小川直也、難関資格に4度目で合格 秘訣を伝授「独学だと無駄なことを覚えすぎる」

“暴走王”小川直也が予想外なジャンルで評価され始めた。最近は自身のYouTubeチャンネル「暴走王チャンネル」で、柔道界への提言はもちろん、ドーピング、米不足と思いがけない側面を見せながら話題を振り撒いているが、まさかの宅地建物取引士動画も配信済み。バルセロナ五輪柔道銀メダリストであり“暴走王”と呼ばれる小川が宅建とは、なかなか意外すぎる組合せだが、小川は昨年、宅建試験に合格している。今回はこれを取り上げる。

受験生にエールを送る“暴走宅建士”小川直也
受験生にエールを送る“暴走宅建士”小川直也

「超特急合格講座」を参考に

“暴走王”小川直也が予想外なジャンルで評価され始めた。最近は自身のYouTubeチャンネル「暴走王チャンネル」で、柔道界への提言はもちろん、ドーピング、米不足と思いがけない側面を見せながら話題を振り撒いているが、まさかの宅地建物取引士動画も配信済み。バルセロナ五輪柔道銀メダリストであり“暴走王”と呼ばれる小川が宅建とは、なかなか意外すぎる組合せだが、小川は昨年、宅建試験に合格している。今回はこれを取り上げる。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 小川が宅建に関する動画を公開したのは2日のこと。タイトルは「【緊急番外編】宅建試験間近! 暴走宅建士が合格への秘訣を伝授/「追い込み時期の今、優先的にやることは…」とあり、今月20日に実施される宅建試験の取り組み方を披露したものになる。

 というのも、小川は一年前に宅建試験に合格しており、この経験を踏まえながら、宅建試験における“暴走王”流のツボを伝えているのだ。動画によれば、そもそもの動機は、小川の父親が宅建の資格を持つ仕事に就いており、これを引き継ぐために小川も宅建の資格を取ることを決めたためだった。

 参考までに宅建試験の合格率は15~17%で、毎年、何点を取れば合格できる、という基準が変わる。令和4年だと、申込者の平均年齢は37歳だったが、過去には中学生や、逆に70歳以上のご高齢な方が合格した例もあり、受験資格に年齢制限はない。

 ともあれ、小川が「1人の宅建士がいれば4人を雇える」「50問中、(合格ラインは)35~38点くらい」「宅建の受験項目は、民法、法令、税、宅建業法がある」「(試験時間は)2時間あるけど、50問あるから集中力が必要とされる」といった感じで、宅建に関する基礎知識を淡々と語っていくと、新鮮さを超えて奇想天外さすら漂ってくる。

 しかも小川は、記念に残してある過去の試験問題を段ボール箱から引っ張り出しながら、「令和2年は23点、令和3年はなくなっちゃったんだけど、令和4年は31点」と、3年続けて不合格だったことを明かし、昨年の試験で37点を獲得して、見事、“暴走宅建士”となった経緯を説明した。

 また、小川は「独学は厳しいと思う」「独学だと無駄なことを覚えすぎる」と話していたが、実際に小川はネットを使った通信教育で宅建を勉強したとのこと。具体的に小川が選んだのは名門・みやざき塾で、中でも「超特急合格講座」なる問題集が非常に参考になり、「最後の1年でみやざき塾長の方針に従って、お任せした感じでやった」と証言する。

動画のサムネイルには宅建試験の合格証書も公開されている
動画のサムネイルには宅建試験の合格証書も公開されている

すでに3万回の再生回数を記録

 興味深いのは、試験勉強の仕方も「カウントダウン方式」と呼ばれる方法を採用し、50問目から逆に解いていくやり方を取ったという。この方式だと、「覚えて染みついた記憶から先に出ていく」そうだ。さらに受験が目前に迫った「この時期は民法は8割、宅建業法と法令をそれぞれ1割くらい」といった感じで勉強したと明かす。

 なお、小川によれば「試験会場に入ると、俺に話しかけるな」状態になり、たとえ小川が会場にいようと、「見向きもされなかった」とも語っている。

 過去には柔道において全日本選手権を7回優勝、世界選手権を4回獲得した経験を持つ小川だが、宅建試験は、それらの優勝経験と比べると、いったいどんな感覚なのか。

 これに関して小川は、「未知の世界に踏み込むアドベンチャー」的な雰囲気だったようだが、「宅建試験は高額な商品(不動産)を扱うから、うっかりさんは合格させない試験。だから注意深く読み解いて、短時間で(問題を)読破する」と語る。いずれにせよ、何歳になろうと未知なるジャンルに挑んでいったチャレンジ精神は見上げたものだ。

 ちなみに小川が宅建を語った動画には「全然自信ありませんが、少し気が楽になりました」「こんばんは。今年受けます!頑張ります!」といった雰囲気で、小川に励まされた旨のコメントが大半を占めている。

 前述通り、20日には年に一度の試験が行われる。合格発表は試験からひと月後になるが、小川は「この1か月がドキドキなんだよ。まず合格点が何点か分からないから」と話し、結果的に合格した一年前を振り返りながら、「37点あれば合格できる」と言われた経験を踏まえて、「最後はマークミス(に注意)」と指摘する。

「必ずミスはするので、マイナス1点か2点は上乗せしたほうがいい」と試験後の受験生へのアドバイスまで口にしながら、最終的には「やり方はいろいろあるけど、努力して勝ち取ってほしい」とエールを送った。

 動画全体からは、一見すると“らしくない”小川の一面も伝わってくるが、実は柔道において世界のトップにまで上り詰めた男の繊細さが感じられた。

 宅建動画だが、20日の試験当日の夕方には、今回の試験に関する詳細な解説動画が各専門家から配信される。小川としては、これとは違った切り口で、新たな宅建動画を公開することも検討しているという。

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