夕刊フジ、休刊決定 押し寄せる時代の波…理由はデジタル端末の普及、購読機会の減少、コストの上昇など

産経新聞社は1日、公式サイトを更新し、発行する夕刊紙の夕刊フジを2025年1月31日発行(2月 1日付)をもって休刊することを決定したと発表した。購読機会の減少、コストの上昇などを理由とし、「夕刊紙としての一定の役割を終えた」としている。

夕刊フジが休刊を決定した(写真はイメージ)【写真:写真AC】
夕刊フジが休刊を決定した(写真はイメージ)【写真:写真AC】

発行元の産経新聞社が発表

 産経新聞社は1日、公式サイトを更新し、発行する夕刊紙の夕刊フジを2025年1月31日発行(2月 1日付)をもって休刊することを決定したと発表した。購読機会の減少、コストの上昇などを理由とし、「夕刊紙としての一定の役割を終えた」としている。

 産経新聞社は「夕刊フジ休刊のお知らせ」と題し、夕刊フジの休刊決定を公表した。

「産経新聞社は、発行する夕刊紙『夕刊フジ』を、2025(令和7)年1月31日発行(2月1日付け)をもって休刊することを決定いたしました。1969(昭和44)年2月にタブロイドサイズの夕刊紙として創刊以来、『オレンジ色のニクい奴』として、昭和、平成、令和の最新ニュースをお伝えしてまいりました。その間、デジタル端末の普及、コロナ禍に伴う帰宅時等の購読機会の減少、新聞用紙をはじめとする原材料費、輸送コストの上昇など、取り巻く環境は年々厳しさを増しました。経営合理化や経費の削減に取り組み、発行継続に向け努力を続けてまいりましたが、創刊55周年の節目に、夕刊紙としての一定の役割を終えた、という判断に至りました」

 その上で「長年にわたり、『夕刊フジ』を支えてくださった皆さまに、心より御礼を申し上げます。なお、電子版も2025年1月31日をもって休刊とし、夕刊フジの公式サイト『zakzak』も同日で更新を休止する予定です。また、夕刊フジが発行する健康情報紙『健活手帖』も本年11月の発行をもって最終号とします」と報告。「これまでのご愛読への感謝を胸に、最終発行号まで紙面の充実に努めてまいります。変わらぬご理解とご支援をお願い申し上げます」と呼びかけている。

 インターネットで大半の情報が入手できる時代になり、「新聞不況」は進む一方になっている。日本新聞協会の公式サイトによると、2000年に4740万1669部だった一般紙の発行部数は、23年には2667万4129部に減少。スポーツ紙に関しては、00年の630万7162部に対して23年は191万6357部と、3分の1以下に落ち込んでいる。夕刊フジの発行部数は不明だが、「購読機会の減少」は認めている。加えて、国内におけるインターネット普及初期からネットでのニュース記事配信を行っていたZAKZAKも休止が決定。ネット上では「とうとう夕刊フジも」「寂しくなります」「ZAKZAKはネットニュースの草分けだったのに」などの声が上がっている。

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