【光る君へ】32歳・高畑充希、15歳役は「厳しかった」 相手役とは20歳差「それも大河の醍醐味」
俳優の高畑充希が藤原定子を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。定子を演じた際の苦労や撮影の様子について語った。
昨年末に「顔色が良くなかったみたいです」
俳優の高畑充希が藤原定子を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。定子を演じた際の苦労や撮影の様子について語った。
定子は藤原道隆(井浦新)の長女で、一家の繁栄を願う父の思いを一身に負い、年下の一条天皇(塩野瑛久)に入内。清少納言らが集う、才気にあふれたサロンを作り上げ、一条天皇の最愛の妃となった人物だ。
初登場となったのは第13回「進むべき道」。定子は、元服してわずか20日後のまだ幼い一条天皇に入内する様子が描かれた。このとき15歳の定子だったが、演じる高畑は32歳。「厳しかった」と苦笑して、幼い一条天皇を演じた12歳の柊木陽太と「20歳ぐらい下だったのかな? やっぱりさすがに……とは思ったんですけど、それも大河ドラマの醍醐味だなと思いますし、どう見たって同世代には見えないと自分でも分かっていたので」と演じた際の心境を語った。
定子は内裏でサロンを作り上げ、一条天皇らと過ごす華やかな場面も描かれた。高畑自身も『枕草子』での定子に関する記述から「明るかったり、ユーモアがあったりとすごく魅力的で、強くてハンサムな部分もある人」との印象を抱いたうえで撮影に入ったという。
実際に演じるうえでは、「待っているだけのお姫様じゃなくて、もっと能動的なかっこいい部分も見せたいと制作の方々もおっしゃっていたので、そこは肝に命じつつ、史実の中でのすごく華やかな部分と同時に、はかない印象も取り入れていきたいなとは思っていました」と振り返った。
また、撮影期間中には月に1度「定子ウィーク」があったと明かし、「同じセットで1日中撮ることが多かったので、火曜日から金曜日に定子が朝から晩までスタジオにいるみたいな週がありました」と説明した。
そんな撮影中は「衣装がとにかく重たくて、平安時代のその当時は足や手が少し出るだけでも品がなく見えていたらしいと教えてもらいましたので、動きのスピード感であったりとかは、少し心がけてはいました」と話し、「かなり着こんでいるので暖かいし、ぽかぽかしてお布団みたいになってきます。ゆっくり話して、ゆっくり動いていると、特にのんびり遊んでいるシーンでは、やっぱり眠くなるので苦労しましたね」と笑顔で語った。
三浦翔平演じた兄・伊周は「一周回って愛せてしまう」
もっとも、定子は物語の中盤からは兄・伊周(三浦翔平)と弟・隆家(竜星涼)が関与した「長徳の変」により内裏を出ることを命じられ、自ら髪を切って出家してしまうなど苦しい立場に置かれる様子も描かれた。そのため、「最初に想定していた感覚とは変わってきました。思っていたよりも明るいシーンが少なかったです(笑)」と印象的な出来事を明かした。
「昨年末に、本当につらいシーンばかりを撮っていたときがあって、自分の顔色が良くなかったみたいです。吉高(由里子)さんに『大丈夫?』『久々に会ったら顔やばいけど、どうしたの? 体調でも悪いの?』って言われて(笑)。それだけ役に気持ちが持っていかれていたんだと思うんです」
道隆や伊周から「皇子を産め」などと罵倒されるシーンもあった。この場面について聞かれると「やってられないですよね」と笑いつつも、定子の立場を危うくした伊周の“好感度低下”については「皆さんの中で株が下がっているのは大変遺憾と言いますか、申し訳ない気持ち」だとして、三浦演じる伊周の魅力について熱弁した。
「私は結構、伊周が好きです。最初は『この人さえしっかりしていれば』と思っていたんですけど、演じる三浦さんは本当に全力で、どこまでも不格好で、ダサさというか、哀れさみたいなものを演じられていました。それを見ていると、定子としての怒りよりも、あまりにも哀れで涙が出てくるみたいな感情になりました。あそこまで行くと、一周回って愛せてしまいますね」
そんな三浦との共演に「本当に毎カットを全力で罵倒してくださって、暴れてくださっていたので、私も同じテンションで演じられました」と感謝しつつ、「現場での三浦さんの伊周がすごくすてきだなと思って見ていました。なので、ぜひ兄をよく書いてやってください」と笑顔で報道陣に呼びかけた。