AKB48“ブーム再び”の決意「もう一度代表曲を作りたい」 東京Dの目標も…倉野尾成美&下尾みうの胸中
アイドルグループ・AKB48が、新たな飛躍を遂げるべく、生まれ変わりを図っている。メンバーの卒業が続いた一方、有望な研究生として新規メンバーが続々加入。このほど、テレビ東京のレギュラー番組が放送終了となり、キー局のレギュラー番組がなくなったが、この夏から地方放送局で冠番組が新たにスタート。コンテンツ配信サービスを通して、実質的な“全国放送”が継続する形になっており、メンバーたちは気合十分。「自分たちの世代で、もう一度代表曲を作りたい」と意気込んでいる。この春にグループ総監督に就任した倉野尾成美と、人気メンバーの下尾みうに、前を向く思いを聞いた。
4代目総監督・倉野尾成美&海外でも人気・下尾みうに直撃 山梨放送の新たな冠番組が放送スタート
アイドルグループ・AKB48が、新たな飛躍を遂げるべく、生まれ変わりを図っている。メンバーの卒業が続いた一方、有望な研究生として新規メンバーが続々加入。このほど、テレビ東京のレギュラー番組が放送終了となり、キー局のレギュラー番組がなくなったが、この夏から地方放送局で冠番組が新たにスタート。コンテンツ配信サービスを通して、実質的な“全国放送”が継続する形になっており、メンバーたちは気合十分。「自分たちの世代で、もう一度代表曲を作りたい」と意気込んでいる。この春にグループ総監督に就任した倉野尾成美と、人気メンバーの下尾みうに、前を向く思いを聞いた。(取材・文=吉原知也)
撮影スタジオに、赤色の夏衣装に身を包んだ倉野尾と下尾のとびきりの笑顔が広がった。8月3日から放送スタートの山梨放送の新たな冠番組『AKB48、久しぶりの二度目旅』(土曜、深夜1時55分)。仲良しコンビによる収録は快調に進んだ。
同番組は、「一度訪ねた場所はどう変わっているのか。その時に行けなかった心残りの場所に、もう一度行ってみたい」。こうした「旅行」をテーマに、“二度目旅”を提案する内容。AKB48のメンバーが実際に旅ロケを敢行し、スタジオのメンバーがトークで盛り上げる。
参加メンバーの組み合わせが“日替わり”であることも番組の魅力の1つ。今回は下尾と、春から正規メンバーに昇格したばかりの17期生・橋本恵理子が一緒に、北海道・函館を巡った。メンバーの意外なマッチング。旅を通して、より仲良くなっていく様子も見どころだ。ロケを終えた下尾は「えりちゃんとそこまでがっつり話す機会はあまりなかったので、メンバーのことを知ることのできるいい機会だなと思いました」と実感を込める。
台本のない、自然体のロケ。行きたいお店の取材アポ取りも自分たちで行う、ドキュメンタリー感満点の番組だ。倉野尾の目には、下尾と橋本がまるで姉妹のように映ったといい、「みうちゃんがお姉ちゃんをしている姿は新鮮でした。普段見れないメンバーの一面を見ることができて面白かったです」。
函館は、下尾が3歳のときに家族旅行で訪れた思い出の地だった。番組はメンバーの昔の思い出も知ることができ、それぞれの人となりをいい意味で深掘りできそうだ。倉野尾は「リアリティーのあるほのぼのとした感じで、楽しく収録できました。今後、メンバーの組み合わせによって空気感も変わっていくと思うので、そこも見どころです。2度目だからこその旅の楽しみ方に、なるほどと思うところがありました。今回は日帰り旅だったので、限られた時間でどこをどう巡るかといったポイントも参考になるのかなと思います」と、番組が持つ可能性について語った。
AKB48のテレビ番組を巡って、大きな変化があった。今年6月をもってテレビ東京のレギュラーが終了し、キー局で名前を冠した番組がなくなったのだ。
一方で、今回の山梨放送の新番組がスタート。テレビ神奈川でも7月から、18期・19期研究生が出演する冠番組が始まった。テレビの冠番組はしっかり継続。それに、配信サービス・TVerで配信されており、全国どこでもAKB48の新番組の視聴が可能だ。
そこに悲観はない。倉野尾が「AKB48のメンバーをテレビで見ることができる。こうした機会はすごく大切だなと考えています。今はインターネット配信を通して、全国の方に見ていただける時代になっているので、ありがたいです」と話せば、下尾は「先日、テレビの冠番組を視聴していただいた方から、『下尾みうさんですよね』と声をかけていただく機会がありました。すごくうれしかったです。冠番組があることで知名度が上がる、私たちのことを知ってもらえるきっかけになる。そのことをすごく実感しました。今後も継続できるように、いちメンバーとして頑張りたいです」と力を込める。
劇場の全面リニューアルを控え、グループ20周年を迎える来年2025年の“先を見据えた展開”
ところで、大の仲良しの倉野尾と下尾は、YouTubeチャンネル『なるたおちゃんねる』を2人合同で展開。“銀の盾”を目標に、MV撮影や記念公演などグループ活動の舞台裏を紹介したり、ダンス動画を通してグループの魅力を伝えている。「私たちのモットーは、無理をしないで楽しむということです。YouTubeを見てもらうことで、今のAKB48を知ってもらう、入り口になれば」と熱い気持ちで動画配信に取り組んでいる。
個人の活動にも意欲を示しており、韓国を中心に海外ファンの人気度を誇る下尾は「私はやっぱり挑戦することが好きだなと実感しています。今後も挑戦することを続けていきたいですし、演技のお仕事にもチャレンジしていきたいです」と笑顔を見せる。
グループの活動も充実化。新曲『恋 詰んじゃった』がSNSを中心に話題を集めており、20期生オーディションを展開中だ。また、東京・秋葉原にあるAKB48劇場が9月から全面リニューアルに入り、大事な拠点も生まれ変わる。工事の間に全国20か所を回る「出張公演」(9~10月)を予定しており、コンサート活動にも力が入る。
4代目総監督の大役を担う倉野尾にとって、前総監督の向井地美音の存在は大きい。たびたび悩みを相談しており、「好きにやっていいんだよ」とアドバイスを受け、伸び伸びと自分らしく、重責を務めることができているという。
そのうえで、劇場のリニューアルを終え、グループが20周年を迎える来年2025年の“先を見据えた展開”を意識。出張公演について、「今、秋葉原でやっている演目をほぼそのままお届けしますので、遠くて見に行けないという方や、久しぶりにAKB48を見に来てくださる方にも、楽しさや魅力を届けられるように頑張りたいです。『また秋葉原に行ってみよう』『劇場リニューアル後に行ってみたいな』。そう思っていただける出張公演にしたいです」と声を弾ませる。
2005年12月8日はAKB48劇場で初公演が行われた記念日だ。「リニューアルが完了してから1発目に、新公演をやろうと考えています。新しい演目は何年ぶりだろうというぐらいで、私たち自身もすごく楽しみです。みんなで気合いを入れて、まず今年の19周年を迎えて、20周年に向けて新しいAKB48をお見せすることができればと考えています」。そして、「“2度目のブーム”を起こせたら。劇場公演も大事にしながら、私たちの代でも東京ドームを目指せたらと思っています。それに、歴史あるグループを振り返ると、たくさんの名曲があります。自分たちの代でも、自分たちの曲、代表曲を持つことができたら一番いいな。そう思っています。それが今の私の目標です」と、力強く宣言した。