて『JUMP AROUND』、『OH YEAH』とアップテンポで畳みかける。全員で拳を突き上げてジャンプ。SHOCK EYEと一緒に大きく手を振り、HAN-KUNの歌に合わせて大きな手拍子を鳴らす。そしてRED RICEと若旦那が、ステージ中央で肩を並べ、力いっぱいの歌と言葉をオーディエンス一人ひとりの心に届けた。

「湘南魂と房総魂のぶつかり合いを最後まで見届けられますかー」と若旦那があおると、オーディエンスの歓声が地鳴りのように響き『黄金魂』へ。『Born to be WILD』ではサビの歌詞「デンジャラス！」を全員で叫んだ。『応援歌』は湘南乃風のファンが歌う中、HAN-KUNが「歌詞が分からなければ鼻歌でもいいんだよ」と優しく氣志團のファンに声を掛けた。

　若旦那が「こんな仲間たちに出会わせてくれてありがとう」と感謝を伝え『親友よ』を歌い、「一緒に歌いたんだけど、行けるか」と問いかけると、全員で大合唱となった『純恋歌』。さらに『バブル』では「暴れろー」の合図であっという間にヒートアップ。そのままラストの『睡蓮花』へ。曲の後半に差し掛かると黒のTシャツを着た氣志團のメンバーがふたたびステージに戻り、全員で大合唱。約2時間半のお見合いツアーが幕を閉じた。

　HAN-KUNが「みんなから愛をもらってるよ。来てくれたみんなありがとう！」と感謝を伝えると、綾小路も「お見合い大成功だね。最高の夜をありがとう！　また一緒に遊んでね！」と手を振った。

　ステージでもフロアでも木更津と湘南がひとつになった瞬間だった。夢の一夜の余韻を楽しむようにお互いのファンがエールを交換しながら会場を出ていく姿が印象的だった。

湘南乃風「お見合いツアー2024」ｗ／ 氣志團
2024年10月17日　Zepp DiverCity(TOKYO)

氣志團セットリスト
～Drum Solo
1. 俺達には土曜日しかない
2. 房総魂
3. 萌え萌えROCK’N’ROLL
4. BOYS BRAVO!
5. 睡蓮カーニバル（One Night Carnival × 睡蓮花 Mash up）
6. 落陽
7. One Night Carnival

湘南乃風セットリスト
1. Riders High
2. JUMP AROUND
3. OH YEAH
4. 黄金魂
5. Born to be WILD
6. 応援歌
7. 親友よ
8. 純恋歌
9. バブル
10. 睡蓮花