駅のエレベーターで「オオスズメバチ」に刺される緊急事態…「経験のない」“体の変化”に驚愕
駅のエレベーターに乗っていたら、ふとした瞬間に「ずきん」、猛烈な痛みに襲われた。なんと、不意に蜂に刺されてしまったのだ。想定外の事態に見舞われ、すぐさま病院を受診。左手は膨れ上がり、経験のないかゆみで眠れなかったという。夏が終わり、秋に入っても、人間にとって危険のある蜂の動向には注意が必要だ。当事者に一部始終を聞いた。
「足の小指を角にぶつけたときの痛みよりも強く」長時間続いた
駅のエレベーターに乗っていたら、ふとした瞬間に「ずきん」、猛烈な痛みに襲われた。なんと、不意に蜂に刺されてしまったのだ。想定外の事態に見舞われ、すぐさま病院を受診。左手は膨れ上がり、経験のないかゆみで眠れなかったという。夏が終わり、秋に入っても、人間にとって危険のある蜂の動向には注意が必要だ。当事者に一部始終を聞いた。
手のひらに1点の刺し傷が見受けられる。周囲の肌は白い色を帯び、変色している。手の甲が腫れ上がった様子も痛々しい。
「エレベーターの手すりに手をかけたらオオスズメバチに刺された!」
千田(せんだ)(@sendakara)としてXのアカウントを持つ18歳の浪人生、千田龍弥さんは、ハチ被害について報告した。
9月4日の昼前の出来事だ。「駅のエレベーターに乗っていた際に片手で参考書を持っていたため、そちらに集中していて、手すりの上に止まっていた蜂の存在に全く気付きませんでした」。エレベーターの中で手すりに手を置いた時、蜂を押しつぶしてしまったとみられる。その瞬間に、「突然鋭い『ずきん』とした痛みが手に走りました。『何が起こったんだ?』と思って手のひらを確認すると、大きなオオスズメバチが止まっているのを見て、驚いてすぐに振り落としました」。
突如起こった緊急事態。蜂に刺された後、すぐに駅のトイレで患部を洗い、急いで皮膚科に連絡。向かった先の病院では点滴などの治療を受けた。
刺されてから5時間ほどはズキズキとした強い痛みが続いた。「その痛みは、足の小指を角にぶつけたときの痛みよりも強く、それが長時間続いたので非常につらかったです」と振り返る。刺された箇所は赤く膨れ上がり、「まるで自分の手ではないように感じました」。生々しい様子を明かす。
次第に痛みは和らいだが、夕方になると「今度は強烈なかゆみに襲われました」。それは「これまで経験したことがないほどのかゆみで、そのせいで一睡もできない」ほど。想像を絶するものだった。今も一定程度のかゆみは続いているという。
18歳が経験「一生に一度の出来事かもしれません」
オオスズメバチなどの蜂の毒針で刺されると命の危険が生じる。本田技研工業株式会社の「Hondaキャンプ」サイトによると、オオスズメバチに注意する時期や特性として、里山では夏から秋にかけてスズメバチの被害が多発することを紹介。そのうえで、「特に秋口は大量のオスバチと新女王バチを養育しなければならない一方で、エサになる昆虫類が少なくなるため、攻撃性が非常に高い」と指摘。秋の季節はどう猛になっているだけに、よりリスクに気を付けることに加え、もしもの時は冷静に対応する必要がある。
今回は九死に一生の事案になった。千田さんは身をもって体験したことで、「蜂に刺された時の痛みやかゆみは本当につらいものですが、蜂自体は思わぬ場所にいることがあるので注意が必要だと思いました。私自身もエレベーターという予想外の場所で刺されましたが、外出時に少し意識するだけで被害を防げることもあります。手すりや座る場所を確認したり、周りに蜂がいないかを注意するだけでも違います。もし刺されてしまったら、まずは焦らず冷静に対処することが大切です」と、注意を促す。
また、不運の体験に落ち込むことなく、気持ちを切り替えたという。「オオスズメバチに刺されることは一生に一度の出来事かもしれません。なんて不運なんだと悲観するのではなく、むしろこれを一つの経験としてポジティブに捉えることで、次に同じようなことがあったら冷静に対処できる自信がつきました。どんな困難も前向きに捉えれば、自分の成長の糧になると思います!」と話している。