深夜ドラマで異例1100万回再生『約束~16年目の真実~』 番組Pが狙った「来週が待てない」の感覚
13日に最終回を迎えた『約束~16年目の真実~』(読売テレビ)は、深夜ドラマにかかわらずTVer再生数累計1100万回を突破するなど大きな話題を呼んだ。プロデュースを務めた多鹿雄策氏が放送後だから明かすことのできる裏話を語った。
横山裕へのサプライズの裏側も明かす
13日に最終回を迎えた『約束~16年目の真実~』(読売テレビ)は、深夜ドラマにかかわらずTVer再生数累計1100万回を突破するなど大きな話題を呼んだ。プロデュースを務めた多鹿雄策氏が放送後だから明かすことのできる裏話を語った。
真犯人が明らかになった第9話(6日)放送直後「ラスト数分、鳥肌がやばすぎる」「真犯人がわかってから見ると伏線ガンガン入ってた」などSNS上に反響の声が多くポストされ、Xのトレンド日本2位に入るなど大きな話題となった同作。13日に最終回が放送され、葵が追い続けた“16年目の真実”が明らかとなった。
多鹿氏は同ドラマ企画の経緯について、「ドラマの数が増えて、日本だけでなく世界中の作品を見られる環境が今はあります。それでもキャスト&スタッフ全員で作った作品を欠かさず見てもらいたいし、自分が小学生の頃、テレビドラマに感じていた『ここで終わるの!? 来週の放送が待てない!』っていうあの感覚を『今の時代ならどう作り出せるか?』を考え詰めた結果、今回は全話連続モノの“心理サスペンス”に挑戦しました。それと『次に何が起こるかわからない』サスペンスを作るからにはオリジナルという点にもこだわっていました」と説明した。
さらに、「連続ドラマを作るからには終わりに向かって盛り上がっていく、それが結果として数字にも表れることが一つの理想だと思います。今は深夜帯のドラマでも、TVerの存在によって放送時間帯関係なくフラットに見てもらえる環境があって、さらにHuluなどの配信プラットフォームの存在によって、後追いでも乗っかってこれる環境があります」と現状の視聴環境についも言及。
「『約束』は、第5話を境に、TVerのランキングや再生数が伸びて、そこから後半上がり続けました。そんな目に見える結果だったり、視聴者の皆さんのSNS上での感想や考察は、撮影現場で、キャスト・スタッフと話していました。『こんな面白い考察があった!』『ほぼ当たっている考察があった!』と話題になっていましたね」と盛り上がりを肌で感じていたようだ。
多数の伏線が話題となった今作だが、SNS上での考察の盛り上がりなどは狙い通りだったようだ。
「子どもの頃、見ていたドラマって『今週もいいところで終わった……来週が待てない』って思っていて、あの感覚を、今のこの時代のテレビドラマでやるならどうやったらいいだろうって考えた時に、自分の一つの手法としては、やっぱりサスペンスを突き詰める。次回何が起こるのか、次のシーンで何が起こるのかを、とにかくワクワクしてもらえるように。そのために『約束』は、全シーン・全セリフに意図があって、そうでないものは削ぎ落としていきました。第1話の洋食店で同級生たちが再会するシーン。ほんわかした雰囲気ですが、実は伏線がいっぱい詰め込まれていて、改めて見返したら『この何気ないセリフって、後のこのことを言ってたのか』と引っ掛けているんです。ぜひ、もう一度1話から見返してもらえると、全てがつながって、また違った楽しみ方をお届けできると思います!」
主演・中村アンとバディー・横山裕との撮影裏でのエピソードも紹介した。
「横山さんは取材やメイキングでも『セリフが多いんです……』とずっとおっしゃっていましたが、企画説明でうかがった時から『めちゃくちゃ(台本)面白いです。でもセリフが多いですねー笑』って、初めてお会いした時から撮影終盤まで、ずっと言ってました(笑)。とはいえ現場入ったら、頭の中にセリフはしっかり入っていて、ドラマ全体のことを考えながら、香坂がなすべきことを考えて、最後まで向き合ってくれました。
他にも、初めは疑い合っている葵と香坂というバディーが、最終話のラストに向けて、どう変化していくのか? アンさんと横山さんお2人でも話しながら、『こういう言い方の方がいい?』と私たちに提案しながら、作っていきました。バディーがどんなラストを迎えたいか? アンさんと横山さんの間でも話し合ってくれたことが、すごく心強かったです」
さらに撮影中に行ったサプライズでのハプニングを“初出し”してくれた。
「撮影現場で、横山さんの43歳の誕生日をお祝いしました。事前にどうサプライズでお祝いするか? キャスト&スタッフで話し合って、SNS用のカウントダウン動画の撮影中に、(木崎役の)坪倉さんが乱入し、ハッピーバースデーを歌いながらケーキを渡して、最後にプレゼントを渡すという流れでした。サプライズケーキを坪倉さんが持ってきて、横山さんも驚いて喜んでくれました。最後に横山さんからのコメントをもらい、撮影を再開しましょう! というタイミングで大事なプレゼントを渡し忘れたことに気づきました。
そのまま撮影が再開して、リハーサルが終わったところで、アンさんがプレゼントを隠していた撮影セットの棚の下を指刺して、『渡すの、忘れてたみたい……』と言って、横山さん自身が棚の下からプレゼントを取り出し、ツッコミながら、私たちのミスを笑いに変えてくれました。前述の通り、撮影中も楽しいチームでしたが、ハプニングなども笑いながら、日々の撮影を乗り越えていました」
撮影現場も和気あいあいの雰囲気で進んだ今作。TVerでは、第1~3話と最終話を配信中だ。
記事提供:読みテレ(https://www.yomitv.jp/)