河村たかし名古屋市長「権力は恐ろしい」 政治家の裏金疑惑、パワハラ問題に持論 議員の存在理由は「権力を短くしようとすること」

名古屋市の河村たかし市長(75)が、10月27日投開票の衆院選に出馬する意向を固めた。自身が共同代表を務める政治団体「日本保守党」の公認候補として愛知1区から出馬する。河村氏は1993年に衆院選で初当選し、衆院議員を5期務めた後、2009年4に名古屋市長選挙に当選し、以降、15年に渡って、名古屋市政を駆け抜けてきた(5期当選)。河村市長いわく、「日本で一番給料の安い市長」だという。そんな河村市長が「何をやってもしかられる」というタイトルの曲を発表し、作詞&デビューを果たした(現在配信中、10月5日店頭リリース)。狙うはレコード対象新人賞。いったい何がどうなっているのか。河村市長を直撃した。

衆院選に出馬する意向を固めた河村名古屋市長
衆院選に出馬する意向を固めた河村名古屋市長

2009年に名古屋市長になってから10年で1000億円減税

 名古屋市の河村たかし市長(75)が、10月27日投開票の衆院選に出馬する意向を固めた。自身が共同代表を務める政治団体「日本保守党」の公認候補として愛知1区から出馬する。河村氏は1993年に衆院選で初当選し、衆院議員を5期務めた後、2009年4に名古屋市長選挙に当選し、以降、15年に渡って、名古屋市政を駆け抜けてきた(5期当選)。河村市長いわく、「日本で一番給料の安い市長」だという。そんな河村市長が「何をやってもしかられる」というタイトルの曲を発表し、作詞&デビューを果たした(現在配信中、10月5日店頭リリース)。狙うはレコード対象新人賞。いったい何がどうなっているのか。河村市長を直撃した。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

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 まず最初に、河村市長に関して、改めて驚くべき事実を書き記すと、河村市長のSNSには「日本でただ一つの減税都市、名古屋市長になってから10年で1000億円減税、現金、手数料なし、すると1000億円減税前よりさらに増収、『日本一税金が安く日本一の福祉実現』」と驚愕の数字が並ぶ。なぜそんなことができるのか。

「私は零細企業出身で、リサイクルの会社をやっていてね。いま、息子がやっていますけど、商売に必死なわけですよ。税金を払うほうの人たちはどえりゃあ苦労してるわけですよ。だけど日本の場合は税金で食ってる人たちが問題なわけよ。戦争の時までは、地方議会はボランティアだったんですよ、実は。条文で、『名誉職』って書いてあったわけですよ。だから本来、政治をやる人間っていうのはボランティアなんですよ、みんな」

 河村市長は「世界中の常識ですよ、日本も以前はそうだったんです」と話す。では、いつからボランティアではなくなったのか。

「戦後、アメリカからダグラス・マッカーサーが来た時に、なんで日本は軍隊をストップできないんだと。世界を敵に戦ったのは日本だけなんです。ドイツは降伏しとったから。その時に軍隊を廃止したのと同時に、議会を一般に解放しようとした。そこで間違えたんです。ようけ給料を出して身分保証をしたら、お国のためにええ政治をやってくれる、と思ったんだけど、それをやると、競争がないもんだで、みんなお殿様みたいになる。そういういきさつなわけです。だからもう1回変えなきゃいかん。当たり前の姿に」

 たしかに昨今の日本全国では、減税や「お国のために」どころか、政治家のパワハラ問題を耳にし、未だに裏金問題が後を絶たない。

「権力いうのはみんなそういうもんですよ。権力は恐ろしいですよ。権力を長いこと持っとると、ルイ14世とか、大河ドラマの藤原道長じゃねえけど、みんな彼女をつくったり、庶民に重税を課したり、それで面白くないと戦争をやるわけですよ。本来は、権力を短くしようとするのが、議員が存在する理由なんですよ」

名古屋から世界を目指すSAKURA GRADUATIONとともに、河村市長がリリースした「何をやってもしかられる」を熱唱
名古屋から世界を目指すSAKURA GRADUATIONとともに、河村市長がリリースした「何をやってもしかられる」を熱唱

「政治に無関心になればなるほど現職が強うなる」

 そう言って河村市長は「政治家による既得権の保有期間を長くしないこと」を声高に叫ぶ。

「だけどマッカーサーが戦後間違えてしまったもんなんでね。自民党だって裏金問題をとかってやってるけど、なんで裏金に手をつけるかということをマスコミはやらないかんけど、NHKを含め、ひと言もやらせんがね。全マスコミがですよ。地方議員はファミリービジネスになっちゃっとるんですよ。だから、もし俺が衆議院だとしたら、お前さんを応援したるからカネを持って来い、になるんですよ。日本中がですよ」

 昨今、政治を解説する人のなかには「お金持ちが議員をやれば裏金は必要なくなる」という説を唱える方もいる。この説に関して河村市長は、「そういう説もないこともないけど、それは失敗するんだけどね」と話すと、「それより長くできないようにすりゃあいいんですよ」と根本原因の根絶を訴える。

「権力者じゃなく、庶民が喜ばないかん。そうでしょ。だけど物事を決めていくのは上の人たち。政治やっとる人間だけど、その人たちは減税が嫌なんですよ。自分の懐を減らさないかんから。(庶民の立場に立てば)本来なら自分でようけ集めて、ようけバラ撒いたほうがええでしょう」

 最近はこれだけSNSが普及しインターネットが普及したことで、庶民への伝達方法が変わってきた。それでも河村市長は「肝心の政治構造は変わらんのですよ、これ」と話すと、持論を展開した。そこにはなぜ選挙があり、選挙権を持つ庶民が投票に行かなければ損をするのか。河村市長がその原理を解説する。

「みなさんが政治に無関心になればなるほど、政治っちゅうもんは現職が強うなるんです。社会が独占になってきて、若い連中は受験勉強ばっかりやらされとるわけだから、社会に向いとらんわね。そんな河村のバカの言うことを聞いとったって変わらせんのだで、そんなことより受験勉強をしっかりやってええ学校に行きましょうと、こうなるわけですよ」
 
 そういったもろもろの状況を踏まえつつ、今回発売になった歌手デビューと絡めて市長は、最後にこう話した。

「ホントのことを言うとしかられる、だけどこの歌でもね、『何があってもしかられる』けど、最後に『何があっても歩いてく』と締めくくってるわけです。だからそういうことやね」

 現在、75歳の河村市長。10月27日の衆院選に当選すれば15年ぶりの国政復帰となるが、一部メディアには「総理を狙う男を復活させる。アゲイン」と語っており、年齢を感じさせないほど意気軒昂。レコード大賞新人賞を狙う件に関しても「後期高齢者が新人賞、面白いがね」とひと言。その生き方に迷いはない。おそらく今回リリースした歌の歌詞にあるとおり、「しかられても叩かれても」己の突き進む道をまっとうしていくに違いない。

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