愛車で久々に高速道路を走ったら…思わぬトラブル、圧倒的ワースト1位は?

いよいよ夏の行楽シーズンも本格化、ロングドライブに出かける機会が多くなる。しかし普段は近所の買い物程度に使っていた愛車を、いきなり高速道路を長時間走行するロングドライブに引っ張り出すと、思わぬトラブルを招くこともある。事前に想定されるトラブルの内容を知って、準備やメンテナンスが行えるように心がておくと良いだろう。そこでクルマのロードサービスを手がけるJAF(日本自動車連盟)の千葉支部で、実例を交えた故障内容について話を聞いた。

高速道路で多いトラブルにも対応するロードサービス【写真:土田康弘】
高速道路で多いトラブルにも対応するロードサービス【写真:土田康弘】

高速道路の走行で負担が掛かるタイヤ

 いよいよ夏の行楽シーズンも本格化、ロングドライブに出かける機会が多くなる。しかし普段は近所の買い物程度に使っていた愛車を、いきなり高速道路を長時間走行するロングドライブに引っ張り出すと、思わぬトラブルを招くこともある。事前に想定されるトラブルの内容を知って、準備やメンテナンスが行えるように心がておくと良いだろう。そこでクルマのロードサービスを手がけるJAF(日本自動車連盟)の千葉支部で、実例を交えた故障内容について話を聞いた。

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「高速道路における故障としてはタイヤのバーストが多くなる傾向です。一般道を走るのと高速道路を走行するのとでは、タイヤに掛かる負担も違ってくるので要注意です」

 お盆時期における2023年のJAFロードサービスの統計データによると、高速道路での故障内容の1位はタイヤのパンク、バースト、エアー圧不足でなんと全体の38.45%を占める圧倒的なワースト1位となっている(ちなみに一般道での出動理由の1位は過放電バッテリー)。一般道では走行する速度も低くタイヤに掛かる負担も比較的少ないが、高速道路を速いスピードで長時間走行するとタイヤには大きな負担が掛かり、思わぬトラブルを招くことがあるのだ。高速道路を走行する前にはタイヤの空気圧管理はもちろん、タイヤのキズなど外から見えるトラブルの原因を事前にチェックして、ドライブに出かけるようにすると良いだろう。

タイヤのパンクも多くのトラブルを占める【写真:土田康弘】
タイヤのパンクも多くのトラブルを占める【写真:土田康弘】

ATのトラブルも高速走行時の特徴

「高速道路で比較的多く見られる故障としてはオートマチックトランスミッション(AT)の故障もあります。高速道路を長時間走行するとATに負担が掛かります。特に坂道などでアクセルを踏み込んでギアを下げる“キックダウン”を多用するシーンも多くなり、一般道とは比べられないほどATには過酷な状況です。その結果、最悪の場合には走行不能になるケースも出てきます」

 駆動系のトラブルも高速・長時間の走行になることが多い高速道路に多いトラブルだ。ATのトラブルが発生すると前進さえもできなくなってしまうことも多い。こちらも高速道路を走行する前にはATフルードの状態をチェックして、交換時期が来ていたり汚れていたりする場合には事前に交換しておくのが予防に役立つ。

 また高速道路での燃料切れも比較的多いトラブルだ。もちろんJAFではロードサービスで燃料の補給も対応してくれるのだが注意点がもうひとつ。

「高速道路の燃料切れは危険でもあるのですが、他に注意したいのは道路交通法違反になる点です。高速道路では余裕を持って給油して、燃料切れを起こさないよう心がけてください」

燃料切れに対するレスキューも備えている【写真:土田康弘】
燃料切れに対するレスキューも備えている【写真:土田康弘】

チョイ乗りが多い場合はバッテリー上がりに注意

 一方、一般道で起きがちな故障についても話を聞いた。統計データの故障内容ワースト1位となっているのが過放電バッテリーなので、特に一般道ではバッテリーあがりが要注意のようだ。

「一般道では近距離に出かけるチョイ乗りが多くなりがちです。近くのスーパーに買い物に行くなど、少し乗ってエンジンを止めることを繰り返すことも多くなります。するとバッテリー液の比重が下がっていき始動できなくなることもあるんです。通常だと20分~30分は走行しないとバッテリーは十分に補充電されないと考えましょう」

 チョイ乗りを繰り返す使い方をしているユーザーの場合には、定期的にバッテリーの補充電をしておこう。定期点検を受ける際には補充電もまとめてお願いしておくと安心だ。

 また救援依頼ではちょっと変わったケースもあるという。それがデジタル機器の操作上の使用ミスだ。

「近年は複雑なステアリングスイッチが装備されているクルマもあって、うっかりボタンに触れてしまって設定が変わってしまうことがあります。するとメーターパネル内のチェックランプが点灯することがあり、設定を熟知していないドライバーは慌ててしまいロードサービスを依頼されるケースがあります。しかし、中にはうっかりスイッチ操作をしてしまって、安全装置がオフになっていたケースもありました」

 多機能化しているクルマのデジタル設定、クルマの取扱説明書をしっかり読んでおけばチェックランプの意味もすぐにわかるので、まずはクルマを安全な場所に止めて、チェックランプの意味を確認した上で対応策を取るようにすると良いだろう。

 せっかくのドライブで思わぬトラブルに遭遇してしまうと旅の行程の変更を余儀なくされてしまう。そんなことがないように、過去のデータや救援例を見て、愛車の準備を怠らないようにしよう。

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