Perfume、積み上げてきた25年の歴史 苦楽を共にしたメンバーの絆「3人でいることを選び続けた」
3人組テクノポップユニット・Perfumeの25年の軌跡を体験できる展覧会「Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡」が東京・虎ノ門ヒルズのTOKYO NODE HALLで9日からスタートした。前日となる8日には、3人が開幕直前&Perfume周年企画記者発表会に登壇し、これまでの思い出や同展の見どころなどを明かした。発表会後には、一部メディアによる合同取材に応じ、3人がらしさあふれるトークを展開してくれた。
「Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡」ではPerfumeの歴史が凝縮されている
3人組テクノポップユニット・Perfumeの25年の軌跡を体験できる展覧会「Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡」が東京・虎ノ門ヒルズのTOKYO NODE HALLで9日からスタートした。前日となる8日には、3人が開幕直前&Perfume周年企画記者発表会に登壇し、これまでの思い出や同展の見どころなどを明かした。発表会後には、一部メディアによる合同取材に応じ、3人がらしさあふれるトークを展開してくれた。
――同展覧会では、週末にDJパーティー「DISCO!DISCO!DISCO!」が行われます。メンバーが参加しない形でのこのようなオフィシャルイベントは、長い歴史の中でも初の試みですね。
のっち「今回の展覧会も、TOKYO NODEさんや制作の皆さん、MIKIKO先生、ライゾマ(=ライゾマティクス)さんが一体となって考えてくださいました。ディスコイベントも皆さんが提案してくれた企画イベントで、『めちゃくちゃいいアイデアじゃん!』って思いました。人選も昔からPerfumeを支えてくれてる方々をはじめとしたラインアップで胸熱でしかないです」
あ~ちゃん「ファンの方たちも爆音で音を聴いて、お酒を飲みながら踊りたいだろうなと思っていました。それが実現されるんですよ! DJの方に回してもらいながら、マジのディスコになる。そういうのはやったことがなかったですね」
かしゆか「オフィシャルでは初めてですね」
あ~ちゃん「『申し訳ないと』(※1)でしか見たことがなかった光景ですね。楽しそうな大人の人たちが自分たちの曲でぶち上がってくれるかもしれないわけですよね」
かしゆか「今までは『おはようございます!』って言って呼ばれて出てたね」
あ~ちゃん「早朝アイドルとして出てた(笑)」
かしゆか「今度は自分たちの25周年展覧会で来てもらって、やってもらえるって特別だよね。チケットも即完だったって聞きました。それだけ特別に思ってくれて、当時を知っている人たちは、また違う特別な思いがあるわけですよね」
あ~ちゃん「500円の薄いぼったくりケーキをまた売りに行く(笑)?」
かしゆか「やる? 『Perfumeが手売りするケーキは500円です!』って(笑)」
あ~ちゃん「当時やっていたんですよ。『これぼったくりじゃん』って掟(ポルシェ)さんに言ったんですよ。そしたら『アイドルはそれぐらいでいいんだよ!』って変な教えをされました(笑)」
※1:「申し訳ないと」は2013年12月27日に惜しまれながらも活動を終了したJ-POP DJイベント。活動初期のPerfumeもたびたび出演しており、当時メンバーは未成年だったため、早朝のみに出演していた。
――今後発表されるDJの方々も豪華なのでしょうか。(※2)
かしゆか「大度(=真鍋大度)さんが今来たらかっこいい人をセレクトしてくれて、DJを選んでくれてると思います」
あ~ちゃん「すごいよね。セレブの人が誕生日にめっちゃ有名なDJ呼ぶみたいのあるじゃないですか。それみたい(笑)」
※2:8月19日に新たな出演者が発表された。Daito Manabe、SHINICHI OSAWA、Licaxxx、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)ら豪華面々が名を連ねた。
ヒールに詰まったPerfumeの歴史「いろんな場面を共にしてきた仲間たち」
――展覧会の中には、200足を超える歴代のヒールも展示されていますね。
かしゆか「Perfumeの象徴でもありますし、いろんな場面で履いてきました。ヒールを履くことでスイッチが入る部分もありますし、いろんな場面を共にしてきた仲間たちの歴史という感じです。オーダーで作る前の既存の靴を履いていた時期もあって、よく取ってあったなと思います。企画を聞いた時に『しわしわの靴で大丈夫?』って思ってたんですけど、とてもきれいにしてくださっていて、感謝です。ヒールの先っちょが削れてるのも見えたり、靴に番号が振ってあったりします。それは『この番号まで積み重なって履いてきたよ』という歴史でもあるので、あまり近くで見てほしくはないですけど、靴の中もちょっと覗いてみてほしいです」
――最先端のテクノロジーの中でも、足元を見ると生身の人間がやっているんだなと実感しますね。
あ~ちゃん「うれしいです。恥ずかしいですけど(笑)。でも本当にいろんな舞台を一緒に踏んできたので、いろいろなものが刻印されていますね」
――何回も通いたくなる内容ですよね。
のっち「今回の展示で面白いなと思ったのが、最後に新曲『IMA IMA IMA』のPVのステージが展示されているコーナーがあるんですけど、その周りにコンソールみたいなものが置いてあるんです。画面を見ると、私たちがステージで踊っていて、スイッチングでカメラを切り替えられたり、レーザーの種類を決めたりできるんですよ。自分が操ってゲームしている感じがして、楽しかったです」
あ~ちゃん「後ろの照明が変えられたりとかね。私が1つの照明を調整したところで、他にもレーザーや効果も必要で、いつもそれぞれ全部をスタッフさんたちがやってくれていて、それが合わさってライブ演出とかができているんだと思うと、めっちゃセンス出るなって思いました」
かしゆか「誰がやってもいいわけじゃないんだよね。その技術自体が素晴らしくても、担当してやってくれる方のセンスと愛情で演出がどれだけ増幅するかっていうのが、自分で体験してみることでよく分かりました。いろんな視覚効果が私たちのライブの一瞬の中に詰め込まれてるというのが、体感できる内容です。本当にスタッフチームに感謝です」
あ~ちゃん「最初は面白いけど、だんだんと自分のセンスのなさに落ち込んでね(笑)」
かしゆか「もっと音と合わせたいのに……。かっこよくならない……」
あ~ちゃん「私、この音知ってるのに……。どうやればいいんだろうって、全部押してみたり(笑)」
かしゆか「1回じゃ見切れないよね。時間をかけてじっくり見てほしいですし、見るところだらけなので何回も通ってほしいです」
結成年を訂正するまさかの事態「変だなとは思っていたんですよ」
――発表会では、結成年が2000年ではなく1999年だったと衝撃の新情報を明かされていました。近年は衣装展「Perfume Costume Museum」を開催するなど、歴史を振り返る機会が増えてきたと思いますが、ほかにも新発見はありましたか。
かしゆか「今回、過去の振り付けの解析をしているコーナーがあるんです。歌詞とビートとメロディーそれぞれで、どの部分の振り付けなのかを可視化できるんです。そのポーズに近いほかの楽曲を解析して、瞬時に出してくれるんです。ずっとMIKIKO先生が振り付けを作ってきてくれたからこそ、『ここが似てくるんだ』とか『このポーズが先生好きなんだね』とかが分かります。『“キミ”と表現するときはこうしたいんだ』とか。歴史があるからこそ分かる面白さでしたね。MIKIKO先生は『(分析されて)恥ずかしい』と言ってました(笑)」
あ~ちゃん「でも、本当に結成日に関しては、目からうろこでしたね」
――それをちゃあぽんさん(あ~ちゃんの妹・西脇彩華)から指摘されるというのも面白いですね。
あ~ちゃん「私も変だなとは思っていたんですよ。『あれ? アクターズスクール(広島)は99年から始まってるから、入校したのは99年だよな?』みたいな」
かしゆか「最初のユニットオーディションで『一緒に組もう』って言ってたけど、その時は組めなくて、『次は組もうね』って話してたよね。それが何年かは全然覚えてなかった」
あ~ちゃん「そうなんよね。しかもそのユニットオーディションも合格した2組が発表会に出られたけど、私たちはダメだったんですよ。でも、もう1枠の“イベントガール”というのに合格したんです。“イベントガール”として活動して、その後に発表会のステージに立ったわけなんです。それが2000年の5月だったのかな。でも、結成って作った時だよねって……(笑)」
かしゆか「日付も知らないけど(笑)」
あ~ちゃん「(ちゃあぽんにその話をしたら)『そうよ。じゃけぇね、結成したのは99年よ』って普通に言われて。『え~!』って(笑)」
かしゆか「今まで周年で祝ってたことに、違和感あったの? って」
のっち「ちゃあぽん1人が……(笑)」
かしゆか「『おっかしいな~、Perfumeの結成は99年なのに』って(笑)」
あ~ちゃん「『人前出た時のことを言ってんのね』って自分の中で納得させてたんかもね(笑)。マジで目からうろこだね」
かしゆか「衝撃です」
あ~ちゃん「これからはちゃんと数字を合わせていきます」
――となると、今後はアニバーサリーがずれていくんですか?
あ~ちゃん「ちょっとずれちゃう(笑)」
かしゆか「次からずれちゃうか、うまいこと言って呼び名が変わると思います」
のっち「結成20周年、メジャーデビュー25年目……」
あ~ちゃん「逆(笑)」
かしゆか「結成が25周年」
のっち「あ、そっか(笑)」
かしゆか「最近って周年突入と周年はここからみたいな分け方があるじゃないですか。それをうまいこと言い換えるてやるのかなぁ~?」
あ~ちゃん「(大人の人たちが)うまいことやってくれてるはずです」
のっち「(マネジャーさんが)苦笑いしてる(笑)」
あ~ちゃん「そりゃそうだよね。そん時(結成した当時)のことなんて誰も知らんよ。お母さんたちしか知らん(笑)」
積み重ね続けた膨大なデータは「Perfumeの財産」
――発表会でも「何も変わらずに今まで活動してきた」と発言されていましたが、改めてここは変わっていないという部分を教えて下さい。
のっち「今回の展示会で25分に1回、広い会場内全てを使ったディスコ空間になるタイミングがあるんです。その時に、今までのライブ映像がフラッシュバックのように流れるんですけど、MCであ~ちゃんが話している顔が全部笑顔で、そこは変わってないな~って思いましたね。後はどのデータを見ても、その枠縁だけで誰が誰か分かるんです。25年過ごす中で、こんなに形が変わらないってすごいことじゃないかなって思います」
あ~ちゃん「そうよね。誰か1人くらい激太りとかいいよね(笑)」
かしゆか「形にはまりませ~ん。データと合いませ~んって(笑)」
あ~ちゃん「昔の衣装をアーカイブとして今も着られるのもすごいと思います。当時から、『これはのっち』『これがかしゆかだ』という、マニュアルじゃないけど、それがベストみたいな型を作ってたっていうのもすごいよね」
のっち「無理してたら続かないしね」
あ~ちゃん「(かしゆかを見て)髪に関しては、当時よりもどんどん長くなっていますし、本当に無理してると思います(笑)。前髪をキープするのに2週間に1回ぐらい美容院に行ってますよ。彼女はそういうところが真面目なので、『自分で切ればいっか』とならないんです。1ミリ単位で計算しながら……。これは無理してるかもしれないですね(笑)」
のっち「私にはできない!」
あ~ちゃん「そうですね。できないです(笑)」
かしゆか「私たちはデータに合わせて生きています!」
あ~ちゃん&のっち「(笑)」
あ~ちゃん「撮り続けてデータを積み重ねていく。それこそがPerfumeの財産なんだっていつからか気づいたよね」
――ここ数年で海外での活動も増えました。意識が変化したことなどはございますか。
かしゆか「こないだアジアツアーに行ってきたんですけど、12年ぶりの香港で『12年も空けないで!』って言ってもらえて、もっとフランクにツアーやライブに取り入れていけたらいいよねという気持ちを新しくみんなで持ち始めましたね。なので、『ワールドツアー!』と銘打たなくても、いろんなところに回れるようなスタンスでいたいなと今は思っています」
あ~ちゃん「日本語の美しさ、表現の繊細さ、奥ゆかしさみたいな部分は、より自分の中でも特別に感じるようになりました。日本語を美しいと思ってくれて、Perfumeの曲を通して日本語を勉強してくれた方たちからそういうことを聞くことがありましたね。中田(ヤスタカ)さんの曲の中で、あえてカタカナ英語として発音して歌っている部分もたくさんあるんです。そういった部分を美しいと思ってくれる人がいるということをインプットする。それはすごく自分たちの中で大きいことでしたね。ワールドツアーに行った後、『日本語って美しいんだ。カタカナってかわいいんだ』と気づけて、カタカナで“パフューム”とプリントしたTシャツを作ったりもしました。言葉をより特別に感じるようになりましたね」
のっち「その土地ごとの言葉のかわいさみたいなものも、今回のアジアツアーで改めて感じたりしましたね。コミュニケーションの取り方がやっと分かってきた感覚もあります。海外でライブをするようになった頃は、会ったこともなければ、言葉も通じるか分からない。曲も知っているか分からないという状態だったので、コミュニケーションも探り探りでした。でもそういった部分での信頼関係もできてきて、今は安心して待ってくれている人がいるんだ、という気持ちです。どんなことしゃべろうかなと楽しみになっています」
のっちが2人に伝えたい思いは「ほんっっっとうにかわいい!!!」
――3人は25年という四半世紀もの期間を一緒に過ごされています。改めてお互いに声をかけるならどのようなことを伝えたいですか。
のっち「ほんっっっとうにかわいい!!!」
あ~ちゃん&かしゆか「(笑)」
のっち「びっくりします。『IMA IMA IMA』の撮影も1人ずつでの撮影だったんですけど、あんなに『かわいい!』と自分の口からこぼれることなんてなかったです。毎回、声に出して言っちゃうんです。本当にかわいいと言ってあげたい!」
あ~ちゃん「25年続けるって、本当にすごいこと。支持され続けていないとできないことだと思うんです。ただ活動しているだけでは、虎ノ門ヒルズで25年をお祝いした展覧会なんてできるわけないんです。だから、ほんますごいよ、あんたら」
かしゆか&のっち「(笑)」
あ~ちゃん「あんたらすごい。広島からよう出てきて、続けたねって。ゆかちゃんは、真面目ゆえに、続けるということに対して、邁進して邁進して、自分を追い詰めてしまう性格だと思うので、それでもよく続けてくれたねって言いたい。のっちは続けることが苦手で、すぐに飽きて、何もかもやめますので(笑)。よく飽きないでいてくれた。すごいよ。ほんっとうに2人を称えたいです」
かしゆか「25年一緒にいたということもそうですけど、やっぱり健康でいてくれて、気心変わらず、Perfumeやめたいって思いにならないでいてくれて、ほんっとうにありがとう」
あ~ちゃん&のっち「(笑)」
かしゆか「苦しい思い、やめたくなるくらいの緊張感、自分たちで解決できないようなこととかに直面して、いつ糸が切れてしまうか分からないって気持ちの中、ずっと楽しいと思い続けながら、3人でいることを選び続けたって本当に奇跡だと思うんですよね。だから、本当に一緒に未来を面白くしようと思ってくれて、あとは健康でいてくれて本当にありがとう」
あ~ちゃん&のっち「(笑)」
かしゆか「3人のうち1人でも欠席や休養となったら、もう2人じゃ活動できないです。ここまでツアーに穴を空けることなく、足を骨折やら捻挫することなく走ってきたのはすごいことだなと思うので、2人の体にも感謝です」
「Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡」は10月14日まで開催中。さまざまな体験型の展示が用意されているが、あ~ちゃんは「恥ずかしがらずにやってみてほしいです」と一言。かしゆかは「自分が思うほどあなたのことは誰も見てないです(笑)。存分にやってください」と呼びかけた。