「お詫びというより、言い訳」裏金議員の第一声に厳しい声 「裏金ではまったくない」の主張も
衆院選が15日、公示。「政治とカネ」が争点の1つとなるなか、裏金問題の影響で自民党から公認を得られず無所属で出馬した下村博文氏(東京11区)は、東京・板橋の区役所近くで第一声を発した。
裏金問題の影響で自民党から公認を得られず無所属で出馬
衆院選が15日、公示。「政治とカネ」が争点の1つとなるなか、裏金問題の影響で自民党から公認を得られず無所属で出馬した下村博文氏(東京11区)は、東京・板橋の区役所近くで第一声を発した。
下村氏は冒頭、自民党から1年間の党員資格停止処分を受け、無所属での出馬となった経緯に触れ「本当に厳しい選挙。あらためて応援していただく皆様に感謝申し上げます」とあいさつ。「2つのことでお詫び、説明責任、そして信頼回復のためのお話をしたい」として、政治とカネ、旧統一教会を巡る一連の問題について言及した。
政治とカネの問題については「5年間で476万円という金額は、知らなかったで済まされることではありません。ただ、不記載は問題ですが、裏金ではまったくない。しかし道義的な責任はある。政党を通じて全額寄付をさせていただいた」と潔白を主張。旧統一協会を巡る問題についても「私自身は会合など一度も出たことはありませんが、名称変更の際にたまたま文科省の大臣をしていたことで、野党からまったく根拠のない追及を受けている。名称変更に政治的な圧力などはまったくない」と釈明した。
今回、無所属となりながらも出馬した理由について、「すべての野党が批判ばかり。批判だけで日本がよくなるんでしょうか。政権交代をしたあとに、自公政権よりいい政策を掲げているんでしょうか」と野党の姿勢を疑問視。「私がこれまでの政治家人生で、情けない、申し訳ないと思っているのが今の日本。社会の仕組みが時代に対応できていない。私には物価高対策と所得を上げるという2つの使命がある。それができるのは下村博文しかいない。批判だけでは何も生まれない。日本の立て直しのために、命を懸けて貢献したい」と訴えた。
沿道付近には50人ほどの人が集まり、静かに演説を見守った。多くは60代以上の高齢者。その中の1人の70代男性は「板橋にも、国政にも下村さんの力が必要。どこ(のメディア)でもいいから、大いに報じて取り上げてほしい」と話した。一方、仕事の合間を縫って見に来たという30代の男性は「裏金問題の説明が聞けると思ってきたが、肝心な話は何もなかった。お詫びというより、言い訳のように聞こえました」と話した。
東京11区では他に、共産党の伊波政昇氏、立憲民主党の阿久津幸彦氏、日本維新の会の大豆生田実氏らも立候補している。投開票日は27日。