ごみ清掃員として働く「マシンガンズ」滝沢秀一、コロナ禍でごみ収集も感染しないワケ

新型コロナウイルスによる外出自粛期間中、感染の恐怖と闘いながらごみ回収を行うごみ清掃員に対する感謝の気持ちを強くもった人も多かっただろう。彼らが働いてくれているからこそ、“当たり前の日常”が送れることに気づくことができた。実際、この間のごみ回収の現場はどうだったのか。8年前にごみ回収会社に就職し、2年前、エッセイ本「このゴミは収集できません ゴミ清掃員が見たあり得ない光景」(白夜書房)がベストセラーになったお笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さん(43)に聞いた。

コロナの恐怖を明るく語る「マシンガンズ」滝沢秀一さん【写真:荒川祐史】
コロナの恐怖を明るく語る「マシンガンズ」滝沢秀一さん【写真:荒川祐史】

自宅療養者がどこにいるかわからない恐怖と闘っていた

 新型コロナウイルスによる外出自粛期間中、感染の恐怖と闘いながらごみ回収を行うごみ清掃員に対する感謝の気持ちを強くもった人も多かっただろう。彼らが働いてくれているからこそ、“当たり前の日常”が送れることに気づくことができた。実際、この間のごみ回収の現場はどうだったのか。8年前にごみ回収会社に就職し、2年前、エッセイ本「このゴミは収集できません ゴミ清掃員が見たあり得ない光景」(白夜書房)がベストセラーになったお笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さん(43)に聞いた。

 ボクは今、非常勤なので週3、4日の勤務。一般ごみ(家庭ごみ)の回収をしています。自宅療養している感染者もいるのに、そういう感染者のごみも収集しなくてはいけない。しかも、自宅療養している感染者がどこにいるかわからないので、そのごみはどこにあるか全然わからない……。リスクは高いですよね。ウイルスは目に見えないし、外出自粛期間はとくに新型コロナウイルスがどんなタイプのウイルスかほとんどわかっていなかったので、やっぱり怖かったです。

 それでも、全国に何万人といるごみ清掃員で感染者はほとんどいなくて、兵庫の1か所でクラスターが発生しただけ。それも、ごみから感染したかどうかわかりません。身体が丈夫で抵抗力がある人が多いのか、普段からホコリや雑菌を浴びているから丈夫なのか、いかにきちんと手洗い、うがいをすることが大事か、ということなのか。ボクはインフルエンザも1度もかかったことがないですよ。

ごみ清掃の仕事から帰宅したらお風呂に直行

 手洗い、うがいはもちろん、コロナが流行りだしてからは回収の仕事から帰ったら玄関で身につけていたものをすべて取って除菌して、すぐに手ぶらでお風呂へ直行。お風呂から出た後、玄関に放置しておいた制服を洗濯機で洗剤と除菌ハイターを入れて洗っています。

 危険手当が出るわけではないので、普段は制服を着て安全ヘルメット、マスク、ゴム手袋、安全靴を身につけて収集していますが、外出自粛期間中は制服の上に防護服代わりに雨合羽を着てその上から除菌スプレーをかけ、シュノーケリング用のゴーグルを自分で買って付けて、ごみを収集していました。でも、ゴーグルしていない清掃員もいましたよ。

 一時はマスク不足になって、会社から「各自で何とかしてくれ」と言われたときは怖かったですけど、幸い、事務所に防塵マスクを送ってくれた方がいたのでそれを使うことができ、マスクなしでごみ回収することはありませんでした。でも、雨合羽やゴーグルは、もう付けていません。頭が痛くなって熱中症で倒れそうだからしょうがない、と思っています。

次のページへ (2/4) 外出自粛期間中に断捨離した人が増え残業の日々だった
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