【おむすび】橋本環奈を見た脚本家の“確信”「どんどん笑いのセリフや間を入れても大丈夫」

俳優の橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(30日スタート、月~土曜午前8時ほか)の脚本家・根本ノンジ氏が取材に応じ、阪神・淡路大震災を描く思いや橋本の魅力などを語った。物語はギャル文化と出会った主人公が、やがて栄養士として“縁・人・未来”と大切なものを次々結んでいく平成青春グラフィティー。

主人公・米田結を演じる橋本環奈【写真:(C)NHK】
主人公・米田結を演じる橋本環奈【写真:(C)NHK】

根本ノンジ氏が取材に応じる

 俳優の橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(30日スタート、月~土曜午前8時ほか)の脚本家・根本ノンジ氏が取材に応じ、阪神・淡路大震災を描く思いや橋本の魅力などを語った。物語はギャル文化と出会った主人公が、やがて栄養士として“縁・人・未来”と大切なものを次々結んでいく平成青春グラフィティー。

 作品では阪神・淡路大震災も描かれる。その意図を尋ねた。

「日本は自然災害と切っても切り離せない国。常に我々の身近にあることをきちんとフィクションの中で描くべきだと思っています。フィクションだからこそできることがあり、ドキュメンタリーと違う側面で描けるんじゃないかと思っています。災害はいつも理不尽で抗えません。人間としてどう向き合うかを一つのテーマとして持っています。私の母は19年前に事故で亡くなりましたが、『明日ね』と言っていた人が翌日会えなくなるのは常に誰にでも起こりえること。理不尽な、抗いがたいものに人はどう向き合い、立ち上がるのか、自分の中の大きなテーマだと思って描いています」

 主演の橋本が演じる米田結をどう描こうと考えているのか。

「米田結というヒロインは、常に前向きなわけではなく、悩んだり、怒ったり、愚痴ったりしながらも食べることが大好きな等身大の女性。橋本さんもおいしそうに食べたり、元気な感じはご本人が持っているポテンシャル。そんな結と橋本さんがどんどん融合していっている感じがしています」

 コメディエンヌぶりはどうか。

「素晴らしいです。今回、初めて一緒に仕事をさせていただきましたが、元々キャラを立たせるのがすごく上手で、コメディーの感覚がめちゃくちゃ優れていると思っていたので、つっこみゼリフや、心の声でつっこむとか、トーンと笑いの間が完璧。橋本さんだからどんどん笑いのセリフや間を入れても大丈夫だと、第1週の本読みの時に思いました。見事な間とタイミングでしたので、この人ならもっと面白いシーンを入れても大丈夫だなと笑いの部分はどんどん増えている感じです」

 子役を起用し子ども時代から描かなかった理由が面白い。

「第1週から橋本環奈を見たいよねという、自分の素直な思いです(笑)」

 結の姉・歩を演じる仲里依紗についても聞いてみた。

「民放の深夜ドラマで一緒に仕事をした時、すごい女優さんだと思い、今回、伝説のギャルをやってもらうのは仲さんしかいないと思っていました。実際の仕上がりを見たら本当に期待以上というか心を震わせる芝居をしていただいて本当に頼もしいです」

 根本氏の作品には食事のシーンが多い。

「どんなドラマでも食べるシーンを結構作ります。キャラクターの人生を出せるので。おいしい物を食べたら悲しい事を一瞬だけでも忘れられるというのはこの作品の大きなテーマにもなっています」

 食にこだわりを感じるが主人公・結は将来、栄養士になる。

「栄養士は食べ物で人を元気にする仕事。離乳食から給食、社食、病院食と人の人生にずっと関わる仕事。私の父が食道がんで亡くなった際も最期まで管理栄養士さんが献身的にいろいろやってくれました。だからこそ栄養士さんを書くべきだと思いました。人の人生に食を通じて関わる仕事は今までにない切り口、職業だと思って選びました」

 作品にはギャルたちが登場する。ギャルを描く面白さはどんなところだろう。

「我々の描くギャルはクリーンでいい子たちですが、平成の頃のギャルにはそれだけではない側面もありました。最初、ギャルをテーマにすると悪いイメージを持たれる可能性もあると感じましたが、彼女たちにはそれを超えるパワフルな力強さがあるなとも思いました。平成の30年を肩で風を切って颯爽と厚底ブーツで歩いていた彼女たちをきちんと描いた方が新しい朝ドラになる。そこで、あえて挑戦しようと思いました」

 ギャルをリサーチして感じたことはあるだろうか。

「とにかくポジティブ。ポジティブを押し付けることなく自分たちがポジティブに楽しんでいるから見ている周りも明るく元気になれる。それが一番大きなこと」

 B’zが主題歌『イルミネーション』で物語を盛り上げる。

「もともとB’zさんが大好きで、主題歌と聞いてすごくうれしくて。楽曲を聴いた時、B’zサウンドでありながら内容とリンクし、『おむすび』の空気にすごくフィットすると思いました。多分、台本を読んでいただき稲葉浩志さんが作詞し、松本孝弘さんが作曲してくださったと思うのですが、あのB’zと一緒に何かを作ったんだ! といううれしさもあります。感動しました」

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください