格闘技イベント「超RIZIN.3」（28日・さいたまスーパーアリーナ／ABEMA PPVで全試合生中継）の前日公開計量が27日、都内で行われた。第8試合で対戦する扇久保博正（37＝THE BLACK BELT JAPAN）と神龍誠（24＝神龍ワールドジム）はともに計量クリア。扇久保が珍しく感情をあらわにした。

　よくある“一触即発”ではない。本気の大人の怒りを見せつけた。2人を巡っては過去に先生と教え子という関係性であった時期がある。この一戦のプロモーションでさまざまな過去を暴露しあい、扇久保が神龍にトイレ掃除を強要したというエピソードから「パワハラ」の声が上がった。

　この日、両者は56.95キロで計量クリア。なにごともなく計量が進んでいくように見えたが、フェイスオフで空気が一変する。両者は全く視線を外さない。扇久保はじわりと一歩近づいた。

　司会の鈴木芳彦アナが「神龍選手からコメントをお願いします」とアナウンスするが全く離れない。「両者を離してください！」の声でようやく2人が下がった。

　神龍は「いままでクソガキとか口悪いとか散々言われてきて、ちょっと反省してます。でも今日はあえて言います。『扇久保さん殺してやるよ』」とにやり。

　目をつむりながら聞いていた扇久保は「いろいろここまであったんですけど、明日は必ず俺が勝ちます。そして神龍、『明日は殺してやるよ』」と力を込め、神龍に向かって中指を立てた。

　その後、壇上で何かを言い合う両者。扇久保が神龍に近づいていき、4人のスタッフに止められる事態となった。

　扇久保の珍しい行動に同門の神田コウヤは「修斗時代も、TUF（The Ultimate Fighter）帰りの影響なのか1度中指を立てていた気がします。バチバチである事には違いないのですが、互いにあらゆる義務を果たして今日という日を迎えた達成感、そして明日の試合に対する高揚感が入り混じった気概がただよってました。単なる『遺恨』と表現してしまうのは、もったいない。あまりにも尊すぎる瞬間でした」としみじみしていた。