格闘技界のドーピング騒動に小川直也が持論 驚くほど厳しい柔道時代の体験「俺に言わせれば格闘技界の検査はネタ」

“暴走王”小川直也がドーピング問題に参戦だ。小川は15日夜、自身のYouTubeチャンネル「小川直也の暴走王チャンネル」に公開した「暴走王、ドーピング語ります!/「格闘技界のドーピング話はネタにしか思えない」で持論を展開させており、最後は、発端となった朝倉未来VS平本蓮の再戦を提案している。

「小川直也の暴走王チャンネル」でドーピング騒動に持論
「小川直也の暴走王チャンネル」でドーピング騒動に持論

「今の(柔道)選手は(抜き打ち検査があるため)プライベートがないからかわいそう」

“暴走王”小川直也がドーピング問題に参戦だ。小川は15日夜、自身のYouTubeチャンネル「小川直也の暴走王チャンネル」に公開した「暴走王、ドーピング語ります!/「格闘技界のドーピング話はネタにしか思えない」で持論を展開させており、最後は、発端となった朝倉未来VS平本蓮の再戦を提案している。

 格闘技界を揺るがしているドーピング問題。「超RIZIN3」(7月28日、さいたまスーパーアリーナ)で、朝倉に勝利した平本にドーピング疑惑が浮上したが検査結果は「陰性」だった。

 この話題に小川が持論を展開した。小川といえば、アマチュア時代には柔道の全日本選手権に計7回優勝、世界選手権に4回優勝するなど、数々の記録を残している。1992年のバルセロナ五輪では柔道(95キロ超級)の決勝戦で敗れ、惜しくも銀メダルに甘んじたが、1997年にプロ転向すると、“破壊王”橋本真也との抗争で名を上げ、1999年にはPRIDEにも参戦。2004年にはPRIDEヘビー級グランプリにも出場し、エメリヤーエンコ・ヒョードルらと激闘を展開し、同時にハッスルブームを巻き起こした。

 そうした経験を踏まえ、自身の周囲にあったドーピング関連の話を口にする。

「俺らの頃は、みんなドーピングをやっている話なんだよ、テイ(前提)なんだよ。だけどさ(その頃は)ドーピングチェックをいつしているんだよって話でさ。今だから、もっと細かくやってるとは思うんだけど。でもね、格闘技界においてドーピング検査って、まず無理だと思う。アマチュアスポーツって、今のドーピング機構ってどうなっているか知ってる? 要するに、五輪に出そうな選手のリストは全部(協会なり連盟に)出ているわけよ。そこに日頃からチェックが来るわけよ、抜き打ちで。で、この日はどこにいるってことを3回パスしたら、あんたドーピングを疑うよって話なんだよ。それがドーピングなわけ。それがあっての話だよ。だから俺に言わせれば(格闘技界のドーピング検査は)ネタでしょ?」
 
 小川によると、「だってそれくらいしないと、やっているヤツはドーピングの消し方も知っているから。イタチごっこなわけ」とのこと。

9日には師匠であるアントニオ猪木の三回忌のため、鶴見にある總持寺の猪木家の墓を訪れた
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「キムチすら危ないって言われてたよ」

 小川によれば、自身の柔道時代の検査も「厳しいよ。トイレに行ってちゃんと(尿検査)やってたから」とは言うものの、「ただ、定期的な日頃の生活までは侵害してこなかった。今の時代は、そういうのをすべて含めて抜き打ちなわけ。今の(柔道)選手はプライベートがないからかわいそうだなと思うよ」と話す。

 動画内では、2000年からずっと柔道界の抜き打ちドーピング検査は実施されていたとの話も出た。

「ウチの子ども(長男・小川雄勢)も(強化)指定選手の時は抜き打ちでずっと来てたよ。何回かやられたって。かわいそうだなって思ってた。全部(協会なり連盟に)報告しないといけないんだから。どこにいる、どこにいる、どこにいるって。みんなさあ、お盛んな時期じゃない。飲んだり、遊びに行ったりするぜ、そりゃあ。だけど、それも監視するんだからさ。でも、それがドーピングよ。それを考えたら、今の格闘技界はどうですか?」

 最近だと、風邪薬でも陽性と判定される場合もあるという話には、「キムチすら危ないって言われてたよ。コーヒーを飲みすぎるとダメだとか。風邪薬を飲む時に、これを飲めって指定される薬があるのよ。それを飲むのはいい。これは大丈夫ですよって用意されている薬があるから。それを申請してもらって(飲む)。まったく薬を飲んじゃいけないわけじゃなくて、認定されている薬があるから、それを選ぶ。そこまで完全管理されているから。だからさっきの言い方で、RIZINの話はネタじゃねえの?ってなるわけよ。だってそこまで頭に入っているわけじゃん。ドーピングって本来はこういうもんだぜって。そこまでのことをしてねえだろって。しかもRIZINは指定選手なんてやってないでしょ。日頃から管理している選手なんて」と小川は語る。

 とはいえ、管理するとしたらそれだけの費用もかかるだろうが、世の中のニーズに合わせるとしたら厳罰化も含めた検討が必要になる。

「ニーズに合わせるとしたら、『いかなる場合でもドーピングが発覚した場合はギャラ没収』とかさ、そういう厳しいルールだったら。でも選手によってはドーピングしてでも勝ちたいって言えば、どうぞご勝手にじゃん。あとはドーピングして勝ったところでその選手の価値なんてなくなっちゃうんだから、それをも差し引いて勝ちたいならどうぞやってくれよって話じゃない。バレなきゃいい話なのかもしれないけどさ」

「プロなら(白でも黒でも朝倉VS平本は)もう1回やったっていい」

 動画内では小川に対し、「ルール上、ドーピングが許されていたとして、これを使えば絶対に勝てますと言われた場合、それを使うか」という質問も投げかけられていたが、小川は「いや、ドーピングをすると、こうなりますよ、ああなりますよっていうのを見せつけられているんだよ」と話し、以下の話を披露した。

「例えば当時、東西に分かれてた(頃のドイツで)、東ドイツの(クリスティン・)オットー選手っていうのかな。女性の方(競泳選手)。やっぱ生まれてくる子がよろしくなくて。でも当時、東ドイツっていうのは社会主義国だから、国家ぐるみで(ドーピングの研究を)やるから、知らずにやらされちゃう。そういうのを見ていると一時はいいけどね。やがては最後……。そういう選手って多いよね」

 さらに小川は、自身がPRIDEに参戦していた頃の話を振り返り、こう話した。

「俺が格闘技に出てた時は、そんなヤツらに負けたくなかった。だって弱いから使うわけじゃん。俺らがアマチュアの時は弱いヤツが使うって頭のイメージがあって。自分で成し得ないから薬の手を借りて、覚醒してやってやるって。俺らにしてみれば、絶対にそんなことをしなくても、やってやるってつもりで来ているわけじゃん。こっちにはこっちの自負がある。薬を使った野郎なんかには負けたくない気持ちがある。だからPRIDEに出ていた時は、そんな気持ちでいたよ、常に。薬を使っている野郎に負けたくないっていう気持ちは絶対にあった」

 そして最後に小川は、朝倉VS平本の再戦を提案した。

「黒だったら黒でもう1回やってもらいましょうっていうのもあるし、白だったら白でもう1回やったっていいじゃん。だからどっちも行けるんだよ。プロっていうのはどっちも行かせなきゃいけない。バラさん(RIZINの榊原信行CEO)だってやったほうがいいよね、白だって。『ここまで疑いがあるので、是非、疑いを晴らすためにも、正々堂々とグレーでない状態でやってほしい』って言えばさ」

 小川の考えではプロとアマチュアでは根本的な考え方に違いがあるようだが、話す通り、ドーピング問題は国家ぐるみで対応すべき事案でもある。というのは善悪の話はもちろん、過去にはそれが原因で思い悩んだ結果、不幸な事件もあったことに起因する。そう考えると、恐ろしいほど根が深い話なのは間違いない。

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