“規制”打ち出す渋谷ハロウィーン、イベント化は「現実的に難しい」理由 過去にも企画が頓挫

東京・渋谷の長谷部健区長と新宿の吉住健一区長が7日、丸の内の日本外国特派員協会で行われた記者会見に出席。渋谷区と新宿区が協力して、オーバーツーリズムとハロウィーンの路上飲酒に対抗していく考えを示した。ハロウィーンの問題を巡っては、ネット上を中心に「正式にイベント化して管理することはできないのか」という声も上がっているが、渋谷区の長谷部区長は過去に実施した経緯があるとした上で、「現実的には難しい」との見方を示した。

記者会見に出席した新宿区の吉住健一区長(左)と渋谷区の長谷部健区長【写真:ENCOUNT編集部】
記者会見に出席した新宿区の吉住健一区長(左)と渋谷区の長谷部健区長【写真:ENCOUNT編集部】

昨年、規制の厳しい渋谷から新宿・歌舞伎町へ人が流れる状況が発生

 東京・渋谷の長谷部健区長と新宿の吉住健一区長が7日、丸の内の日本外国特派員協会で行われた記者会見に出席。渋谷区と新宿区が協力して、オーバーツーリズムとハロウィーンの路上飲酒に対抗していく考えを示した。ハロウィーンの問題を巡っては、ネット上を中心に「正式にイベント化して管理することはできないのか」という声も上がっているが、渋谷区の長谷部区長は過去に実施した経緯があるとした上で、「現実的には難しい」との見方を示した。

 ハロウィーン期間の渋谷では、主催者がいない状況で自然発生的に人が集まるという状況が長年続いており、迷惑路上飲酒や騒音、ゴミの放置や放尿といった環境被害が深刻化している。渋谷区では2019年、ハロウィーンや年末年始の期間に路上や公園での夜間の飲酒を禁止する条例を制定。5年余りにわたり「ハロウィーンに渋谷に来ないで」というメッセージを発信してきた。昨年、コロナ禍を経て外国人観光客によるオーバーツーリズムの問題が再燃。渋谷区が路上飲酒への厳しい規制を強く発信したところ、新宿区に人が流れるという状況も発生している。

 昨年の状況を受け、新宿区は今月1日、ハロウィーン期間の路上飲酒を規制する条例を制定。期間は10月31日の午後5時から11日1日の午前5時までで、近隣の店舗への酒類の販売自粛も要請していくという。また、渋谷区は10月から、ハロウィーン期間や年末年始だけでなく、年間を通じて夜間の路上飲酒を禁止する条例を施行。午後6時から翌朝午前5時まで、違反者に対して指導を行っていくとしている。

 新宿区の吉住区長は「花見のように、主催者がいてルールが守られる状況であれば問題ないと思っている。ただ、ハロウィーンのように、主催者がいないなか勝手に来て勝手に飲んで勝手にゴミを捨てていくというのは、人としてどうなのか」と現在のハロウィーンの成り立ちに言及。

 質疑応答で、主催者管理のイベントとして収益化できないのか聞かれた長谷部区長は「当初から検討はしてきましたし、実際に代々木公園やNHKホール前の広場で企画したこともありました。しかし、やはりセンター街で仮装した写真を撮りたいということで、一度会場に来ても戻っていってしまう」と過去に頓挫した実例があることを説明した上で、「何とかしてイベント化したらどうかという声もありますが、公道を封鎖してまで収益化したイベントができるのか。お店にも休業を要請することになります。不可能じゃないかもしれないが、なかなか現実的には難しい」と話した。

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