民放出身第1号のフリーアナウンサーとして知られる押坂忍さんが、6月29日に死去したことが8日、分かった。押坂さんが創業し、会長を務めるエス・オー・プロモーションが公式サイトで発表した。押坂さんは享年89歳だった。

「平素より大変お世話になっております。弊社創業者・取締役会長、所属アナウンサー 押阪忍がかねてより病気療養中のところ令和6年6月29日 享年89歳にて逝去いたしました。ここに生前のご厚誼を深謝し、謹んでお知らせ申し上げます。故人の遺志により、葬儀・告別式は近親者のみで執り行わせていただきました。皆様にはお知らせが遅れましたこと、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます」

　その上で「後日、皆様とのご会葬の機会を設けさせていただければと思います。今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」としている。

　押阪さんの長男で同社社長の押阪雅彦氏は自身のブログを更新し、「故人の遺志により、葬儀・告別式は、7月4日に近親者のみで執り行わせていただきました」と報告し、「後日、皆様とのご会葬の機会を設けさせていただく予定です。今は災害級の猛暑が続いておりますので、暑さが少しでも和らぐ秋頃を目安に、予定したいと考えています」としている。

　また、生前の押坂さんについて「父は、去年から、施設にて暮らしておりました。仕事の合間に、面会を重ねながら、この一年過ごしてきました」と明かし、「幸いなことに、父の最期を家族全員で看取ることが出来ました。とても穏やかで安らかな最期でした」と報告している。

　押阪さんは、岡山県津山市出身。立教大を卒業後、1958年4月に開局を翌年に控えた日本教育テレビ（現在のテレビ朝日）にアナウンサーとして入社。71年同社を退社し、個人タレント事務所のエス・オー・プロモーションを立ち上げ独立し、数々のテレビ番組で司会を務め、CMに出演した。さまざまな番組で司会を務め、TBS系『ベルトクイズQ&Q』では3代目司会者に就任。お茶の間なじみの顔になり、「名司会者」の位置付けになった。また、講演、コメンテーター、エッセイスト、アナウンサー教育などと活動の幅が広いことでも知られていた。