霊山山頂のほこらにタバコをポイ捨て、犯人は? 「罰当たり」「不謹慎過ぎる」と批判殺到
今年も本格的な夏山シーズンが到来、各地の山に多くの登山者が訪れるなか、問題となっているのが一部の登山者によるマナーの問題だ。日本百名山のひとつで、南アルプス国立公園内に位置する甲斐駒ヶ岳では、山頂のほこらの中にタバコの吸い殻をポイ捨てされるという被害が発覚。発見者のyamori(@yamori2967)さんに話を聞いた。
聖徳太子が登ったという伝説も残る標高2967メートルの甲斐駒ヶ岳
今年も本格的な夏山シーズンが到来、各地の山に多くの登山者が訪れるなか、問題となっているのが一部の登山者によるマナーの問題だ。日本百名山のひとつで、南アルプス国立公園内に位置する甲斐駒ヶ岳では、山頂のほこらの中にタバコの吸い殻をポイ捨てされるという被害が発覚。発見者のyamori(@yamori2967)さんに話を聞いた。
「大好きな甲斐駒ヶ岳山頂にある祠の中にタバコが投げ捨てられていました。大切な仏さんがいるところに手を入れていいのか迷ったので、捨てられたタバコを取ることができず、そこだけ悔いが残るのですが、神様がいるところにこんなことをする人がいるなんて信じられません」
今月15日、SNS上に投稿された写真には、曇り空の中に鎮座した甲斐駒ヶ岳山頂のほこらの様子が収められている。標高2967メートルの甲斐駒ヶ岳は聖徳太子が登ったという伝説も残る歴史ある霊山で、山頂には麓にある甲斐駒ヶ岳神社の本宮(奥宮)がまつられている。
「13日に、久しぶりに甲斐駒ヶ岳に登頂したときのことです。山頂にある石祠(せきし、石のほこら)の存在は知っており、石祠に向かって『登らせてくれてありがとうございました』と登頂するたびにいつも報告していました」と投稿者。その日はなぜかほこらの中が気になり、近くまで行って見てみたところ、2体のご祭神の下にタバコの吸い殻があることに気が付いたという。
「大変ショックを受けました。取りたくてもストックを使わないと取れない距離で、ご祭神がいるところは安易に触ってはいけないし、ましてやほこらの中なので、何もできないまま下山しました。甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根ルートは修験道で、石仏やほこらなどが点在し、山岳信仰の歴史を感じさせてくれます。そういうルートを通ってきたからこそ、なおさら悲しい気持ちになりました」
投稿は3000件を超えるリポスト、1.7万件の“いいね”を集めるなど大きな話題に。「許せないです」「怒りしかない」「こんな罰当たりな事よく出来るなぁ。やはり喫煙者のマナーは最悪だ」「こんな高い山登るようなベテラン登山者ならマナーできてる人ばかりだと思い込んでたよ」「ポイ捨てする癖に隠したいんですよ。そんな輩にとっては祠では無く、ただ人目を避けて捨てられる場所でしかないんでしょうね。不謹慎が過ぎます…」と批判の声が多数寄せられている。吸い殻はその後、投稿を目にした登山者によって神社関係者に伝えられ、発見から4日後の17日に関係者が山頂まで登頂し回収したという。
一連の反響を受け、「ごく当たり前のことですが、神様をまつるほこらを大切にするという日本文化を忘れていない人がたくさんいらっしゃったことがうれしかったです」と投稿者。一方で「外国人の仕業では」と邪推する声も多く寄せられたといい、「日本人がやったことではないと信じたい気持ちはすごく分かるのですが、日本人も海外の世界遺産の建造物に落書きをしたことがありますし、証拠もなく、他の国の人がやったと決めつける風潮に残念な気持ちになりました。また、山での喫煙マナーもはっきりと定められておらずあいまいになっているので、受動喫煙も含めて見直すきっかけになればうれしいです」と話している。