【虎に翼】管理職の寅子演じる伊藤沙莉を制作統括が絶賛「見習いたいぐらいの上司ぶり」

NHK連続テレビ小説『虎に翼』(月~土曜午前8時)制作統括・尾崎裕和氏が取材会に出席し、新潟編などこれまでの物語を振り返ると同時に今後の見どころや終盤の注目人物も紹介した。また、主人公・佐田寅子を演じる伊藤沙莉の現場での凄さやSNSで「ホラークイーン」という声もあった森口美佐江を演じる片岡凜の起用理由なども明かした。

佐田寅子を演じる伊藤沙莉【写真:(C)NHK】
佐田寅子を演じる伊藤沙莉【写真:(C)NHK】

終盤の注目点に制作統括「今までの桂場とは違う顔」

 NHK連続テレビ小説『虎に翼』(月~土曜午前8時)制作統括・尾崎裕和氏が取材会に出席し、新潟編などこれまでの物語を振り返ると同時に今後の見どころや終盤の注目人物も紹介した。また、主人公・佐田寅子を演じる伊藤沙莉の現場での凄さやSNSで「ホラークイーン」という声もあった森口美佐江を演じる片岡凜の起用理由なども明かした。

 寅子が赴任した新潟を舞台に描いた新潟編では、近年のドラマには前例がないほど新潟の方言がふんだんに登場した。新潟編のこだわりから聞いた。

「一番こだわったところが新潟の言葉です。杉田太郎弁護士役で新潟県三条市出身の高橋克実さんに出演していただいたほか、深田役の遠山俊也さん、森口美佐江のお父さん役の俵木藤汰さんも新潟出身。“ネイティブ”な方に出演していただき、より新潟の感じが出るようにしました。新潟は寅子が本格的に暮らす場所。その土地の空気を出すことをしっかりやろうと最初から決めていました」

 他の出演者の反応はどうか。

「小野役の堺小春さんは撮影後も新潟の言葉で話したりしていました。皆さん、慣れ親しんで楽しくやっていたと思います」

 美佐江役の片岡凜の起用理由も聞いてみた。

「NHKのドラマにも出ていただいていて、お芝居もすてきですし、Xでの投稿を拝見すると個性的というか聡明というか、すごくいろんなことを考えている方と感じていました。美佐江は何を考えているかちょっと分からない役。キャラクター的にも片岡さんが演じてくれると面白いかなと思い、お願いしました。現場では朝ドラ初出演ということもあって、演出とじっくり話しながら役を作っていて、すごくいい美佐江になったと思います」

森口美佐江(右)を演じる片岡凜【写真:(C)NHK】
森口美佐江(右)を演じる片岡凜【写真:(C)NHK】

 SNSでは美佐江のシーンに「サスペンス」「ホラークイーン」と言った声が目立った。当初から予定されていたシーンなのか。

「裁判官の話なので当然、刑事ドラマのような事件と犯人のような存在がいて、サスペンス的な展開が登場することを予想はしていました。美佐江については新潟編を作る中で、貧しくて罪を犯した戦後直後とは違う新たな世代の若者、裕福で恵まれているのに犯罪に向かってしまう若者を時代が変わったことも含めて描きたい気持ちがあり、美佐江という人物が登場しました。演出上サスペンス風になっていますが、サスペンスにしたいというより、時代が変わっていくことによる少年犯罪の変化を描くことがベースにあります」

 美佐江の事件のエピソードはその後、どう回収されるのか。

「新潟編で、解決されずに終わった美佐江の話が、寅子にとってどういうことだったのかと、あらためて考える機会はまたあります」

 続いて寅子について聞いてみた。年齢を重ねてどう変化していくのか。

「脚本家・吉田恵里香さんと話したポイントは、寅子らしさは維持したまま、年齢を重ねて丸くなるとか、物分かりが良くなるということではない年の重ね方を寅子にさせたいということ。それを意識してキャラクターを作っています」

 アラフォーの寅子を演じる伊藤の演技はどうだろう。

「寅子は新潟編で管理職の立場になりますが、上司として部下がより良く成長していけるよう、しっかり部下のいろんなところ見ています。私も見習いたいぐらいの上司ぶりで。すごく自然に寅子として年齢を重ねている感じを出していただいていると思います」

 長期間の朝ドラの撮影を通じて伊藤に変化を感じることがあるだろうか。

「私としては変わらないのがすごいと思っています。朝ドラの主演は大変という声が多いですが、伊藤さんは最初の撮影の頃からいつも現場で明るく笑っていて『ハハハハハ』という笑い声が響いています。常にポジティブな気持ちで現場にいると感じます。クランクインから撮影終盤まで変わっていないことがすごい。変わらずにずっといる凄さを感じています」

 終盤の展開が気になる。

「第23週に原爆裁判があって、その後、寅子が家庭裁判所の仕事に再び戻ります。そこで、時代が変わった少年たちの犯罪に向き合っていくことになります。その中で、モデルの三淵嘉子さんが関わった少年法の議論も登場します。最後は、見た目は変わっても寅子は寅子のまま変わらない。本質は変わらないのが吉田さんの意図。どう表現されるか、何歳まで描くかもお楽しみに」

 終盤の登場人物の注目人物を挙げてもらった。

「みんな年齢を重ねていきますが、一番の注目人物というと桂場(松山ケンイチ)が裁判所という組織の中でより高みに上っていく人物となります。そこで今までの桂場とは違う顔を見せていきます。竹もとで甘い物を食べていた桂場とは違う、変わってしまう桂場が終盤の注目点かと思います」

※尾崎裕和氏の「崎」の正式表記はたつさき

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