TBSラジオの会長が辞任、社長が代表権返上 無断CM内容差し替え問題で責任「社員教育の見直しなどを実施」
TBSラジオは4日、広告主に無断でCMの内容を差し替えて放送していた問題で、三村孝成取締役会長が今月30日付で辞任し、林慎太郎代表取締役社長が10月1日付で代表権を返上すると公式サイトで発表した。
公式サイトで発表 会長の後任はBS-TBS専務
TBSラジオは4日、広告主に無断でCMの内容を差し替えて放送していた問題で、三村孝成取締役会長が今月30日付で辞任し、林慎太郎代表取締役社長が10月1日付で代表権を返上すると公式サイトで発表した。
発表によると、8月29日の臨時取締役会で「役員体制の見直し」を決議。三村氏の後任には、BS-TBS専務取締役の向山明生氏が代表取締役会長として就任する。
向山氏は慶応大法学部卒の62歳で、1985年4月にTBSテレビ入社。報道畑を歩み、同社取締役、執行役員などの経歴がある。
また、林社長については今年10月から12月までの3か月間、月額基礎報酬の30%の自主返納の申し出があり、「これを受けることとなりました」としている。
TBSラジオは6月19日、同社の営業担当者によってCM素材が無断で差し替えられていたことを公表。「2022年4月から2024年6月中旬にかけて、広告主より納品された複数種類のCM素材のうち、当初一部の素材の表現がCM考査において、放送には検討を要するとの意見が出された事から、独断でCM素材の進行表を書き換え、既にCM考査を通過した同広告主の別のCM素材が放送されるよう手配していました」「また2022年9月放送分以降は放送確認書を当該の営業担当者個人のパソコンで偽造し、当初指定されたCM素材が放送されたかのように報告していました」などと報告していた。
そしてこの日、同社は「放送確認書の偽造は、6月19日に公表した以外にはありませんでした。他の営業担当者による不正は確認されず、上長からの指示などの組織的関与も確認されませんでした」と発表。再発防止策については「弁護士による提言等に基づき具体策を策定、取り組みを開始しました。営業担当者による不正の余地をなくすため、CM進行表、放送確認書の業務に営業担当者を関与させない体制づくりを徹底するとともに、社員教育の見直しなどを実施してまいります」としている。