高校のミスターコン3連覇→芸能界へ 28歳・内藤秀一郎が目指す理想の役者像
女性同士のバチバチでドロドロな戦いを描いた『プロ彼女の条件 芸能人と結婚したい女たち2』(全30話)が9日からショートドラマ配信アプリ「BUMP」で一挙配信された。1人の男性を巡り、生々しいマウント合戦が繰り広げられる同作。前作に続き、敵対する2人の女性に挟まれた人気俳優・清田和沙を演じるのが28歳の内藤秀一郎だ。“王道イケメンキャラ”を演じることの多い内藤にこれまでとこれからを聞いた。
内藤演じる和沙は頼りない役どころ「みんなにイライラしてもらえたら(笑)」
女性同士のバチバチでドロドロな戦いを描いた『プロ彼女の条件 芸能人と結婚したい女たち2』(全30話)が9日からショートドラマ配信アプリ「BUMP」で一挙配信された。1人の男性を巡り、生々しいマウント合戦が繰り広げられる同作。前作に続き、敵対する2人の女性に挟まれた人気俳優・清田和沙を演じるのが28歳の内藤秀一郎だ。“王道イケメンキャラ”を演じることの多い内藤にこれまでとこれからを聞いた。(取材・文=中村彰洋)
大好評だった前作からわずか6か月での続編となった今作。和沙の彼女であり、地味な女子大生でありながらもプロ彼女という一面を持つ木本美織を椛島光、和沙を巡って美織に宣戦布告する小澤玲奈役で岸明日香が今作から新キャストとして加わった。
――前作の反響はいかがでしたか。
「ここ最近の作品の中でトップレベルに『見たよ』と声を掛けられましたね。配信される前から話題になるだろうなとは思っていました。自分でも『分かる~』と共感できるところもあるし、『これはちょっと違うかな』みたいな部分もあって、意見を言いたくなる内容ですよね。1話も短いので、どんどん見たくなる内容に仕上がっているなと思います」
――ショートドラマという配信形態ですが、撮影はいかがでしたか。
「演じる上での意識は他のドラマと変わりませんでしたが、短い期間で集中して撮影するので結構ハードでした。でも逆にずっと役に集中して入り込めるので、セリフも普段よりも入りやすかったです。通常のドラマだと1日休みなどが入ったりしますが、『プロ彼女』は一気に撮るので、僕はやりやすかったです」
――内藤さんが演じた和沙は女性同士のバトルに挟まれるという役柄でした。
「どちらかに肩入れしすぎず、どちらに対しても中途半端な和沙を意識しましたね。本当にまぬけなやつでしたから(笑)。演じていても『そこはしっかりしろよ』と思うところも結構あったりしましたが、こういう男性も世の中にいると思うので、みんなにイライラしてもらえたらいいなと思っています(笑)」
――内藤さんは和沙という役に共感できる部分はございましたか。
「ありましたね。唯一似ているなと思ったのが、問題に直面するとすぐ逃げる部分です。似てはいけない部分ですが『自分にもあったな』と思ったりもしましたね」
――多数の作品に出演されていますが、最初に芸能界を志そうと思ったきっかけはありますか。
「高校の文化祭でミスターコンみたいなものがあって、1年生から3年生まで3年連続で1位になったんです。それで『あれ? 芸能界の道もあるのかもしれない』と思いました(笑)。准看護師になりたくて、専門学校の資料ももらっていたんですけど、普通に就職するのも嫌だなと思って、ギリギリになって『芸能界行きます』と、上京を決めましたね」
――ミスターコンで3連覇されたということは、学校の中でも目立つ存在だったんですね。
「目立ってました(笑)。高校に入った初日に友達とふざけていて、頭を鋭利な場所にぶつけて、救急車で運ばれたんですよ。それで、まず有名人ですよね。『どんなやつ入ってきた?』みたいな。そこから高校での知名度は爆上がりでした(笑)」
――事務所や仕事も決まっていない中での上京だったんですね。
「最初はオーディションに応募して、モデルからスタートしました。その後に知り合いから紹介されて、舞台に立たせてもらいました。やってみたらあまりにも面白くて。自分が『こういう風に見てほしい』と演技をした時にお客さんが喜んでくれたり、演出の方が『今のいいね』と僕の行動を汲み取ってくてることがうれしかったんです。モデルの仕事とは違う楽しさを知って、芝居を仕事にしたいと思うようになりました」
今後は王道イケメンキャラからのステップアップも「味のある役などを」
――『仮面ライダーセイバー』(2020年)が代表作かと思いますが、内藤さんにとってどういう存在になっていますか。
「まさに転機でしたね。全部が変わりました。それまでは、芝居をどこか遊び感覚でやっていて、見ている人がどうこうではなくて、自分がこういう風に演じますという“エゴ芝居”ばかりだったんです。『仮面ライダー』に出会ってからは、仕事意識に変わりました。これがなかったら、今の自分の考え方とかがどうなってるか分からないですね」
――20歳の頃から役者を始められてから約8年。その間はずっと楽しいと思いながら臨むことはできていたのでしょうか。
「波はすごいありますね。仕事量の問題ではなく、自分のモチベーションの問題なんですけどね。始めたての頃の方が純粋に楽しめていたとは思います。今は考えることが多すぎて、もちろん役にもよりますが、ムラはありますね」
――感情が下にブレてしまった時はどのようにモチベーションを戻していますか。
「僕はいろんな作品を見るようにしています。そういう時は自分がやってみたい役の作品だったりを見るので、『いつか自分も』とイメージしてモチベーションを上げています」
――どういう役をやってみたいのでしょうか。
「刑事や探偵だったり、2人で動くタッグものをやってみたいんです。『仮面ライダー』を主演でやらせてもらった時に1人で背負ってる感覚になって、プレッシャーがすごくって。そういったものを2人で分かち合ってみたいなと思っています」
――今後の役者としての目標はございますか。
「役者の仕事は終わりが決まっていないものだと思っているので、いつまでも芝居の現場にずっといたいです。理想は主演を支えるメインキャストのような立場ですね」
――自分が主演でありたいという考えではないのですね。
「そういう考えはないですね。やらせていただけるならもちろんやりたいですが、周りで支える役者の方々の重要性をいろいろな現場を経験して分かっているので、そういう風にありたいです」
――役者のやりがいをどういった部分に感じられますか。
「年齢を重ねていくにつれて、僕の芝居の中身を見てくれているなと感じることも増えてきました。そういう感想だったりをSNSなどで生の声として聞けるのはやりがいですね。友人に『この間の芝居良かったね』と言ってもらえたり、1個下と4個下に弟がいるのですが、2人が僕の出演作品を見て喜んでくれているのもうれしいです」
――弟さんと仲が良いんですね。
「仲良くなりましたね。昔はけんかばかりでした。今では3人でディズニーに行ったりするぐらい仲良くなりました」
――今作もそうですが、王道のイケメンキャラを演じることが多いイメージがありますが、その点はいかがですか。
「もちろんうれしいですよ。求められていて、イケメンと思ってくれているのであればその役を演じたいです。でもステップアップもしたいと思っていて、少し味のある役などを演じられるように進化していきたいです」